この作品の監督は片渕須直さんですが、片渕さんはかつてジブリの﹃魔女の宅急便﹄に演出補として参加していた事があります。しかし、最初から演出補として参加していたわけではありませんでした。ある時から演出補になったのです。いつから?なぜ?今回はその経緯を﹃WEBアニメスタイル﹄︵旧サイト︶のコラムよりご紹介します。 以下、片淵さんご本人のコラム﹃β運動の岸辺で﹁第45回 桜の下で﹂﹄より。 発端は、アニメージュ編集部の鈴木敏夫副編集長から自宅にもらった1本の電話だった。話をしたいことがあるので、新宿の喫茶店まで出てきてもらえないでしょうか、とのことだった。たぶん、桜の下で宮崎さんと出会ってからそんなに経っていない頃だったと思う。 ﹁この喫茶店は、﹃ラピュタ﹄のシナリオを宮さんが書き上げたとき、それを読んで高畑さんと意見交換したところでしてねえ﹂ と、鈴木さんは何か懐かしそうに店内を見回した。 ﹁実