開発・設計から生産まで、高品質のものづくりを実現するには品質管理手法︵以下、品質手法︶の習得・活用が欠かせない。だが、﹁何をどのように学べばよいかを知らない技術者が意外に多い﹂と指摘するのが、デンソーの開発・設計者出身で、トヨタグループの品質スペシャリスト﹁SQCアドバイザー﹂も務めた皆川一二氏だ。同氏に自身の経験を踏まえながら品質手法の学び方を聞いた。︵聞き手は近岡 裕︶ 技術者として開発・設計に携わっていたときに、品質に関して失敗した経験はありますか。 皆川氏‥あります。忘れられないのは、スズキ会長の鈴木修氏に怒られたことです。当時の鈴木会長の正確な役職は覚えていないのですが、専務以上だったと記憶しています。私はデンソーの開発・設計部門でグループリーダーを務めていました。 スズキに納めるある部品の次年度の品質計画について、私は相談のために同社を訪問しました。そこに鈴木会長がいらしたので
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