トコジラミによる被害が激増している。昨年のトコジラミ刺症の診療・相談件数は前年比10倍以上に増えた。すでにトコジラミは日本に定着したと専門家は指摘する。 気温が上昇すれば、トコジラミの活動は活発化する。今年の夏は「ドーンと増える」という。 あらゆる施設でトコジラミの生息を確認 「コイツですか」 駆除業者はいとも簡単に瓶の中からトコジラミを机の上に取り出した。茶色い5ミリほどの体は丸みを帯び、パッと見、羽のない小さなゴキブリのようだ。 「でも、トコジラミはゴキブリと違って、指で押してもびくともしないんです。ほら」 そう業者は言い、実際にやってみせてくれた。記者も爪の先でグリグリ押してみると、「カリッ」。甲羅が割れるような音がした。硬い。敵は相当手ごわそうだった。 トコジラミは「シラミ」と名がつくものの、カメムシの仲間だ。体は扁平。ベッドや家具、調度品などのすき間に身を隠し、夜になると出てきて