ブックマーク / suumo.jp (12)
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西荻窪の魅力を発信すべく、2013年から2016年にかけて西荻窪駅周辺をボランティアで案内するスペース、その名も﹁西荻案内所﹂を運営していた奥秋圭・亜矢夫妻に、古さと新しさが混在する西荻窪の紹介をしていただいた。 偶然と必然が生んだ西荻窪での新生活 今回、西荻窪を案内してくれる奥秋夫妻の出身地は、デザイナーである圭さんが山梨県、そしてディレクターの亜矢さんが愛媛県。どちらかが、あるいはお二人ともが地元民だと勝手に想像していたのだが、全然違った。 西荻窪とはまったく関係ないところで生まれ育ち、それぞれが東京にある別の大学へと進学し、卒業後に共通の趣味である演劇を通じて出会ったという間柄。 そんな二人が、なぜ﹁西荻案内所﹂を運営することになったのだろうか。まずは西荻窪に移り住んだ理由から伺ってみた。 在りし日の西荻案内所、2016年4月頃。写真提供‥奥秋圭 奥秋圭さん︵以下、圭︶‥﹁上京してか
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著者‥ にたないけん 自室、スタジオ、ライブハウス、時にはそこらの公園や道端など、街のあらゆる場所で生まれ続ける音楽たち。この連載では、各地で活動するミュージシャンの﹁街﹂をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けします。 ◆◆◆ けたたましい踏切の音を聞きながら電車の通過を待っていると、隣にいる母と男児の会話が耳に飛び込んでくる。 ﹃ちゅっちゅは電車大好きだね﹄ ﹃うん﹄ ﹃今度また電車乗ろっか?﹄ ﹃うん、電車ね、乗るのも好きだし、降りるのも好き!﹄ 踏切が開いて人々が歩き出す。 ちょうどその瞬間、ホームと線路に、この世のすべてを浄化するような夕陽が差し込んできて、僕はさんざん悩んでいた引っ越しをやめることを決意する。 やっぱり立石に住みたい。 ﹁この街は僕のもの﹂ 岸田繁の歌がファンファーレのように脳内で鳴りまくっている。 もう一度言おう。 このまま立石で暮らしたい。 芯からそう決
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著‥ 木下龍也 人生が安定しそうになると、その安定が壊れてしまうことを想像して苦しくなる。そんなとき僕は、諦める、辞める、別れる、去る、などの方法で不安定になることを選んできた。いつでも逃げられるように深入りはしないようにしてきたし、そこに留まれば得られたはずの安定から逃げてきた。具体的な事例を書けないのは、それで傷つけたり、失望させたりしたであろう人の顔がいくつか頭に浮かぶからだ。 ひとつだけ書いておくなら、僕はおそらく父を失望させている。2016年に宅地建物取引士の資格を取得し、﹁東京で修行してくる﹂と父に申し出て、父の経営する山口県の不動産会社から東京の不動産会社へ転職をした。 住む場所として西荻窪を選んだのは、その会社に通勤しやすく、高いビルのない街の風景が地元に似ていたからだ。けれど2020年、僕は不動産業界から離れて、歌人として生計を立て始めた。そのことを直接は父に言っていない
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編集‥ 小沢あや︵ピース株式会社︶ 取材・構成‥ かなめゆき 撮影‥小原聡太 荻窪・西荻窪・吉祥寺エリアで20年以上暮らす、歌人の穂村弘さん。短歌はもちろん、 “日常で感じる感覚のズレ”など、世界を新鮮な角度から照らすようなエッセイでも人気を博しています。 そんな穂村さんは、中央線のこのエリアについて﹁物質とお金という軸以外のパラレルワールドを求める人に向いている﹂と表現します。その意味とは? 西荻は﹁戦闘力の低い人が多い﹂ゆるやかな空気感が魅力 ―― 荻窪・西荻窪・吉祥寺のエリアは、クリエイターの中でも書籍関連のお仕事をする方が集まる印象があります。実際はいかがでしょう。 穂村弘︵以下、穂村︶‥ライターさんや編集者だらけですね。短歌関係の人も多くて、枡野浩一さんや、木下龍也くん、古くは中井英夫も西荻にいたみたい。この辺りに自由業の人が集まるのは、やっぱり平日の昼間に大人がうろうろしていて
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13歳、1200世帯マンションの自治会役員になる。楽しんで活動してたら立候補者が倍増!中学生が与えた影響とは? ブリリアシティ横浜磯子 神奈川県横浜市磯子区の﹁Brillia City︵ブリリアシティ︶横浜磯子自治会﹂は、約1200世帯のマンション住人で構成される自治会です。 第6期を迎える2022年、同自治会の役員に1人の少女が立候補します。彼女は、鈴木梨里子︵りりこ︶さん。住人からは“りりちゃん”と呼ばれているのだとか。りりちゃんは、立候補当時まだ13歳でした。同自治会では役員の年齢制限はなかったものの、これまで未成年の役員はゼロ。市が把握する中でも、最年少の立候補者だったといいます。 総会でりりちゃんの役員就任が可決してから1年が経った今、りりちゃんと自治会長の田形勇輔さんに、1年目の振り返りと2年目にかける想い、りりちゃんが役員になって変わったことなどを聞きました。 町内会や自治会
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友人3名で庭付き別荘を400万円で購入・シェアしたら﹁最高すぎた﹂話。DIYで大人の秘密基地に改造中! 今年6月、﹁山梨に別荘を3人で400万で買って今のところ最高過ぎ﹂というツイートが大きな反響を呼んだ。投稿主の堀田遼人︵ほった・りょうと︶さんは、友人たちと共同で400万円庭付き中古一戸建てを購入。友人のなかには子持ちのメンバーもいるそう。 計画から物件探し、契約まで戦略と熱意を持って進め、現在は物件をリノベーション中とのこと。堀田さんたちはどうして別荘をシェアすることにしたのか、どんな暮らしを目指し、どのように別荘づくりを進めているのかを伺ってみた。 きっかけは飲み仲間と話した﹁秘密基地みたいな場所、ほしいよね﹂ シェアスペース関連のサービス事業会社に勤めているという堀田さん。別荘を共同購入した友人とは、どのような関係なのか。 ﹁3人とも都内の近場に住んでいる飲み仲間です。私は前職で不
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﹁タイニーハウス︵小屋︶﹂や﹁キャンピングカー﹂﹁バンライフ﹂のような、小さな空間での暮らしが関心を集めています。旅行のように数日ではなく、日常生活を送るのは不便ではないのでしょうか? 費用やその方法は? 夫妻でタイニーハウス暮らしをしている相馬由季さんと夫の哲平さんのお二人に、その等身大の暮らしを教えてもらいました。 広さ12平米、ロフト5平米の自作タイニーハウスで夫妻ふたり暮らし 米国では2008年のリーマンショック以降、西海岸を中心に、暮らしの選択肢としてタイニーハウスを選ぶ人たちが増えているといいます。このムーブメントは日本にも押し寄せ、タイニーハウスの認知度もじょじょに高まってきていますが、実際に﹁住まい﹂として暮らしはじめた人がいると聞き、取材に行ってきました。 場所は、三浦半島のとある私鉄の駅から徒歩数分、森のなかに、まるで童話のなかに出てくるような車輪付きの﹁小屋﹂がぽつん
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インタビューと文章: パリッコ 写真: 関口佳代 東京に住む人のおよそ半分が、他県からの移住者*1というデータがあります。勉学や仕事の機会を求め、その華やかさに憧れ、全国からある種の期待を胸に大勢の人が集まってきます。一方で、東京で生まれ育った﹁東京っ子﹂は、地元・東京をどのように捉えているのでしょうか。インタビュー企画﹁東京っ子に聞け!﹂では、東京出身の方々にスポットライトを当て、幼少期の思い出や原風景、内側から見る東京の変化について伺います。 ◆ ◆ ◆ 吉祥寺駅にほど近い喫茶店でお話を伺ったのは、漫画家にしてミュージシャン、エッセイストや漫画原作者としても活躍されている久住昌之さん。街歩きの達人で、散歩をテーマにした著作も多く、生まれも育ちも、そして現在のお住まいも東京都三鷹市です。 そんな街と東京に詳しい久住さんこそ、まさに本連載にふさわしいと取材をお願いし、参考にしようと著書﹃東
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美術大学︵美大︶や美術系学科のキャンパスが集まる東京都町田市。多摩美術大学、東京造形大学、東京工科大学などに通う多くの美大生が生活しているこの町に、約15年にわたり歴代の美大生らが住み継いできたアパートがある。DIYし放題で原状回復も不要という一風変わったこの物件では、どんな暮らしが営まれているのだろうか? 芸術を学ぶ学生を支えたい。元コーヒーショップ店主の思い 町田駅からJR横浜線で4駅。相原駅から歩くこと5分、黄色い外壁が特徴的な大きなアパートが現れた。ここが美大生の受け継ぐ“伝説のアパート”﹁アップル&サムシングエルス﹂だ。
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著‥ 月山もも 社会人生活が始まると同時に吉祥寺からほど近い場所に住み、15年が経つ。 その間に3度転職し、職場は早稲田→渋谷→吉祥寺→渋谷と移ったけれど、引越しを考えたことは1度もない。 と言うと﹁よほど吉祥寺が好きなのね﹂と思われるかもしれないけれど、そういうわけでもないのだ。﹁住みたい街ランキング﹂常連の吉祥寺だけど、住む前も今も﹁吉祥寺が好きだ﹂という思いは、特にない。 そんなだから2020年の4月、吉祥寺に閉じ込められることになったときは、正直﹁勘弁してくれよ﹂という思いしかなかった。けれど、こんなに長い時間吉祥寺にいたのは初めてだったので、少しだけ、街に対する印象も変わったかもしれない。 私と吉祥寺の15年間と、いま現在の吉祥寺に対する思いについて書いてみたいと思う。 甘い言葉に誘われて住み始めた吉祥寺 もともと学生時代は、東急東横線の祐天寺に住んでいた。 渋谷から3駅という近
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インタビューと文章‥ 前田久 創作しながら暮らす場所として、あえて﹁東京﹂以外の場所を選んだクリエイターたち。その土地は彼・彼女らにとってどんな場所で、どのように作品とかかわってきたのでしょうか? クリエイター自身が﹁場所﹂と﹁創作﹂の関係について語る企画﹁ここから生み出す私たち﹂をお届けします。 ◆◆◆ 今回の﹁ここから生み出す私たち﹂に登場いただくのは、﹃炎の転校生﹄﹃逆境ナイン﹄﹃吼えろペン﹄﹃アオイホノオ﹄など、オタク心をくすぐる数々の燃える作品で知られる炎のマンガ家・島本和彦さん。 北海道で生まれ育ち、高校卒業後は大阪芸術大学に進学。在学中に商業マンガ家デビューを果たし、卒業を待たずに拠点を東京へ。90年代半ばに北海道にUターンし、以降は札幌で旺盛な創作活動を続けています。2014年からは家業の経営にも携わるようになり、2019年には社長に就任。 マンガ家と社長業の両輪で、多忙な
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個性豊かなカルチャーを育んできた高円寺で、まちの魅力をぎゅっと凝縮した賃貸住宅﹁高円寺アパートメント﹂が2017年4月に誕生しました。家をまちにひらき、ご近所さんに暮らしを“おすそわけ”する新しいライフスタイルとは? コミュニティを育む﹁くらしのおすそわけ﹂というコンセプト 2017年4月。高円寺駅前のガード下を抜けた線路脇、元JRの社宅だった建物が、JR沿線のまちづくりのために、暮らしを楽しむ住人たちの集う賃貸住宅に生まれ変わりました。 一般的な住宅区画に加え、1Fにクラフトビール店やコーヒーショップなどテナント区画を併設。また﹁店舗兼住宅﹂﹁アトリエ兼住宅﹂という、住みながらショップを開いたり、クリエイターが自分の作品を制作・展示できるタイプの物件も用意され、まるで、それ自体がまちのような賃貸住宅です。1階の店舗兼住宅エリアで﹁まめくらし研究所﹂の店長を務める宮田サラさんは、高円寺ア
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