ブックマーク / www.tachibana-akira.com (6)
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ダイヤモンド社と共同で行なっていた﹁海外投資の歩き方﹂のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2019年8月1日公開の﹁アメリカの知られざる下級国民﹁ワーキャンパー﹂ の増加が意味するものとは?﹂です︵一部改変︶。この話は﹃ノマドランド﹄として映画化され、第93回アカデミー賞作品賞を獲得しました。 ****************************************************************************************** ﹃上級国民/下級国民﹄︵小学館新書︶では、欧米先進国を中心に、﹁白人﹂や﹁男性﹂などこれまで社会の主流派︵マジョリティ︶とされていた一部が中流階級から脱落し、下層︵アンダークラス︶に吹きだまっていることを述べた。日本で
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ひとはみな、さまざまな能力をもって生まれてきます。それにもかかわらず、私たちが生きている﹁知識社会﹂では、言語運用能力と論理・数学的能力が高い者だけがとてつもなく有利になります。 子どもたちの知的能力を評価し選抜するのが学校システムで、ノーベル賞を取るような天才でなくても、よい大学を卒業すればおおむねよい生活が保証されます。それに対して足が速い︵運動知能︶とか歌がうまい︵音楽知能︶とかは、きわだって高い能力をもち、圧倒的な努力をし、なおかつ幸運に恵まれなければ成功できません。 誰もが知っていながら口を閉ざしている事実︵ファクト︶とは、﹁知識社会における経済格差は“知能の格差”の別の名前﹂ということです。 知識社会のもうひとつのタブーは、﹁すべてのひとが一定以上のリテラシー︵知的能力︶をもっている﹂という﹁虚構﹂を前提に社会が成り立っていることです。 福祉国家は、身体的・精神的障がいなどで生
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最初は、たわいもない話でした。ロックバンドの女性が、親友だった男性ミュージシャンと絶交したとフェイスブックに書き込んだのです。 きっかけは、そのミュージシャンが知人の女性にひわいな写真を送りつけたとSNSで告発され、ライブ会場から出入り禁止になったことでした。バンドのメンバーは疑惑を否定しましたが、#MeToo︵ミートゥー︶運動で社会がセクハラにきびしくなっていることもあって、彼女は﹁ひとりの女性として、彼がしたすべてのことを拒絶する﹂と書きました。それはたちまち﹁炎上﹂へとつながり、ミュージシャンは仕事を失い、アパートを追い出され、別の街に引っ越さざるを得なくなって、人生は過酷なものになりました。 その後彼女は、ロックバンドのボーカルとして︵すこし︶有名になりました。すると突然、高校時代の出来事を蒸し返されて大炎上することになります。誰かが女子生徒のヌード写真をSNSにアップし、その写真
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6月13日発売の新刊﹃朝日ぎらい﹄の﹁あとがき﹂を、出版社の許可を得て掲載します。 ****************************************************************************************** お気づきの方も多いと思うが、﹃朝日ぎらい﹄のタイトルは井上章一さんのベストセラー﹃京都ぎらい﹄から拝借した。この“パロディ”を快諾していただいたばかりか、大いに面白がってくださった井上さんにまずは感謝したい。 本書を最後までお読みいただいた方はおわかりだと思うが、私の政治的立場は﹁リベラル﹂だ。﹁普遍的人権﹂という近代の虚構を最大限尊重し、いわれなき差別のない自由な社会が理想だと思っている。 ﹁リバタニア﹂のなかでは日本では数少ない﹁リバタリアン部族﹂に属し、日本は重層的な身分制社会だとして、その根幹にある日本的雇用を批判してき
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日本の自衛隊についてずっと不思議だったことがあります。トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン主演の﹃ア・フュー・グッドメン﹄のように米軍を描いたハリウッド映画には軍法会議が舞台のものがいくつもあるのに、自衛隊にはなぜ軍法会議がないのか、ということです。さらに不思議なのは、憲法9条改正の議論のなかで、保守派もリベラルもこのことを問題にするひとがほとんどいないことです。世界の軍隊のなかで、軍法会議の制度をもたないのは︵おそらく︶自衛隊だけだというのに。 これは私の個人的な感想ではなく、日本法制史の碩学である霞信彦氏︵慶應義塾大学名誉教授︶は、﹃軍法会議のない﹁軍隊﹂﹄でこの異様な状況について述べています。自衛隊は国際的には重武装の﹁日本軍﹂であり、中国や北朝鮮との軍事的緊張も高まっているというのに、日本国内ではいまだに﹁自衛隊は軍隊ではない﹂あるいは﹁自衛隊は違憲だ﹂との理由で軍司法制度︵軍刑法
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フロリダ州オーランドのゲイクラブで男が自動小銃を乱射し、50人以上が死亡する大惨事になりました。特殊部隊によって射殺された容疑者はアフガニスタン系の両親を持つニューヨーク生まれの29歳男性で、大学卒業後警察官を目指したものの採用されず、フロリダの高級住宅街で警備の仕事をしていたといいます。 家族や同僚によれば容疑者は激しやすい性格で、同性愛者を嫌悪しアルカイダとのつながりをほのめかす発言をしたことからFBIの聴取を受けたようですが、犯行を防ぐことはできませんでした。一部の報道では、容疑者自身がゲイクラブの常連で、同性愛者のパートナーを探していたともいいますから、話はさらに複雑です。 アメリカでは、共和党候補のトランプがムスリムの移民排斥を叫び、共和党候補のクリントンが銃規制の強化を求めて国論を二分する争いになっています。しかしテロのような重大な犯罪には、宗教よりもはるかに顕著な危険因子があ
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