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ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、近い地域で発生した排他的な一神教である。建前上、これらの崇める神は同じ、ということになっている。モーセもイエスも預言者の一人であるが、神から受けた啓示を正しく広めることが出来なかったため、教えが歪んで伝わってしまったのだというのがイスラームの言い分である。 そのため、イスラム教を創始したムハンマドは、「最後の予言者」とも呼ばれる。 イスラームの教えが最終究極であり、他の預言者たちになし得なかった、唯一神の望む教えを広めたものだという立場である。 しかし、ユダヤ教/キリスト教の神はヤハウェで、イスラム教の神はアッラーである。 そもそも発祥も違う。 ヤハウェの起源はおそらく砂漠の嵐の神だろうとされ、だから同じ嵐の神であるバアルとの主神争いの神話が多いのだと言されている。つまり当初は多神教の中の一柱に過ぎなかった。 イスラム教の神アッラーも、ムハンマドの属する
アマルナ王朝絡みでセンセーショナルなタイトルつけてくる時は大抵、とりあえず注目集めたくてタイトルつけてくるんだけど、やっぱり今回もそうだった。 あと相変わらず、ちゃんと元ネタの論文まで見てねーな…(´・ω・`)ってなったのでとりあえず解説しておくね。 ■ニュースリリース ツタンカーメンの鉄剣の製造方法と起源の特定に成功 https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20220212/ 千葉工大,蛍光X線でツタンカーメン短剣製法特定 https://optronics-media.com/news/20220215/76335/ ■元論文 The manufacture and origin of the Tutankhamen meteoritic iron dagger https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.11
去年のニュースだが拾えていなかったのでメモ。 アメリカ・ユタ州の遺跡から焦げたタバコの種などがまとまって見つかったことで、人類のタバコ利用は1万2~3千年前にはもう始まっていた可能性がある、と示唆されたようだ。 Humans used tobacco 12,300 years ago, new discovery suggests https://www.bbc.com/news/world-us-canada-58884119 元論文 Earliest evidence for human use of tobacco in the Pleistocene Americas https://www.nature.com/articles/s41562-021-01202-9.epdf?sharing_token=mgJd3aq81H96tYaupsl4TdRgN0jAjWel9jnR3Z
お 正 月 ― ! さて、現代では1/1がお正月(あるいは、イベントはしないまでも一年の区切りと認識する)という国が多いですが、実は伝統的な暦では春はじまりが多いです。主に農業が主体の地域。 農業の区切りとなる時期に一年始まったほうが都合いいですからね。麦作の地域は3月半ばくらいが多いです。 シュメルの暦などはわかりやすくて、「主食の大麦の収穫が終了する3月半ばで一区切り」。 古代ペルシャ暦やバビロニア暦、ユダヤ暦などもこの流れを汲んでいて、現代暦でいう3月半ば頃で一年が終了します。 古代エジプト暦は7月半ばが一年の区切りですが、これはナイルの増水が開始される時期のため。 エジプトの農業はナイルの増水依存なので、これも農業サイクルが基本の暦になります。エジプトを除けば、西アジア圏の伝統的な1年の始まりは圧倒的に3月が多い。 では麦じゃなく米が主食のあたりはどうなのか、ですが、アジアのほうを
エジプトさん、首都移転は12月に開始とのことだが、ナイル川から離れたところに町が作れるのは現代ならではである。 何しろ人間は水がないと生きていけない。エジプトは雨がぜんぜんふらない国なので、飲料水は川に頼るしかないのである。 エジプトさん、首都移転を開始。遷都はロマン…! https://55096962.seesaa.net/article/202111article_4.html ちなみに、有史以来(※おおよそ紀元前3,000年以降)のエジプトでは、首都はすべてナイル川沿い。(※アレキサンドリアなども、建設当時はナイル川の支流が繋がっていた) 人口が一定以上の大都市も、一部の紅海沿岸などを除けばナイル川沿いに作られていた。オアシスの水や地下水では、大きな人口はまかないきれないのである。 *出典元「古代エジプト 都市文明の誕生」 でも、今回の新首都はカイロから東へ40kmと砂漠のど真ん中
コロンブスの新大陸「発見」の150年前には、既に船乗りたちの間では新大陸の存在が知られていた、という証拠が古文書の分析から証明された、という話。情報源は北欧人だろうと言われていて、要するにヴィンランド・サガの元になった出来事なのである。 言われてみれば「なるほど、知ってて当然なのか」と思った。 Italian Sailors Knew Of America 150 Years Before Christopher Columbus, New Analysis Of Ancient Documents Suggests https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/10/italian-sailors-knew-of-america-150.html 取り上げられているのはGalvaneus Flammaというミラノの修道士が書いていた13
人類はなぜニワトリを飼育し始めたのか、という話をしていた時に、卵を食べるためだと思っている人がけっこういたなとふと思い出した。 しかし卵いっぱい生むようになったのは近代の話、かつ、日本では、養鶏がシステマチックにできていて、効率的に卵を産ませられるようになっているから、溢れんばかりの卵を安く買えるというだけの話である。 ニワトリの原種ヤケイは一年にせいぜい数十個しか卵が生めない。 そして、実は野生の鳥も繁殖期には「毎日卵を生むことが出来る」。 たとえばツバメは、毎日1つずつ産んで、5、6個そろったところから温め始める。卵を産むにはエネルギーが要る。お腹の中で卵の殻を作るなどの作業も必要になる。そうすると、一気にたくさんは生めない。これはニワトリも同じだ。 ツバメの場合、いちど繁殖に失敗しても、もう一度最初から卵を生み直す事ができる。そうすると6x2=一羽で12個産めることになる。 個体差に
エルフの村はやたらと焼かれるイメージがある。 実際の数は統計をとっていないので判らないが、体感比でドワーフ村やホビット村の2.5倍は焼かれていると思う。しかもほとんどの場合で村まるごと全焼である。大抵のエルフは魔法使えるくせに対策が出来ていないのではないか。 火をかけられても初期消火さえできればあんなに燃えることはないはずである。 というわけで、エルフの村がなぜそんなに「燃えやすいのか」、というところから検証に入っていきたい。 ●エルフの生業は農業ではないため家屋が密集している もしも畑作によって作物を得ているライフスタイルだった場合、この画像のように家と家の間には畑が広がり、一軒が火災になってもそう簡単に火は燃え広がらない。村を焼くには一軒ずつ丁寧に放火していく必要がある。しかし、多くのエルフは農耕民ではなく、家々の周囲は森であることが多い。つまり家屋が密集しており、一か所に爆発的な火災
映画の無限列車編は猗窩座どのが煉獄さん狙いのヤンホモみたいになってましたが、彼が強さを求めるようになった理由とかバックボーンが判るとめちゃくちゃ切ないんですよ…鬼になった時に人間だった時の記憶が消えちゃってるんですけど、それでも術式展開の模様は非業の死を遂げた婚約者の髪飾りから来てるとか、鬼になっても女性は食べないとかすごい一途で純粋な人なんだよ…それだけに悲しい…全ては無惨様が悪い(ここ重要) はい、というわけで本題に入ります。 大人気で映画もヒット中のマンガ/アニメ作品「鬼滅の刃」。 その主人公の炭治郎の故郷は、東京都の奥多摩と設定されている。そして、どうやらアニメでのロケ地が雲取山だったらしく、聖地認定されて登ってる人もいるようなのだが… 言ってしまうと、雲取山に登っても意味が無い。 何故なら、炭焼き小屋とは集落の近くの山に作るもので、雲取山の山頂だと集落から遠すぎるからだ。 聖地巡
人類はいつアフリカを出て、いつごろ世界に広まったのか。ここ5年くらいの間に色んな新たな説が山盛り出て来て、あっこれもうめちゃくちゃやん? どうすんの? って思ってたけど、…ご安心ください、一つにまとまりました! 全部入りで一つに そう…全部…入りで… こうなりました… https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/061600354/?P=2 いや、うん。 なんかこうするしかないだろうなとは思ってたけど、改めて文字で見ると「…そうか」って真顔になっちゃうやつ。 おおまかに説明すると、こういうこと。 ◆事実 現在生きているホモサピエンスの遺伝的な差異は少なく、元集団の人数はかなり少なかったと推測される ◆そこから推測された以前の説 人類の出アフリカは1回きりで、少数だけがアフリカを出た。 (その「出アフリカx年」の年代がちょっとずつ遡っていたのが以前の
この記事は、元々「蛮族が井戸に毒を入れること」を想定して資料を集めていた。しかし、検討しているうちに急遽、方針変更したものになります。 ある街で戦争に関連して井戸に毒が入れられる場合、攻める側が「相手の戦力を減らすために井戸に毒を入れる」場合と、守る側が撤退前に「嫌がらせとして井戸を使えなくするために毒を入れる」という場合の二通りが考えられます。 しかし前者を考えた場合、効率よく相手の戦力をそぐためには、かなり毒に精通していなければ難しく、また、敵陣にこっそり忍び込むスキルや、毒の正体に気付かれる前に沢山の人に水を飲んでもらう必要があるなど運任せの部分も大きくなり、あまり効率的ではありません。 後者の「井戸に毒を入れる」シチュエーションは、言ってみれば逃げる側が村を焼くついでに井戸も使えなくしておく焦土作戦です。そこから先へ進軍させないか、進軍速度を遅らせるための「嫌がらせ」ですが、そのほ
まとめサイトや東スポなどが「サバクトビバッタの大群が中国へ!」というどうしようもないデマを流していて、えぇ…マジかよ…と頭を抱えたバッタウォッチャーの中の人ですこんばんは。 いや、冗談抜きに、人知れずもう10年くらい毎年春の時期になるとサバクトビバッタの発生をウォッチしてますからね。 え、何でそんなヒマなことしてるのかって? たまにエジプトにバッタが襲来するからです。 さて、最初に言っておきますが サバクトビバッタの群れはイラン高原とヒマラヤを越えられません。 これは毎年見てれば判ります。過去履歴も追えます。なので中国にはそもそも到達できません! そして 中国・日本で発生する「蝗害」はトノサマバッタで、サバクトビバッタではありません。 もし中国で蝗害が発生するならトノサマバッタです。 デマを流した人も引っかかった人も、地図見てないし過去事例も見てないんだよなあ。 本当のところはどうなのか調
まだ骨の破片しか見つかっていないデニソワ人の顔をDNAから復元した、というニュースが流れていた。 断片しかない状態でどうやって顔を予想しているのかと思ったが、どうやら現代人(ホモサピエンス)と、ネアンデルタールのDNAとを比べて、その「差分」から特徴を掴んで予測しているらしい。なのでこれ、かなりあてずっぽうに近いと思う。 Extinct Denisovan Woman Gets Her First Portrait Thanks to DNA from Her Pinky Bone 別の記事 Scientists use fossilised finger bone DNA to rebuild ancient human https://www.theguardian.com/science/2019/sep/19/scientists-use-fossilised-finger-bon
この本はめちゃくちゃ詳しくて面白い。面白いのだが、聖典を全て是とするキリスト教徒にはだいぶキツい内容になっているかもしれない。 なぜかというと、著者は 聖書を研究しすぎて闇落ちしている からだ。 聖書の成り立ちの曖昧さや矛盾、内容の不備、いやむしろ「聖」書の聖の部分だって人為的に付与された属性だろ? みたいなところから、旧約も新約もひっくるめて知りつくした者ならではの冷ややかなツッコミが随所にちりばめられている。 あまりに急所にクリティカルにツッコむので、「聖書とは過去に誰かに作り出されたものである」という単純な立場ですらない。神を愛しすぎたゆえに突き抜けて堕天使になった系か。示唆に富む内容とは別に、垣間見える著者の愛憎入り混じるコメントに苦笑する。 七十人訳ギリシア語聖書入門 (講談社選書メチエ) さてこの本は、「七十人訳」と呼ばれる聖書のギリシア語訳についての成立の歴史や内容の解説本で
伝説は、いつまでも変わらず伝説で在り続けるわけではない。 科学技術の進歩によって幻から現身へと変わったものもある。ダマスカス剣の製法もその一つである。 というわけで前置きとかメンドクサイのでさくっと概要からいこう。 ダマスカス鋼の成分は既に判明していて、ダマスカス剣は現代技術だとだいたい再現可能です。 分からないのは、"それが以前と全く同じ技法であるかどうか"という部分。これは時間を遡るわけにもいかないので、証明出来ない。ただ、ほぼ同じものが再現出来ているからには、おそらくロジックの部分では合っているだろう。 その方法を紹介しているのがこちらのサイト Mystery of Damascus Steel Swords Unveiled https://www.mse.iastate.edu/news/john-verhoeven/ 日本語で読みたければ、別冊日経サイエンスのNo.210「古代
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