初めて発作を起こしたのは小学2年生の夏休みだった。その日は学校の隣にある公民館で小学生対象の「マフィン教室」が開かれていて、おれはそのマフィン教室の参加メンバーだった。朝早く起きて、エプロンと三角巾をリュックに、ドキドキとワクワクを胸にしまって家を出る。トボトボ、テクテク、ウィーン。小学校にはない自動ドアが開いて中へと入る。しかしなぜか、公民館の調理室に入るとすぐにイヤな感じがした。どんどん自分の脈が早くなるのがわかる。興奮や期待からくるドキドキとはまた違う。しばらくすると、急に足がすくんで立っていられなくなった。目眩がする。それに強い吐き気と悪寒がある。訳もわからなくなって、そのまま調理室の床に足を抱きかかえるようにしてしゃがみ込んだ。環境音が耳をつんざくほど大きく聞こえる。呼吸が荒くなる。世界に一人取り残されたような絶望的な気分だった。冷や汗と震えが止まらなくて、このまま死んでしまうん
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