﹁エマ﹂でブレークした森薫さんの第二作です。今回の物語の舞台は中央アジアです。アジア大好きの私としては注目している作品です。﹁エマ﹂でも絵の素晴らしさは評判になっていますが,﹁乙嫁語り﹂では一段と絵柄が洗練されてきました。 単行本は原画に比べて2/3程度に縮小されていることもあり,まるでインドやインドネシアの細密画のような素晴らしさです。19世紀後半の中央アジアの習俗や生活がていねいに描かれていますので,絵だけを眺めていても十分に楽しめます。もちろん,森さん独特のストーリー展開にも不満はありません。 ﹁乙嫁語り﹂はエンターブレインが発行する隔月刊漫画誌﹁Fellows!﹂に掲載されています。私は﹁Fellows!﹂を手に取ったことがありませんので確たることは言えませんが,2か月に36ページのペースで掲載されていると思います。森さんにとっては本当に良質の作品を作ろうとするならばこのくらいの時