ブックマーク / courrier.jp (3)
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ちょうど50年前、日本は世界で最初に出生率が人口置換水準を下回った。それ以来、頑なに移民の受け入れを拒否し続けた結果、この国はいま、世界にとって﹁混じりけがない人口減少﹂のサンプルになっている。 ﹁この区画分けした芝生が、集合住宅のようなものだと想像してみてください﹂。そう話す井上治代︵いのうえ・はるよ︶は、死後の住宅の管理人だ。 井上が代表を務めるNPO法人﹁エンディングセンター﹂は、孤独な日本人の生前と死後の支援をしている。このセンターの墓地は一ヵ所ごとに数百人を受け入れていて、亡くなった会員はそこで死後、再会することになる。いわば目に見えない小さな分譲地を割り当てられているのである。 桜の木が茂る美しい墓地を前にして、井上は﹁死の助産師のようなものが必要なのかもしれません﹂と哲学的なことを言う。 日本の人口減少がどのようなものか、その必然的な結果として、生ける者がどれほど孤独に取り巻
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背中に6発を超える銃弾 ウクライナではロシア軍撤退後のキーウ︵キエフ︶北郊で見つかった集団墓地から回収された遺体の検視が進んでいる。そうしたなか、女性たちの遺体からロシア兵に殺害される前にレイプされていた証拠が見つかっているという。 ﹁銃殺される前にレイプされていたことを示す遺体が何体かあります﹂と、ウクライナ人法医学者のウラジスラフ・ペロフスキーは言う。彼のチームは、ロシア軍が約1ヵ月にわたり支配していたブチャやイルピン、ボロジャンカで検視解剖を行っている。 ﹁まだ検視すべき遺体が何百体とあり、データを集めている途中なので詳細は明かすことはできませんが﹂と言うペロフスキーによれば、背中に6発を超える銃弾を受けて殺害されていた女性が何人もいたという。 彼のチームは1日に約15体を検視しており、その多くがバラバラに切断されるなど損傷が著しいと話す。 ﹁焼かれた遺体、外見がひどく損なわれた遺体
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先進国の労働者たちは実によく働き、よく生産し、よく消費し、よく排出してきた。その結果、気候変動との戦いはいよいよ厳しさを増してきている……。この危機を人類が乗り越えるため、英紙﹁フィナンシャル・タイムズ﹂のコラムニスト、サイモン・クーパーは﹁週4日労働﹂を提案する。 ﹁気候変動を食い止めるため﹂と、人々に生活を変えるよう訴えかける文句はいつもひどい。 ﹁飛行機に乗るな﹂、﹁車を運転するな﹂、﹁衣服やコーヒー、休暇などにお金を使うな﹂。﹁そうすれば100年後の地球は、人が住めなくなるほどにはならないかもしれない﹂。そう言っているも同然だ。これではウケが悪いのも無理はない。苦行は誰も好まないものである。 有権者の生活が少しでも不便になるやいなや︵エネルギー価格が高騰しているいまはまさにそうだ︶、政府は気候変動対策を放り投げ、地球を温め続けようと躍起になる。政治家は国内総生産︵GDP︶を毎年増や
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