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有名人が「書類送検」されたというニュースは珍しくありません。中には「厳重処分の意見を付けて書類送検された」というケースもあります。 では、この「書類送検」とは、具体的にどのような手続で、さらに、「厳重処分を付けて」とはどういうことなのでしょう? 実は、「厳重処分を付けて書類送検」とは、事件を捜査した警察が、起訴してほしいという意見を添えて、検察官に事件を引き継ぎ、捜査資料や証拠書類、証拠物を渡したということです。 以下では、「厳重処分を付けて書類送検」について詳しく解説していきます。 1.書類送検について (1) 書類送検とは? 刑事事件が発覚し警察が捜査をしたときには、関係書類・証拠物と一緒に事件を検察官に「送致」しなければなりません(刑事訴訟法246条本文)。 関係書類とは、例えば傷害事件であれば被害者の診断書、オレオレ詐欺事件であればATMの振込明細書などの証拠書類、さらに警察官が捜
テレビやインターネットの報道などで「主文後回しです」とキャスターが述べている速報を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。 最近では、京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で、裁判長は「有罪判決ですが、主文は後回しにします」と述べて話題になっています。 重大犯罪の判決言い渡しの際には、裁判官が判決主文ではなく、「判決理由から述べ始めたこと」が報道対象となることがあります。これが「主文後回し」です。 主文の後回しが速報の対象となるのはなぜ?と思った方も少なくないと思います。 また、そもそも判決主文の朗読を後回しにするのは、どのような理由によるものなのでしょうか。 今回は、刑事事件の判決における「主文後回し」の意味と理由を解説します。 1.公判手続きの流れ 憲法31条は「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と定めてい
1.軽犯罪法とは (1) 軽犯罪法の目的 軽犯罪法は、「国民が日常生活で守るべき最低限度の道徳を定めた法律」と説明されることがあります。 この説明が本当に正しいかどうかはさておき、確かに軽犯罪法の中には、日常見かけることの多い、「悪い行為」が処罰対象となっているものが多いようです。 なお、軽犯罪法が規制している行為は全部で33個あります(条文は34号までありますが、現在、21号の罪は削除されています、その詳細も後ほど説明します)。 (2) 軽犯罪法の刑罰 軽犯罪法違反の法定刑は「拘留」又は「科料」です(第1条柱書)。 拘留は、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘束することです。科料は、1000円以上1万円未満の範囲で金銭を徴収することです。 軽犯罪違反に対しては、「情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる」(第2条)とされています。 「刑の免除」とは、軽犯罪法違
日大アメフト選手が、危険なタックルを行い、関学大アメフト選手に怪我を負わせたということで、世間の耳目を集めるとともに、監督・コーチの指導方法にも批判が注がれ、ある意味では、大きな社会問題にもなっています。 では、アメリカンフットボールの試合中の出来事であれ、いわゆるスポーツ競技中に相手選手に怪我を負わせたような場合、加害選手は罪に問われるのでしょうか。問われるとすれば、その判断基準はどこにあるのでしょうか。 以下においては、スポーツ競技中に起こり得る犯罪、違法性が阻却される根拠と理由、スポーツ競技上での行為が刑事事件となる可能性、どのような場合に、スポーツ競技中の傷害罪等で逮捕されるのか、スポーツ競技において刑事責任が問題となった事例などに触れながら、スポーツ競技における犯罪の成否について解説することとします。 なお、以下の刑法における条文は、単に条文番号のみを掲げています。 1.スポーツ
改正刑事訴訟法の刑事免責制度が、2018(平成30)年6月1日から施行されました。 英米各国で導入されている刑事免責制度は、当該証人尋問で、証言を求められた事項について、刑事責任を問わないという、文字どおり刑事責任自体の免除を約束して証言を強制するものです。 しかし、日本で導入された刑事免責制度は、当該証人尋問で、証言した内容を証言者に不利益な証拠として用いないことを約束して証言を強制するという、証言の不利益利用の禁止です。 では、日本で導入された刑事免責制度は、具体的に、どのようなものなのでしょうか。この制度を導入したことで、何かメリットがあるのでしょうか。 以下においては、刑事免責制度の趣旨及び概要、刑事免責の根拠と免責の範囲、証言義務、検察官による免責決定の請求と裁判所の審査、証人尋問開始前の免責決定、証人尋問開始後の免責決定、第1回公判期日前の証人尋問における利用、刑事免責制度の適
青少年保護育成条例とは、青少年の健全な保護育成を図ることを目的とした、各地方公共団体が定める条例の総称です。各地方公共団体がそれぞれ独自に制定しているもので、全国の都道府県が制定しています。 条例では、青少年の健全育成についての基本理念や、都道府県及び保護者・都民や県民・事業者の責務を明らかにした上で、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為を規制しています。 今回は、この青少年保護育成条例に違反してしまった場合の正しい対応方法について、刑事事件に詳しい弁護士が解説させて頂きます。 1.青少年保護育成条例について (1) 規制の内容 各地方公共団体による差異はありますが、青少年保護育成条例の規制内容としては、概ね以下のようなものが挙げられます。 青少年の深夜外出の制限 青少年の深夜営業施設への立ち入り制限 青少年への有害図書販売の禁止 青少年への有害がん具(大人のおもちゃやバタフライナ
「情況証拠」という言葉には、「あやふやな」「不安定な」「不確実な」証拠というイメージがあるかもしれません。「情況」という単語自体が「漠然としたもの」という印象を与えるのも事実でしょう。 実際、「情況証拠のみで判決が出るなんて…」という意見はインターネット等でよく耳にします。 しかし、果たして情況証拠は本当に弱い証拠なのでしょうか? 情況証拠のみで事実認定をすることは本当に間違っているといえるのでしょうか? 1.情況証拠(間接証拠)と直接証拠の違い 「証拠」とは、「裁判上、事実認定の基礎とすることのできる資料」のことをいいます。 そして、「証拠」は様々な観点から分類することができます。 情況証拠(間接証拠)と間接証拠に限っていえば、これは証明の対象となる事実(要証事実)との関係での分類です。 一般的には、要証事実を直接に証明するのに用いられる証拠を直接証拠といい、要証事実を直接証明することは
1.痴漢事件の証拠 痴漢事件の証拠となり得るものとしては、以下のようなものがあります。 防犯カメラの映像 繊維鑑定 DNA鑑定 目撃者の証言 被害者の供述 被疑者本人の自白 (1) 防犯カメラの映像 現在、駅構内(改札、エスカレータ及び階段の乗り口・降り口、エレベータの中など)だけでなく、一部の電車内にも防犯カメラが設置されています。 電車内に設置された防犯カメラの映像に、被疑者が被害者の身体に触っている映像が記録されていれば、これはとても有力な有罪の証拠となります。 ただし、痴漢の犯行現場は混雑した電車がほとんどなので、明確な映像が撮影されていない方が多いです。せいぜい被疑者と被害者の位置関係しか判明しないことがほとんどでしょう。 逆に言えば、防犯カメラの映像から「被害者に触れることはできないような位置に被疑者がいた」ことが立証されれば、冤罪と判断される可能性が極めて高くなります。 (2
最近は、LINEやその他のSNSを通じて異性等と知り合い、簡単に援助交際することができるようになってしまっています。 しかし、18歳未満の者と援助交際をすると、「ある日突然警察官が家にやってきて、逮捕されてしまった」という事態になる可能性があります。 今回は、援助交際に当てはまる行為や、援助交際で成立する犯罪、逮捕されてしまった場合に不起訴処分を獲得する方法について、刑事事件に精通している弁護士が解説します。 1.援助交際とは? そもそも「援助交際」とは、異性等と性交渉などを行い、対価としてお金や物品を与えることです。性交渉などの「交際」の対価として、金銭などの「援助」をするので「援助交際」と言います。 ネット上では、「援交」や「ウリ」などと表現されることもあります。 援助交際では、必ずしも性交渉を伴うとは限りません。ときにはデートをするだけで終わるケースもあるでしょう。ただ、多くは性交渉
衝動的に行うことも容易な犯罪である万引きは、被疑者の罪悪感も少ない場合が多いです。 「万引きは軽い犯罪だ」「見つかっても注意されるだけで終わるだろう」と思っている方はいらっしゃいませんか? しかし、例え100円の商品でも、店員の目を盗んで窃盗行為をしたらそれは立派な犯罪となります。繰り返していると窃盗罪で逮捕・起訴され、実刑判決が下されてしまう可能性もあります。 ここでは、窃盗罪、特に万引きに焦点を当てて、万引きを行った場合どのような刑罰となるのか、罪の重さ(刑罰の重さ)はどう決まるのか、逮捕・起訴を免れるためにはどんな弁護活動が必要になるのかを説明していきます。
「未成年が飲酒をすると、一緒にいた成人や酒類を提供した店側が処罰される」という認識はみなさんの中にあると思います。 では、具体的にどのような要件を満たしたとき、どのような罪に問われるのでしょうか。また、未成年側が罪に問われないのは何故なのでしょうか。 以下においては、未成年者に酒類を販売・提供した場合について、成立する罪及び刑罰を中心に説明します。 1.未成年者への酒類販売・提供の罪 (1) 罪と刑罰 未成年者飲酒禁止法では、次のように規定されています。 ①未成年者の親権者や監督代行者が、未成年者の飲酒を知りつつ制止しなかった場合には、1000円以上1万円未満の科料に処せられます。 「親権者」とは、その名の通り「親」を指します。 「監督代行者」とは、親権者に代わって日常的に未成年者を監督すべき義務を負っている人のことで、例えば、子供を預かり同居して面倒を見ている者(兄弟を含む)や、住み込み
1.2022年6月成立・改正刑法のポイントと施行日 2022年6月13日に成立した改正刑法には、以下の変更が盛り込まれています。 ①侮辱罪の厳罰化 インターネット上での誹謗中傷が大きな社会問題となっていることを背景として、侮辱罪の法定刑が引き上げられました。 ②拘禁刑の創設 従来の懲役刑と禁錮刑が廃止され、これらに代えて「拘禁刑」が創設されます。 ③刑の執行猶予制度の拡充 過去に全部執行猶予付き判決が確定した者でも、2年以下の拘禁刑を言い渡される場合には再度の全部執行猶予が認められるなど(従来は1年以下の懲役・禁錮の場合のみ)、刑の執行猶予制度が拡充されます。 ④その他 刑法と併せて「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」「更生保護法」「更生保護事業法」も改正され、受刑者の処遇や社会復帰支援に関する規定、被害者の心情などを考慮するための規定などが変更・新設されます。 侮辱罪の厳罰化
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