年末年始、テレビ画面には連日のように国立オリンピック青少年総合センターの映像が流れた。国と東京都が開設した宿泊施設﹁公設派遣村﹂だ。 だが、施設で年を越した人々がいた一方、報道されないもうひとつの“派遣村”では、行政の支援に背を向けた人々がひっそりと正月を迎えていた。場所は、東京都豊島区にある東池袋中央公園。﹁特定非営利活動法 TENOHASHI︵てのはし︶﹂による越年越冬活動である。 昨年の日比谷公園での﹁年越し派遣村﹂と同様、寒さに震えながら食事を手にしたホームレスたち。彼らはなぜ、池袋の路上から動こうとしなかったのか。 現場に聞いてみた。 家族に居場所を 知られたくない父親たち ﹁そりゃ入れたら楽だろうけど、俺らはいいわ﹂ 炊き出しの列に並んだ男性たちは首を振った。 ﹁公設派遣村﹂の入所者は、個室に3食付き、ということもあってか最終的に833名に及んだ。 だが、それでもなお池袋の路上