blogとお気に入りに関するmventuraのブックマーク (3)
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世界最北の街・ロングイェールビーンに行った。この街はノルウェーのスヴァールバル諸島にあって、北極圏の中にある。 北極点の周辺の大半は海で、南極と違って大陸がない。なので、北極の定義は色々あるけれど、北極圏の中でも最北の街なので北極と言える。 きっかけは、いつだって意外なほど単純だ。いつものように、仕事終わりに Google フライトを見ていた。僕には、疲れ果てたとき Google フライトを開いて地図を見ながら次の旅を夢想する癖がある。 ヨーロッパ行きのお得な飛行機でもないかと探していたとき、マップの上の端、はるか上の端に空港のマークを見つけた。 Googleフライトで思い切りズームアウトするとロングイェールビーンは現れる それが名前も知らなかったその街を見つけたきっかけだった。その街はちょっと特殊な条約によって滞在するのにビザがいらないらしい。労働ビザもいらない。 引退後の理想の住処を探
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その晩の夕食のメニューは、いつもどおりのすいとんともやしの和え物だった。すいとんといっても、味のない、ぬるい塩スープに白いかたまりが浮かんでいるだけだ。 食事の号令を待っていると、そこへ監視官が入ってきた。汚れてベージュ色になったマスクの紐を右側だけ外し、副首相スタイルでがなり始めた。 ﹁今夜は、明日の迎撃戦をひかえた大切な夜である。ここ横浜は首都防衛の最後の盾だ! そこで、農林水産上級副大臣閣下より、ありがたいお気持ちを頂戴した! これを糧に、明日の戦闘に打ち勝てる!﹂ すると、薄汚れた白衣の給仕班が入ってきて、ソーシャル・ディスタンスを守っているぼくたちのプレートに、肉のかけらとメロンを置いていった。 ﹁食事、開始!﹂ ぼくたちはそれぞれの、ぼろぼろのマスクを外して、食事を始めた。原則、会話は禁止されていたが、一人の男がつぶやいた。 ﹁おれ、ステーキ・チェーンで働いていたからわかるんだ
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釜山からの留学から帰ってきて、もう何年も経つがどうしても食べたくなるものがある。 それはテジクッパだ。 日本ではあまり知られていないが、私にとっては思い出の味なのだ。 テジクッパとは釜山の名物料理で、豚骨スープのクッパと言えば良いだろうか。スープの具には豚肉や豚の内臓が入っている。 日本の豚骨ラーメンの濃厚なスープとは違って、ちょっと薄い。なのでそこにキムチやニンニク、セウジョをぶち込み、﹁お前、花の慶次を読み過ぎたんじゃないか?﹂というぐらいに豪快に食べる。 釜山っ子には必ずお気に入りのテジクッパ屋があって、そこで釜山の名物焼酎チョウンデイをあおりながら、一緒に食べるのが流儀だ。 私が初めて、テジクッパに出逢ったのは釜山に来たて頃だっただろうか。初めて食べた時の感動は忘れられない。感動のあまり﹁この味が良いねと君が言ったから4月6日はテジクッパ記念日﹂という短歌を読んだぐらいだ。留学して
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