生命の起源と人工生命の研究分野は、生命の本質とその発生過程を探求している。両分野とも、「非生命」の状態から「生命」がどのように生まれるかを問うている。生命が出現するほとんどの基質に共通する特徴の一つは、自己複製が始まると同時に、その系の動態が大きく変化することである。 しかし、自然界で自己複製体がどのように発生したかについていくつかの仮説はあるものの、自己複製体が出現するための必要条件については、まだほとんど解明されていない。 研究チームは、単純なプログラミング言語や命令セットを用いて、計算環境における自己複製能力を持つプログラム(自己複製プログラム)が自然発生する過程を詳細に観察し分析した。この研究の中心となったのは、「Brainfuck」(BF)という極めて単純な言語を拡張した「Brainfuck Family」(BFF)と呼ばれる言語環境である。BFFでは、64バイトの長さを持つ13
AIにとって微分可能性が必須条件でなくなりつつある意味 2024.07.04 Updated by Ryo Shimizu on July 4, 2024, 12:26 pm JST かなり長い間、本欄でも「AI(人工知能)」と書くときに、注釈として「AI(人工ニューラルネットワーク)」と書く必要があった。 というのも、AIという言葉が指す意味は範囲がとても広く、解釈次第ではただの電卓や辞書、IMEまでもがAIと呼べてしまうからだ。 だから、「AI」という言葉を多用する人を見た時、それは「新しいインチキ(Atarashii Inchiki)」であると考えた方が良いというジョークを言ったものである。 ここ5年で、事態は一気に変化した。今やニューラルネットワークでないものを「AI」と呼ぶのは憚られる。まあそれでもニューラルネット以前の古いシステムをいまだに「AI」と呼ぶようなIT(インチキ)企
KADOKAWAの傑作小説を紹介してみる。 ●時代小説 冲方丁『天地明察』 山田風太郎『柳生忍法帖』 山田風太郎『魔界転生』 山田風太郎『八犬伝』 ●SF 池上永一『シャングリ・ラ』 小松左京『復活の日』 小松左京『日本沈没』 小松左京『果しなき流れの果に』 半村良『太陽の世界』 光瀬龍『宇宙年代記【合本版】』 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』 山田正紀『神狩り』 山本弘『神は沈黙せず(上)(下)』 ●ミステリ 青崎有吾『地雷グリコ』 赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』 綾辻行人『Anotehr』 綾辻行人『殺人鬼』 綾辻行人『霧越邸殺人事件』 乙一『GOTH』 馳星周『不夜城』 初野晴『ハルチカシリーズ』 横溝正史『本陣殺人事件』 横溝正史『獄門島』 米澤穂信『古典部シリーズ』 ●ファンタジー 荻原規子『西の善き魔女』 マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン『【合本版】ドラゴンラン
8. デジタルな身体──ミシェル・ゴンドリーからバーチャルアイドルまで イラスト:湖海すず8-1. ミシェル・ゴンドリー前回(「アマチュアの身体──スパイク・ジョーンズからCGMへ」)は、『ディレクターズ・レーベル』第1弾で紹介された3名のMV監督(スパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、クリス・カニンガム)が描き出してきた身体イメージが、現在のMVが描き出す身体イメージの「原型」もしくは「類型」となっているのではないかと仮説を立て、スパイク・ジョーンズの諸作品とその系譜に連なるMVを紹介して来た。続いて今回取り上げるのは、ミシェル・ゴンドリーである。 ミシェル・ゴンドリーミシェル・ゴンドリーは1963年にフランスのベルサイユで生まれた。パリの美術学校で出会った友人たちとバンド「Oui-Oui」を結成し、当初はドラマーとして活躍。そこで自作したMVがビョークの目に留まり、『human
by NASA/GSFC/Arizona State University アポロ11号が人類初の月面着地を果たした静かの海に、巨大な地下トンネルに通じる縦孔があることがわかりました。地下深くにあるこうした洞窟は、人類が厳しい月の環境に進出する際の拠点として有望視されています。 Radar evidence of an accessible cave conduit on the Moon below the Mare Tranquillitatis pit | Nature Astronomy https://www.nature.com/articles/s41550-024-02302-y Underground cave found on moon could be ideal base for explorers | The moon | The Guardian https:/
Googleの研究部門であるGoogle Researchが、地球の大気をシミュレートする機械学習モデル「NeuralGCM」を開発したことを発表しました。このモデルは、従来の物理ベースのモデリングと機械学習を組み合わせることで、シミュレーションの精度と効率を向上させており、2〜15日間の天気予報において従来のモデルよりも正確な結果を出し、過去40年間の気温をより正確に再現することができます。 Fast, accurate climate modeling with NeuralGCM https://research.google/blog/fast-accurate-climate-modeling-with-neuralgcm/ Google AI predicts long-term climate trends and weather — in minutes https://w
スーパーコンピューターで日本がトップに立ち続けていたら今ブームのAIに繋がったのか? それともスパコンとAIは関係ない? 脱Android、Huaweiが独自OS「HarmonyOS NEXT」てのがニュースなったけど これもスパコン技術が応用されてそこから生まれてたりするの? スパコン予算をすべてに優先してたら日本産独自OSとか日本産AIに繋がってたんだろうか? つながらない OSはもうぜんぜんまったく完璧に関係ないのでAIについてだけ説明する まず2010年代に始まった第3次AIのブームはソフトウェアというかアルゴリズムのブレークスルーがきっかけ カナダのYoshua Bengio、Geoffrey Hinton、Yann LeCunの3人がディープニューラルネットワークに関する発見をしたこと 3人はこの業績で「ディープニューラルネットワークがコンピューティングの重要な要素となるた
みなさん、こんにちは。瀬川義人(@motoy0shi)です。 突然ですが、みなさんはWebサイト制作で「こんなはずじゃなかったのに……」という経験はありませんか? お恥ずかしい話、私はあります。 かつて自社のWebサイト制作に関わったときのことです。制作のプロジェクトマネージャーとして入ったのですが、始まって早々、別の急ぎ案件が入ってしまい、なかなか時間が捻出できず、プロジェクトが停滞。さらにいざ再開してからも、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。 結果的には納期が数ヵ月遅延し、工数もかなり超過してしまいました。思い出すと、今でも苦い気持ちになります。 データを調べてみると、Webサイト制作での失敗は意外と多いようです。ナノカラー社の調査によれば、71.7%の回答者がWeb制作会社に依頼して”失敗した”と感じた経験があるそうです。 なぜWebサイト制作は失敗するのでしょうか? リスクを
科学の理論分野の研究においては、議論を行うために大胆な仮定を導入することがあります。 この方法は時間・空間・金銭などの理由で人間の手で再現困難な状況について考えたいときに特に有効です。 例えばアインシュタインらは光速に近い速度で飛ぶことができるロケットの存在を仮定して特殊相対性理論を考察したと言われています。 このような試みは思考実験と呼ばれます。 実際にやってみることが難しくても、その状況を頭の中でシミュレーションすることで科学者は数多くのヒントやひらめきを得てきました。 思考実験は科学の歴史にとって有益な営みです。 そして思考実験は同時に、超人的な能力を持つ存在を仮定することで、研究者の頭を悩ませるような問題を生み出してきたという側面もあります。 その存在は「悪魔」と呼ばれています。 悪魔は研究者を苦しめ、しかし確実に科学を前へ進める存在として立ちはだかってきました。 今回はその中でも
全国47都道府県のデータを用いて、さまざまな種類の飲食店の普及率と脳卒中死亡率の関連を調査した。対象としたのは、ラーメン店、ファストフード店、フランス・イタリア料理店、うどん・そば店である。研究チームは、各都道府県の人口当たりの各種飲食店数と、年齢・性別で調整した脳卒中死亡率および急性心筋梗塞死亡率との相関を分析した。 分析の結果、ラーメン店の普及率のみが、男女ともに脳卒中死亡率と強い正の相関を示した。具体的には、男性で相関係数r=0.594、女性でr=0.625という有意な相関性が見られた。一方、他の種類の飲食店の普及率と脳卒中死亡率との間には有意な相関は見られなかった。また、いずれの飲食店の普及率も急性心筋梗塞死亡率とは相関を示さなかった。 地域別に見ると、東北地方(特に日本海側)、北関東、南九州で脳卒中死亡率が高く、近畿地方と南関東で低いという傾向が明らかになった。この分布はラーメン
和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』開発元のえーでるわいすに所属しているなる氏は7月9日(火)、自身のXアカウントにて『天穂のサクナヒメ』の稲作が“近代的すぎる”のはゲームの意図だと明かした。 なる氏は稲作が近代的である主な理由を2つ挙げている。1つは稲作素人である開発陣が、現代を飛び越えて古来の稲作を調査するのは難しすぎたからだという。2つ目は、本作のプレイヤーになるべく身近な稲作を知って感じてもらいたかったためとのこと。 サクナの稲作が近代的すぎるという指摘がたまにあるのですが、これはゲームの頃から意図した仕様でして、 1.稲作素人の我々が現代を飛び越えて古来の稲作を調査するのは難しすぎた 2.プレイヤーになるべく身近な稲作を知って感じてもらいたかった というのが理由となっております — なる (@nal_ew) July 9, 2024 『天穂のサクナヒメ』は、「ヒノエ島」を支配
宇宙をテーマとするSF作品には光の速さを越えて遠くへと移動するワープ航法(超光速航法)が登場するものがありますが、実際の宇宙においては禁止されているというのが現代物理学の一般的な見解です。その一方で、現代物理学の枠組みでも可能なワープ方法の考察も存在します。 ロンドン大学クイーン・メアリーのKaty Clough氏、ポツダム大学のTim Dietrich氏、およびカーディフ大学のSebastian Khan氏らの研究チームは、比較的現実味のあるワープ航法として考案された「アルクビエレ・ドライブ(Alcubierre drive)」を対象に計算を行ったところ、ワープする宇宙船が加速や減速をした時、およびワープに “失敗” した場合において、時空の波である「重力波」が生じることが分かったとする研究成果をプレプリントサーバー「arXiv」(※1)に投稿しました。 想定された重力波は現在の観測体制
実際の戦争を細かく再現した大規模なシミュレーションボードゲームを「ウォーゲーム」を呼びます。ウォーゲームのプレイヤーでゲームライターであるミッチ・リード氏が、アメリカ軍が開発した軍用ウォーゲームの「Operational Wargame」シリーズを解説しています。 The Operational Wargame Series: The best game not in stores now – No Dice No Glory https://nodicenoglory.com/2021/06/23/the-operational-wargame-series-the-best-game-not-in-stores-now/ Operational Wargameは2025年から2050年までの戦闘をシミュレートできるボードゲームです。このゲームは戦争の運用レベルに焦点を当てており、さまざ
EuphoPia株式会社が提供するAIトークアプリ「いちゃいちゃっと」は、独自の学習システムを持ったかわいいAIキャラクターと、交流ができるアプリケーションだ。仮想空間で生を得たキャラクターは、テキストの応答だけでなく、表情や身振り手振りなどの非言語的なコミュニケーションも行いユーザーとの交流を図ってくれる。対応プラットフォームはPC/iOS/Android。VRにも対応している。価格は無料(アプリ内課金あり)だ。 ~便利ツール自動発動アルゴリズム搭載! 可愛いAIキャラクターとお話ししよう!~ モバイル向けAIキャラクターチャットアプリ 「いちゃいちゃっと/ICHAICHAT」 の配信をiOS/Androidで開始いたしました! -ストアページ- iOS: https://t.co/zZJlPR2At7 Android:https://t.co/oJUd10BPm6 pic.twitte
行き当たりばったりで 何かに取り組むよりも、 シミュレーションをして 臨む方がうまくいった経験は ありませんか? 私の場合、 授業のシミュレーションをするか しないかで、その質が大きく変わることを よく実感します。 例えば、 この発問をしたら、 子どもがどんな発言をし、 どのように意見がつながっていくかを 想定しておきます。 1時間の流れをイメージして、 最後の振り返りに至るまでを 一度、頭の中で流しておくのです。 そうすることで、 余裕をもって進めることができます。 全校生徒の前で話をする時には、 具体的に生徒の反応をイメージし、 どんな空気感で、 どのように話を進めていくか シミュレーションします。 その準備があるおかげで、 多少緊張する場面でも、 落ち着いて、場を楽しむことができます。 シミュレーションをする 「よさ」って何でしょう? それは、 頭の中で場面を イメージすると、 初め
近年ではAIの性能が飛躍的に向上し、現実世界の複雑なシナリオでタスクを実行できるAIエージェントが開発されています。しかし、これらのAIエージェントは複数のシナリオ間で一般化されたタスクを実行する際に失敗することが多いそうで、これは各環境で必要な観察や行動の違いに起因するとのこと。そこで中国の研究チームが、最も統一化されたインターフェースである「スクリーン」を入力に、「キーボード」と「マウス」を出力に使用することで、まるで人間のようにゲームやアプリを操作できるAIフレームワーク「Cradle」を発表しました。 [2403.03186] Cradle: Empowering Foundation Agents Towards General Computer Control https://arxiv.org/abs/2403.03186 Cradle: Empowering Foundat
……競う相手、違うんじゃない?… 先日、茜ちゃんを始め 「ウチの営業は競わない」って書いたら そのコメントに「その前に運動会で順位を付けないのはダメって書いてる、矛盾してる」とか 必ず書いてくる✉マークの奴らがいるんだけど、はてなIDじゃなく✉って何処からくるんだろう? これさ 運動会がクラス対抗なら、そのクラス内で争うのか?って事。 会社も同じ。 戦う相手は同業他社であって、社員内でインセンティブをチラつかせて営業成績を競わせるのは 経営者や上司の「脳みそはカニ味噌です」と証明してるって 例えば営業社員が6人いて、その中の80%の売り上げを2人の社員が出して、残りの4人合わせて20%…… これ上位2人が辞めた場合、残り4人で80%の穴埋めなんか出来ないし、残り4人も辞めていくよ。 これが部署の崩壊ってやつだね ウチは営業全員で上手くいった方法をみんなで教え合い、練習もするの。 当然、バラ
参加者 明治大学 政治経済学部 教授 飯田 泰之氏 PwCコンサルティング合同会社 チーフエコノミスト 片岡 剛士 PwCコンサルティング合同会社 シニアエコノミスト 伊藤 篤 世界が期待する日本の再起 伊藤: 飯田先生はマクロ経済学の実証分析が専門で、経済政策の効果予測や事後評価に統計モデルを駆使して携わってこられました。近年は経済のマクロ的状況が地方・地域に与える影響から、地域経済のプレーヤーである中堅・中小企業の実態や人材育成の実情にまで研究の幅を広げています。 日本経済は、賃金や株価の面で30年ぶりとなる改善の動きがみられる一方、賃金から消費への好循環には至っておらず、デフレ脱却は依然として課題となっています。本日はこの点を踏まえて議論を深めたいと思います。まず、激動する国際環境のなかで日本経済が置かれた新たな立ち位置について、現状認識を共有しておきたいと思います。まず飯田先生から
名古屋大学(名大)は7月9日、「ウィック」と呼ばれる多孔質体で生じる毛細管現象をポンプの駆動力に利用することで、電力を使用せずに半永久的に熱を輸送できる技術の「ループヒートパイプ技術」を用いて、電力を用いずに10kW以上もの熱を2.5m先まで輸送することに成功したと発表した。 同成果は、名大大学院 工学研究科の長野方星教授、同・渡邉紀志特任准教授、同・上野藍講師、同・Shawn Somers-Neal大学院生らの研究チームによるもの。詳細は、熱および質量移動に関する全般を扱う学術誌「International Journal of Heat and Mass Transfer」に掲載された。 開発された10kWループヒートパイプの外観(出所:名大プレスリリースPDF) 焼却炉の廃熱でプールの水を温水にするなどの施設が全国各地にあるなど、廃熱利用は行われているものの、地球の温暖化を考慮すれば
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