経営の世界でよく見かけるものの、日本語に訳しにくい英単語がある。art、design、managementなどがそうだ。中でも翻訳不能と言える単語が“integrity︵インテグリティ︶”である。かのピーター・ドラッカーが、マネジメントの担い手の﹁決定的に重要﹂な資質として挙げたのがintegrityであった。 ドラッカーでさえ﹁定義が難しい﹂と書いている ドラッカーのほぼすべての著書を訳している翻訳家の上田惇生氏︵ドラッカー学会会長︶は、integrityを﹁真摯さ﹂と訳している。 これだけ重要なintegrityとは何か。ドラッカーでさえ﹁定義が難しい﹂と書いている。ただし﹁真摯さの欠如は、定義が難しいということはない﹂。ドラッカーが﹃現代の経営﹄で挙げている、integrityが欠如した人の例は以下の通りである。 ・人の強みではなく、弱みに焦点を合わせる者 ・冷笑家 ・﹁何が正しいか