サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
都知事選
bizgate.nikkei.com
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 将棋AI(人工知能)は対局における戦術の深化や研究方法の革新を起こし、棋士にとってのトレーニングツールとして有用な役割を果たしている。棋士だけでなく、対局が中継される際には画面上に評価値や勝率が掲示され、ライトユーザーにも盤上の形勢を平明に伝える役割を担っている。番組の視聴数や関連記事のページビューが増加し、将棋というコンテンツの訴求力や棋士の知名度が高くなれば、将棋界としてはBtoB、BtoCそれぞれの事業への可能性も広がっていく。 プロ棋士に必要なハードウエア更新 ポジティブな面がある一方で、AIの普及により、棋士にはハードウエアやソフトウエアを扱うといった、これまで必要とされなかったリテラシーが要求されるようになった。AIを動かすためにPCを購入するといった経済的投資の負
AI(人工知能)について「とにかく使ってみなくては」と語られることが多い。しかし、勤める企業や団体が生成AIを導入したケースは多くないだろう。かといって、単純にChat(チャット)GPTの無料版にプロンプト(指示文)を打ち込むだけでは、「役に立つビジョンが浮かばない」という人もいそうだ。今回は、日常的に無料で使えるAIを使った機能を米マイクロソフトのサービスを軸にいくつか紹介したい。 「コパイロット」でPDFを簡単に要約 報告書などで、PDF形式の長い文書が提供されることは多い。だが全部読んでいる時間がない……という人もいるはず。ざっと読んでおきたい文書は要約できると助かる。 生成AIはとても要約が得意だ。「生成」という言葉から、文章や絵を作り出す方に注目が集まりがちだが、むしろ現状は要約の方が得意だったりする。どのAIサービスでも要約できるが、特に簡単なのは、マイクロソフトのウェブブラウ
腸の健やかさを重んじる「腸活」にいそしむ人が増えている。過去10年ほどの間に健康分野で最も「出世」した臓器の一つが腸だろう。ヨーグルトと並んで、腸の働きを整える効果が知られる食材に納豆がある。納豆最大手のタカノフーズ(茨城県小美玉市)は主力ブランドの「おかめ納豆」で有名だ。創業から90年を超える同社の歩みを通して、知られざる納豆の製法や食文化をたどってみた。 スーパーの食品売り場では笑顔が迎えてくれる。看板商品の「極小粒ミニ3」をはじめとする、「おかめ納豆」のパッケージにはおなじみのおかめ顔があしらわれているからだ。「おかめ納豆」という名前は広く親しまれていて、もちろん、タカノフーズの登録商標なのだが、実は最初からそうだったわけではない。 タカノフーズは1932年に「高野商店」として創業した。しかし、「おかめ納豆」の名前を商標登録したのは67年で、ずっと後になってから。「当時は『おかめ納豆
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 地域によって知名度に差が大きい外食店チェーンの代表格が「熱烈中華食堂日高屋(以下、日高屋)」だろう。関東、とりわけ首都圏に集中出店しているので、茨城県より北、神奈川県より西ではお目にかかれない。しかし、店舗数は400を超えている。「ちょい飲み」ブームの火付け役としても有名だ。新型コロナウイルス禍を耐えた店舗にはかつてのにぎわいが戻りつつある。どうして日高屋は強く、そして全国制覇を狙わないのか。前身となった最初の店舗から50年の節目に日高屋の歩みと強みに迫る。 最初の名称は「日高屋」ではなかった。創業者の神田正・ハイデイ日高会長は1973年中華料理店の「来々軒」をさいたま市大宮区に開いた。以後、主に埼玉県内で店舗を増やして、東京都内へ進出。現在の主力業態である「日高屋」の展開を始
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 来週の8月11日は「山の日」。登山やキャンプを楽しむ人たちを支えている国内企業の雄がアウトドア用品大手のモンベル(大阪市)だ。フランス語に由来する「mont-bell」ブランドが有名で外国企業と間違われやすいが、大阪市で1975年に創業した、れっきとした日本企業だ。同社が山好きの間で不動の人気を誇る理由を探った。 特殊な成り立ちの原点は創業者に 結論から言ってしまえば、モンベルの強さは社員の厚みと熱量にある。現在は1200人を超える社員は「全員がアウトドア好き。だから、自分たちが欲しい商品を進んで企画する」と、常務取締役広報本部長の竹山史朗氏は当たり前のように言う。 しかし、一般論でいえば、電機メーカーで働く人すべてがエレクトロニクスを趣味にしているわけではないだろうし、すべて
「最後はAIが全部分かってしまう」 ライブ前日の6月21日、カンヌライオンズ会場近くに設けた日本経済新聞社のカバナ(セミナーなどを開催するスペース)で小室氏はフリーアナウンサーの永井美奈子氏と対談した。クラシックコンサート「霞町音楽堂夏フェス(おんなつ)」の企画運営も手掛ける永井氏は、音楽への生成AIの影響について小室氏に尋ねた。小室氏は「最後はAIが、気持ちよくなる、燃える、やる気が出る、などといった(聴き手の情緒的反応の)全部を分かってしまうところまで行き着く」との持論を展開した。 小室氏は22年、理化学研究所の客員主管研究員に就任し、革新知能統合研究センター(AIP)の音楽情報知能チームでAI技術を使った作曲支援システムの研究開発活動に携わっている。小室氏は永井氏との対談で「音楽は理論的に解明できる」との見解を示したが、一方で「人間に鳥肌を立たせる音楽の理論はAIの先にある」とも指摘
村上芽氏が著した書籍『少子化する世界』(日本経済新聞出版社)から4回にわたり、少子化における世界の現状について報告する連載。第3回では、2016年に出生率が急上昇したドイツの現状をみる。生まれた子の数でみても79万2131人と、5年連続の増加によって1996年以来およそ20年ぶりの高水準で「小さな奇跡」とさえ評されたが、その裏側には外国人の出生率の急上昇がある。 ◇ ◇ ◇ 「小さな奇跡」の裏側 ドイツの人口は2017年9月時点で8274万人*1と、欧州連合(EU)のなかで最も人口の大きな国である。うち、ドイツ人が7316万人、外国人が957万人であり、外国人の割合が11.57%となった。ドイツにおいて人口に関する議論は、移民や難民の受け入れと切り離せない。2011年9月から2017年9月までの6年間のデータ(図表3-1)をみても、人口全体は約3%(243万人)増えたが、その内訳はとい
――まずは近況についてうかがいます。どんな毎日ですか。 美園氏(以下敬称略) コロナ禍を受け、大学院の授業もリアルとオンラインのハイブリッド方式になっています。だから、場所がキャンパスとは限りませんが、「平日は研究」という日々です。研究は、とにかく自分で進めていかないと……。週1回は教授と打ち合わせがあるので、その準備も欠かせません。 退団後ほどなくして、何か人の役に立つことがしたいと子ども関連のボランティア活動に携わるようになりました。大学院に入ってからは時間的に難しくなりましたが、いまも時折、こども食堂のお手伝いなどにうかがっています。 (大学院での)学びの方ですか? 一言でいうと、ビジネススクールに近いイメージでしょうか。周囲には起業を目指している方もいらっしゃいます。前期の授業ではCEO(最高経営責任者)としての立場で討議する、といった経験もしました。 ――美園さんのこれまでの歩み
長く働いていれば、嫌いな上司に悩まされた経験は多くの人が持っているだろう。転職が難しかった昔とは違い、今は「不愉快な上司の下で働き続けるのを我慢しない人が増えてきた」と、経営コンサルタントの松岡保昌氏はみる。つまり、嫌われる上司は優秀な部下を離職に追い込み、企業の人材ロスを引き起こしかねない点で深刻な「経営リスク」といえる。著書「こうして社員は、やる気を失っていく」(日本実業出版社)を書いた松岡氏に、離職を招く「だめ上司」の典型的タイプを明かしてもらった。(前回の記事「やる気を奪う『悪上司』 NGパターンはこれだ」) 松岡氏が挙げる「やる気を奪う上司・リーダー」の典型例は「説明しない問答無用タイプ」だ。業務ミッションを与えても、その理由や目的を言い添えない。「いいから、つべこべ言わずにやれ」と対話を打ち切る。質問にも答えない。答えても「決まったことだから」「上からの指示」で済ませてしまう。
江戸時代は旧松前藩の城下町として栄え、北海道の郷土料理「松前漬け」の発祥地でもある北海道松前町。北海道最南端の町は、国内の多くの過疎地と同様に人口の高齢化と減少という課題に直面している。主力の漁業は漁獲量の減少が続き、春には桜の名所として多くの観光客を集めてきた観光業も新型コロナウイルスの影響でふるわない。そんな町が「風車と牛」を地域再生の起爆剤にしようとしている。その挑戦は国連のSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも通じるものだ。 北海道初の「蓄電池併設型」 巨大な風車の下でのんびり草をはむ牛の群れ――。のどかな風景はアルプスのようだが、ここは松前町の市街地からやや離れた日本海岸沿いにある地域である。高さ約100メートルのタワーに長さが約50メートルの樹脂でできたブレード(翼)が3つついた巨大な白い風車は独シーメンスグループ製だ。松前町には東急不動産が設置したこれら12基の大型風車のほ
新型コロナウイルス禍を受けて、半ば強制的にテレワークが導入されてからおよそ2年が経過した。コロナ禍が落ち着きを見せるとともに大都市圏では通勤ラッシュが復活し、オフィスにもにぎわいが戻ってきた。会社が対面での働き方に戻し、出社を求められるようになった会社員も多いだろう。 各種の調査から分かってきたのは、テレワークでどうしてもできない仕事はさほど多くないという事実だ。営業や窓口業務のほか、製造や建設現場の仕事ですらリモートでこなせるようになっている。むしろテレワークの定着を妨げる「見えない壁」が社会的・心理的な要因の中にあることが分かってきた。 拙著『日本人の承認欲求 テレワークがさらした深層』(新潮新書)は、社員の承認欲求、とりわけ職場という共同体の中で自分の存在感を示そうとする日本人特有の表れ方がテレワークの普及を妨げていることを明らかにした。さらにテレワークだけでなく、組織のスリム化やム
藤井聡太五冠が活躍する将棋界は、棋士ひとりひとりが人工知能(AI)を日常使いする日本のAI先進エリアでもある。中でも異色の存在が谷合広紀四段(28)だ。将棋会館(東京・千駄ケ谷)でプロ3年目の新鋭として対局しながら、3日から「世界コンピュータ将棋選手権」に開発者として参戦する。東京大学大学院などで自動運転の技術にも携わっている谷合四段に聞いた。 10億通りでAIと一致する「藤井の選択」 ――藤井五冠の将棋をAIで解析しました(『AI解析から読み解く 藤井聡太の選択 』日本将棋連盟刊)。勝ち続けられる秘訣は何でしょうか。
「まず本人の資質と努力が大きいです。小学生の時から『詰将棋解答選手権』で優勝した終盤力に加え、将棋の真理を極めたいという真摯な探究心が、より手を深く読む姿勢につながっています。昨年度の竜王戦、王将戦で実力者の豊島将之九段、渡辺明名人がそろってストレート負けしたことは、今後2度と起こらないと思えるほどの衝撃でした」 「一方で藤井五冠のタイトル戦ではAIが無かったならば、まず出現しないであろう指し手が見られます。将棋の終盤は、これまで人間が想像していた以上に難解なこともAIで分かってきました。終盤で混沌となる勝負が多く、藤井五冠はAIから素直に良いものを習得し、混戦を抜け出して勝つケースが目立ちます。将棋AIはディープラーニング系がこの1、2年で進歩し、より質が高く効果的な勉強法が可能になりました」 「ビジネス界のリーダー方と話していてよく驚かれるのは、いまだに『将棋が強くなるマニュアル』が存
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 価格競争による不毛な消耗戦など企業間の厳しい競争に打ち勝ち、大きな利益を上げるためには「競争しない」状況をつくることが重要だと早稲田大学ビジネススクールの山田英夫教授はいいます。それを実現するためには「ニッチ」「不協和」「協調」の3つの戦略があります。ニッチ戦略はリーダー企業との競合を避け、特定市場に資源を集中する戦略。不協和戦略はリーダー企業の経営資源や戦略にジレンマを起こさせる戦略。協調戦略はより強い企業と共生し、攻撃されない状況を作り出す戦略です。この連載では、山田教授の著書『競争しない競争戦略 改訂版 環境激変下で生き残る3つの選択』(日本経済新聞出版)のなかから、戦略別に企業などのケーススタディをとり上げ、「競争しない」状況どう作り出すかを明らかにします。第3回は「量
オフィスに出社しないで自宅で仕事をするリモートワークが新たな働き方として定着しました。この過程でわかったのは多くの仕事が「どこでもできる」ということでした。この動きはさらに進み、オフィスから離れた地域に住んだり、一定期間リゾート地などで働くワーケーションへの関心が高まっています。働く人が自分の好きな場所で働けることは、実は企業にとっても有益なことが多いといいます。この連載では、一般社団法人みつめる旅著『どこでもオフィスの時代 人生の質が劇的に上がるワーケーション超入門』(日本経済新聞出版)をもとに、好きな場所で働くことのメリットを働く人、企業それぞれの側から解説していきます。最終回は、リモートワークが当たり前になってもオフィス出社にこだわる日本企業を危惧する山口周氏のコラム「『リモート・リーダーシップ』が育たない日本の未来」を紹介します。 ◇ 「リモート・リーダーシップ」が育たない日本の未
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 1931年(昭和6年)9月18日に、日本現代史の分水嶺となった事件が起きた。「満州事変」だ。現地に駐留していた陸軍の「関東軍」はスピード進撃で中国東北部全域を占領し、翌年に「満州国」を成立させた。国内世論は湧いたものの、各国の批判を浴びた日本は国際連盟を脱退、孤立化への道を進んだ。満州事変を立案・実行したのが関東軍・作戦主任参謀の石原莞爾(1889~1949年)だ。現在でも多くの陸軍軍人が厳しく批判される中で、例外的に石原には肯定的な評価もある。しかし最終的に師団長から中将のまま待命・予備役入り(引退)という組織上のキャリアは、表面的には「超二流」止まりにも映る。「戦略の天才」を挫折させた陸軍人事を追った。 幼年学校は首席、陸大は次席だが自由奔放 石原は山形県鶴岡市の出身で、陸
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 今年は「太平洋戦争」(1941~45年)開戦からちょうど80年。圧倒的な国力の差があった米国との戦争になぜ踏み切ったのか。「最初から勝てない無謀な試みだった」と結論を急いでしまうと、今日にも通じるさまざまな教訓を見逃すことになりかねない。軍事史研究の藤井非三四氏は「陸軍大学卒業生の優遇や複雑な派閥の人間関係が人事政策を誤らせた」と分析する。陸軍の失敗は現代の企業社会にいくつかのヒントを与えてくれるかもしれない。 「俺には過ぎた師団長らだ」と自慢 太平洋戦争中の1944年に敗北した「インパール作戦」は陸軍の奇襲重視、兵たん軽視、軍紀崩壊の典型的なケースとされる。ビルマ戦線からインド北東部のインパール攻略を目指した戦いで、英軍のビルマ進攻の抑止と中国・蒋介石政権への物資供給ルート遮
新型コロナウイルス禍が企業に大きな打撃を与えています。収束の見通しがつかないなか、破綻を余儀なくされた企業もあります。この連載では書籍『コロナ倒産の真相』(日本経済新聞出版)をもとに、新型コロナが企業にどう影響したのかを事例をもとに解説します。これを知ることは、今後また起きるかもしれない大きな変化への対応力を高めることにつながるはずです。今回は神奈川・小田原のかまぼこ御三家の1つ「丸う田代」の事例を紹介します。 小田原かまぼこ「御三家」の一角に 丸う田代の創業は、明治初期にさかのぼります。現在の「小田原かまぼこ通り」に面した土地にて、創業者の田代卯之助氏が鮮魚商を営むかたわら、かまぼこの製造に着手。地元・小田原は江戸時代から、東海道五十三次・箱根八里の宿場として栄え、沿岸漁業も盛んな町でした。豊富な漁獲量に注目した創業者は早速、かまぼこ作りに取り組みました。魚の吟味から煮出し、製法など試行
新型コロナウイルス禍が企業に大きな打撃を与えています。収束の見通しがつかないなか、破綻を余儀なくされた企業もあります。この連載では書籍『コロナ倒産の真相』(日本経済新聞出版)をもとに、新型コロナが企業にどう影響したのかを事例をもとに解説します。これを知ることは、今後また起きるかもしれない大きな変化への対応力を高めることにつながるはずです。今回はアニメ関連のフィギュア製作などを手掛けていたアクアマリンの事例を紹介します。 アニメキャラクターのフィギュア(人形)製作販売やアニメグッズなどの販売を行っていた(株)アクアマリンが、2020年8月4日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けました。 負債額4億6400万円と大きな倒産ではなかったですが、ネット上で大きな話題になるほど人気のフィギュアを扱っていました。もともと収益力に課題を抱える中で、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけたのです。 順
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 ひところ言われた受験戦争という言葉がある。一定の世代の方には、あまり思い出したくない勉強漬けの日々の記憶があるのではないだろうか。日本や韓国に特有の文化的なものかと思いきや、アメリカでも似た状況が起きているらしい。エリートを目指す10代の若者が、メンタルに変調をきたすほど追い込まれているというのだ。 出自によらず、能力の高いものが成功を手にすることできる――こうした「能力主義(メリトクラシー)」が社会を毒していると警鐘を鳴らすのが本書『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(鬼澤 忍訳)。TV番組「ハーバード白熱教室」で人気を博したハーバード大学の政治哲学教授、マイケル・サンデル氏の新著である。報酬や地位は能力に従って割り当てるべきだという、一見フェアなこの考え方の何が問題なのか
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 人類にとって画期的だと信じられ、広く受け入れられたのに、実際には大きな害悪をもたらしてしまった――本書『禍(わざわ)いの科学』(関谷冬華訳)は、そんな科学的発明の悪影響を取り上げ、「なぜ」そうなったのかを読み解こうとするもの。取り上げられるのは、現在にも影響が残る、アヘン、マーガリン、ロボトミー手術、化学肥料、優生学、DDT(有機塩素系殺虫剤)禁止、メガビタミン療法の7つの発明だ。 著者は長年ワクチンの研究をしてきた科学者で医者のポール・A・オフィット氏。エピソードだけでなく、どうすれば悲劇にならずに済んだのかという「教訓」も導き出している。その教訓をもとに、最終章では電子タバコや遺伝子組み換え作物といった最先端の発明に対しても考察を進めている。 ■「手っ取り早く」が命取り 発
仕事をするうえで、私の根底にあるのは新卒として入社した「リクルート」という存在だ。私とリクルートは切っても切り離せない。今回はそんなリクルートでの学びを個人的な視点でお伝えしたい。このリクルート魂がみなさんの仕事やマネジメントにいきる部分があると思う。 私は2008年、リクルートに入社した。顧客企業に新卒・中途採用や人材の評価・育成などを支援することで事業成長を後押ししてきた。従業員1名の企業から日本のトップ企業、外資系企業まで規模を問わず関わってきた。業種もメーカー、金融、官公庁、サービス業、医療、外食などほぼすべてを担当した。社内でもマネージャーとして、新人からベテランまで幅広い層のマネジメント業務に従事してきた。 現在は企業のバックオフィス系業務(人事、労務、営業事務など)をオンラインで代行するサービスを行うニットで広報を担当している。広報業務は未経験だったが、周囲を巻き込みながらチ
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 パワハラ上司がいる職場、食べ過ぎやネットショッピングといった悪習慣――やめたいのにやめられず、悩んでいる人は意外に多い。そんな「やめる・やめない」問題にうってつけの処方箋が本書『自衛隊メンタル教官が教える 心をリセットする技術』だ。どう問題と向き合えば心が晴れるのか、その手順が紹介されている。 著者は、陸上自衛隊でメンタル教官として、隊員たちの心のケアや指導、教育に従事してきた下園壮太氏。定年退職した現在は、メンタルレスキュー協会理事長を務め、カウンセリング技術の普及に尽力している。 ■「戦うか、逃げるか」以外の選択肢 「やめる・やめない」問題に着手する前に、やるべきことがある。それがエネルギーの回復だ。悩みがあると心身が疲弊する。エネルギーの低下は、自信の低下や不安の拡大につ
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 人類の歴史は何によって動いてきたのか? その問いに「化学」と答えるのが本書『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』だ。 水や空気、土、石、木、金属などの「物質」を対象とした、化学という研究分野がどのような探究過程をたどり、その成果がどのように人類の歴史に影響を与えてきたかを平明にナビゲートする1冊。アリストテレスの「四元素説」から現代の「終末時計」まで幅広いトピックが紹介されており、世界史を大きく動かした化学のエポックメーキングな発見や出来事を知ることができる。 著者の左巻健男氏は、理科教育・科学コミュニケーションを専門とする元法政大学教授・現東京大学非常勤講師。 ■火によって進化した人類 化学というと、とっつきにくさを感じる人もいるだろう。だが本書には身近な「化学的
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 あなたの周りにこんな若手社員はいないだろうか? ・失敗を認めようとせず、何でも周りのせいにする。 ・いつも自分の評価が低すぎると不満を口にする。 ・自分にはもっと高度な仕事を任せられるべきだと思っている。 彼らに共通するのは、自己評価と周囲の評価に大きなギャップがあることだ。それが、はた迷惑な態度や行動につながっている。 学歴社会が生んだ「能力」の過大評価 多くはいわゆる一流大学を卒業したり、MBA(経営学修士)の資格を持ったりしている。そのため自分は優秀だと信じ込んでいる。彼らにとって学歴=能力、偏差値=「頭のよさ」なのだ。したがって、いくら間違いを周りから指摘されても、仕事ができなくても自分に問題があることを認めようとしない。なかには「頭の悪いやつにはわからない」と吐き捨て
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 最近は密を避けて楽しむソロキャンプが人気だ。同時に、少人数で、大掛かりなキャンプ道具がなくても始められるとして注目度が上がっているのが「車中泊」である。文字どおり、車中で一晩を過ごすことを指す。 本書『車中泊入門』は、その魅力と、上手に活用するための基本的な装備や心構えを紹介。生活にうまく取り入れれば、趣味の幅や生き方を広げてくれる一方で、狭い車内で夜を過ごすからこそ注意すべき点があることを、具体的に伝えている。著者の武内隆氏は、50代から車中泊の旅を始め、これまでの車中での宿泊日数は延べ2500日以上、走行距離は約25万キロメートルにもおよぶという。 ■「気ままな旅」が最大の魅力 車中泊の大きな魅力は「気ままで、自由自在」な旅が楽しめるところだ。予約したホテルや乗り物の予定に
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 そうすると、ある「気づき」が得られることがあります。その「気づき」をマーケティングの分野では、「マーケティング・インプリケーション」と言います。文学作品の「行間を読む」感覚と似ています。 「インプリケーション」とは、日本語で「含意(がんい)」と訳されます。「含意」とは、「表面に現れない意味を含みもつこと」ですから、「マーケティング・インプリケーション」とは、「情報の背後にある潜在的な意味」と言えるかもしれません。 その「情報の背後にある潜在的な意味」を捉えることができたら、そこから自分で仮説を立てる。そして、行動に移して実践する。実践したら、それを振り返って自分で評価してみるのです。 この一連の流れをステップごとにまとめると、 (1)情報収集→(2)仕分け→(3)知恵に変換→(
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『日経BizGate|課題解決の扉を開く』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く