貧困、障がい、宗教二世など、多様な困難を抱える男性をあらわした“弱者男性”という言葉がトレンド化している。弱者男性当事者への取材と膨大なデータ分析で話題を集める新書﹃弱者男性1500万人時代﹄では、ライターのトイアンナが﹁どうせモテない男が寝言を言っているだけ﹂と過少評価されてきた弱者男性たちの実態を明らかにする。あえて、これまで数量的に定義されていなかった﹁弱者男性の人口﹂の推計に踏み切った。 その結果、﹁最大で1500万人﹂、つまり男性の約24%、日本人の8人に1人は何らかの弱者性を抱えていることがわかった。決して少数派でない彼らのなかには、一見“強者”と思われがちな高学歴男性や高収入の男性もいる。共感が得られない、孤独な生きづらさの正体に迫った――。 今回は、早稲田大学で哲学を学んだという本田創丸さん︵34歳︶に迫る。高学歴なのに弱者に陥ってしまった彼に何があったのか。 貯金ゼロで、