爆風スランプのドラマーであるファンキー末吉氏が、JASRACの運営に関して文化庁に上申書を提出したというニュースがありました。 末吉氏が既にJASRACと裁判で争っていたことについては既に書いています(過去記事「JASRAC対ファンキー末吉氏の地裁判決文が公開されました」、「JASRAC、第二審でもファンキー末吉氏に勝訴」)。これらの裁判では末吉氏側の主張はほとんど認められていません(なお、記事にはしていないですが最高裁への上告も棄却されています(末吉氏による関連ブログ記事))。 裁判ではいくつかの争点がありましたが、その重要なもののひとつがJASRACの作曲家・作詞家に対する分配金の計算方法が不透明であるという末吉氏側の主張です。この点について、判決文では、それは作曲家・作詞家とJASRAC間の問題であって、利用者(たとえば、ライブハウス経営者)とJASRAC間の問題ではないとされていま
ゲーム開発で日本音楽著作権協会(JASRAC)と楽曲使用料に関するやりとりを行った人物のツイートが注目されています。この人物のツイートでは「アプリがダウンロードされた時点で使用料がかかる」「周回クエストは周回数分支払う必要がある」などと使用料の徴収について強く批判し、トータルで10万RTを超えるなど大きな反響を集めました。 画像はJASRACのサイトより このツイート主は、アプリのゲーム開発に携わったとする人物。ツイートによると、管理楽曲のダウンロード数に応じて使用料がかかる仕組みになっているとの説明を受けたツイート主は、制作側の負担を少しでも減らすためにアプリそのものに楽曲を入れる仕様ではなく、クエストに入った時点で音楽をダウンロードする仕様に変更しました。 これにより楽曲の使用料は抑えられるはずでしたが、その仕様にしたことをJASRACに告げると、「周回(何度もプレイする)クエストなの
パーセンテージ制自体は合理的――JASRACは外国映画の上映使用料について、18万円の定額制から興行収入の1〜2%に変更し、これまで支払いを担ってきた配給業者ではなく、映画館から直接徴収したい意向を示しています。 興行収入によるパーセンテージ制自体は合理的だと考えています。大ヒット作でも18万円定額はさすがに安過ぎるでしょう。 舞台やコンサート、放送、ウェブなどほかの分野では、むしろ収入比例が原則になっているケースが多い。その際、個別に徴収するのは大変なので、団体が包括的な処理をしてその分安くする、ということも珍しくありません。 とはいえ、長年続いたルールには恐らく背景がある。それに基づいて様々なビジネスが組み上がっている以上、現場が混乱しないよう、導入するとしても段階的にする必要はあると思います。 音楽教室とは 「問題の性質が違う」――6月に音楽教室での演奏について著作権料を徴収すると発
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2017年5月24日 著作権文化・メディア 「どこまでならOK? ウェブサイトにおける歌詞の掲載 ~JASRACと京都大学の式辞に関する論争を契機に~」 弁護士 岡本健太郎 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 昨今の「音楽教室からの著作権使用料徴収」問題に続き、先日、またJASRACが話題となりました。京都大学が、ボブ・ディランさんの歌詞を紹介した総長の入学式の式辞をウェブサイトに掲載したことについて、JASRACが著作権使用料を請求したとの報道があったのです。 創作性のある歌詞は著作物にあたり、著作権者の許可なくウェブサイトに掲載できないのが原則です。ただ、引用など、方法や態様によっては例外的に著作権者の許可なく使用できます。今回は、このJASRAC問題を契機に、歌詞の引用について検討してみます。 1. JASRACによる歌詞の著作権の管理 上記のとおり、創作性のあるオリジ
こんにちは。 継続的にブログを書き始めて約1年。貴重な体験をしました。 JASRACから 「著作権法に違反しているからブログ記事を削除しなさい」 と要請を受けました。 事件の始まり ことの発端は2017年3月3日、はてなサポート窓口から受け取った1通のメールでした。 ここで指摘を受けた記事がこちらの4つです。(後に追加で指摘されたものも含む) 2016年7月16日の記事 blog.wackwack.net 2016年12月1日の記事 blog.wackwack.net 2017年1月4日の記事 blog.wackwack.net 2017年1月22日の記事 blog.wackwack.net このメールを受け取って思ったことは「こんな底辺ブログに突っ込んでくるなんてどうせロボットやろ!」ということです。 人間が判断してるわけじゃないから、何かしら抵抗すれば要請は取り下げてくれるだろうと思い
JASRACに所定の著作権使用料を支払わない飲食店経営者が警察に逮捕、起訴され、懲役刑判決(2年)を受けたというニュースがありました。執行猶予付きとは言え、いくらなんでも厳しすぎないかというのが一般的感覚ではないでしょうか。 上記のニュースだけを見るといきなり逮捕されたかのように思えてしまうかもしれませんが、JASRACのプレスリリースによると、この飲食店経営者は民事仮処分による差止めを無視して、2度にわたりカラオケ機器の封印を破棄して無断利用を継続したことから、やむなくJASRACが刑事告訴状を提出したということのようです。 カラオケ歌唱の無許諾利用者に対して懲役刑の有罪判決が下されたのは全国で2例目だそうですが、前回のケースも今回同様に差止めの仮処分を複数回無視したという経緯があったようです。 日本の著作権法では、ほとんどの著作権侵害行為について故意で行なえば刑事罰対象となります。罰則
2017年2月10日 (2022年7月29日追記) 著作権ライブ音楽 「JASRAC音楽教室問題。 取材等で話したことをざっくりまとめてみる【追記あり】」 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) さて、この一週間JASRACの嵐がネット上で吹き荒れている。自分や事務所のメンバーもずいぶん色々な箇所でコメントを求められ、またつぶやいたり反響を頂いたりして来た。こうした「祭り」状態の常として一部で論点も拡散・錯綜して来たので、自分なりに一度短くまとめておこう。 念のため整理して置こう。現行法では、非営利の学校等での授業用の「複製」は無許可で可能(35条)。非営利で対価を取らない「演奏」も可能(38条)。今回の論点は、営利非営利を問わず教室での指導は、「公衆に聞かせるための演奏」(22条)ではないので元から著作権の対象ではないのでは、だ。 — 福井健策 FUKUI,
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