→紀伊國屋書店で購入 人口の99%以上がイスラーム教徒である中東において、キリスト教徒などとるに足らない存在にすぎなく、研究する価値などないように思うかもしれない。本来、まったく無視してもいい人はひとりもいないのだが、マイノリティのなかには、社会への影響という点において、マジョリティの人びとと大差なくあまり存在感のない人びともいれば、数において少数であっても大きな存在感のある人びともいる。中東のキリスト教徒は、後者である。 著者、菅瀬晶子は、中東のキリスト教について、つぎのように紹介している。「ユダヤ教の一分派として誕生したキリスト教が、独自の聖典であるギリシャ語の七〇人訳聖書を掲げてユダヤ教から正式に分離したのが、イエスの死後およそ七〇年をへた紀元一世紀末のことである。その後教会は幾多の分裂を繰り返し、現在にいたっているが、とりわけ中東には初期の頃に分派し、ヨーロッパで発達したローマ・カ
現代人はキリスト教を信じられるか―懐疑と信仰のはざまで [著]ピーター・L・バーガー[掲載]2009年8月30日[評者]久保文明(東京大学教授・アメリカ政治)■なぜ人は信仰を持とうとするのか 本書は、著名な社会学者バーガーによるキリスト教徒としての実践の書である。著者はキリスト教について、さまざまな疑問があることを認めつつ、最終的には肯定的な理解ができることを静かに語りかける(原書の副題は「キリスト教の懐疑的な肯定」となっている)。 著者は冒頭で告白する。現在の神学や派閥はどれも肌に合わない。ルター派を自認しているが、ルター派教会とは肌が合わないため、聖公会の教会に出席している。もっとも居心地よく感ずるのはリベラルなプロテスタントだが、それはこの教派が懐疑と信仰のバランスを保っているからである。現代という時代から逃避することなくキリスト教徒であり続けるには、このバランスが不可欠である。今日
春の訪れとともに、キリスト教徒はイエス・キリストの復活を毎年盛大に祝う。ギリシャ正教系の教会では復活大祭あるいはパスハと呼ばれ、今年は4月19日に開催された。大祭の名の通り、大変重視されている。 ロシアではモスクワの救世主ハリストス大聖堂で就任して間もないキリル総主教の指導の下、大勢の信者が祈りをささげた。その中にはメドベージェフ大統領とプーチン首相の姿も見られた。 この大聖堂は1931年にスターリン体制下で破壊されたが、ソ連崩壊後に再建されたものであり、ロシアにおける正教復活のシンボル的な存在である。奇しくも大祭前日の4月18日に筆者は東京・五反田の立正大学で開かれたユーラシア研究所(旧ソビエト研究所)の改称20年記念シンポジウムで、スターリンの母国グルジアとロシアの関係などについて講演する機会を与えられた。 今回は、ともに正教徒が住民の多数を占める両国を例に取りながら、宗教問題や国家間
(CNN) 米国の成人の半数以上に、1度でも信仰する宗教を変えた経験があることが、調査機関ピュー・フォーラムが27日に発表した調査結果で明らかになった。「無宗教」の割合も増えていた。 調査は全米の成人2867人を対象に、生まれ育った家庭の宗教と、現在の信仰する宗教について電話で調査。同じ宗教でも教派を変えたり、同じ教派でも教会を変えた経験などを質問した。 その結果、子供のころと違う宗教を信仰しているとの回答は44%で、子供のころと同じだが過去に1度でも変えた事があるとの回答9%を含めると、過半数以上が宗旨替えしていたことが明らかになった。 変更の理由は「引っ越し」や「結婚相手の宗教に合わせた」といったことから、「通っていた教会の牧師が嫌い」、「別の教会の牧師の方がよかった」など多岐にわたっている。 一方、生まれ育ってから一度も宗旨替えしていない割合は47%と、過半数を割り込んだ。 また、「
バチカンとイスラム学者ら対話 法王発言の傷、修復図る2008年11月4日22時50分印刷ソーシャルブックマーク 【ローマ=喜田尚】バチカンが各国のイスラム学者代表を招き、カトリックとイスラムの対話促進のフォーラムが4日、始まった。イスラム教の「聖戦(ジハード)」を批判したとされる一昨年のローマ法王ベネディクト16世の発言で傷ついた関係の修復が狙い。発言後、ヨルダン王子ら43カ国のイスラム学者が書簡で相互理解を訴えたのがきっかけとなった。 フォーラムではバチカンの諸宗教対話評議会議長、トーラン枢機卿と、ボスニア・ヘルツェゴビナのスンニ派イスラム法学最高権威、ムスタファ・チェリッチ大ムフティを代表とする双方それぞれ29人が「人間の尊厳」「信教の自由」などについて意見を交わす。ヨルダン王立イスラム思想研究所を主宰するガジ王子も加わった。最終日の6日はベネディクト16世も代表らに謁見(えっけん)し
エジプトの首都カイロ(Cairo)で撮影されたマーヘル・アル・ゴハリ(Maher al-Gohari)さん(2008年8月7日撮影)。(c)AFP 【9月13日 AFP】エジプトでイスラム教徒として生まれた元警察官のマーヘル・アル・ゴハリ(Maher al-Gohari)さん(56)は、30年前にキリスト教に改宗した。しかし、それを公にしようと決意したのはつい最近のことだ。 ゴハリさんは今年になって、高等行政裁判所に対し、公式身分証明書の宗教欄の「イスラム教徒」を「キリスト教徒」に変更するための申請を届け出た。 エジプトでは、公式身分証明書を常に携行していなければならない。身分証明書がないと、公的なサービスが一切受けられないのだ。だが、キリスト教への改宗は、違法ではないものの、実質的には不可能に近い。 1月には、同じくイスラム教からキリスト教に改宗した男性が同様の申請をしたが、却下された。
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