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やる気の出し方
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マツダが1500cc級の小排気量ディーゼルエンジンから事実上撤退することが分かった。9月中旬で小型車「マツダ2」ディーゼル車の国内生産を終了する。既存エンジンでは、10月から継続生産車に適用される排ガスの実路走行試験(RDE)に適合が難しく、改良コストが見合わないと判断した。環境規制強化を前に、かつて一世を風靡(ふうび)した“クリーンディーゼル”小型車も転機を迎える。 RDEは2018年に、欧州メーカーの排ガス不正を受けて国内導入が決まった。一般に小排気量エンジンは出力を出すために高温で燃焼させる必要があり、窒素酸化物(NOx)が増えてしまう。 マツダ2(旧名デミオ)は1500cc級のディーゼルエンジンを搭載する唯一の車種。14年に発売したディーゼル車は、ガソリン車と比べて加速性能や燃費の良さなどから、発売後は約6割、直近でも約2割を占め、根強い支持がある。15年には同エンジンを搭載した小
トヨタ自動車が自動車部品製造に使う金型の保管に関し、取引先に対する新たな方針を決めたことが分かった。量産終了後、保管期間が15年に到達した時点で廃却や継続保管などの方向性を再協議し、必要があれば取引価格に反映する。トヨタでは子会社が金型の無償保管で下請法に違反し、公正取引委員会から勧告を受けた。トヨタが取引のあり方を迅速に見直すことで、子会社やグループ会社への波及効果も期待される。 9日までにプレス加工や射出成形などを手がける取引先に通達した。量産終了後の金型は、補給品と呼ばれる修理や交換に使われる部品を製造するため、一定期間の保管が求められている。主に発注側からの要請により、部品を手がける取引先で保管することが慣習となっている。ただ倉庫代など保管費用がかかる一方、生産数が少なく利益を上げづらいなど、取引先の負担になっているケースも多い。 経済産業省・中小企業庁などが2019年にまとめた型
筑波大学の佐生礼大学院生と望山洋教授は、イカのように推進するソフトポンプ遊泳機構を開発した。一つの回転軸でイカを模した緩急のある動きが作れる。スクリューのように水草などの浮遊物が巻き付く心配がない。イカの動きを模倣した高度な疑似餌装置や水質浄化ロボットなどに発展させていく。 ぼんぼりのように二つの輪を複数の帯でつないだ骨組みをねじって膨らませたり、縮んだりさせる。シンプルな1軸の回転運動で体積が大きく変わりポンプとして機能する。イカなどの頭足類が水を吹き出して急進する機構を再現した。 体積変化は膨張時を100%とすると、収縮時は64%まで縮む。縮むと断面積が小さくなるため水からの抗力が2・8ニュートンから0・49ニュートンと5分の1になる。そのために急加速、急停止の不連続な動きが可能になる。実験では停止状態から1秒間で秒速150ミリメートルまで急加速し、2・5秒後には停止できた。指などが入
NTTドコモとインテージ、台信商店(熊本市南区)、今村商事(東京都港区)は、生成人工知能(AI)を活用した店舗内デジタル看板向けの広告配信の実証を熊本市南区のスーパーマーケット「スーパーダイノブ城南店」で実施した。デジタル看板用コンテンツの作成時間を従来の1週間から約1時間以内に短縮。広告対象商品の売り上げが最大で約3・3倍になったという。 5月8日から6月28日までに行った実証では、ドコモが米オープンAIのチャットGPTなどの生成AIを活用してダイノブが販売を強化したい商品の広告コンテンツを作成。店内3カ所に設置したインテージのデジタル看板用の端末に表示した。顧客単位で販売履歴を収集するシステム「ID―POSデータ」を今村商事がダイノブから取得・分析し、効果を検証した。 広告コンテンツの作成では、生成AIの活用により作成手順の最大3分の2の工程を半自動化した。作成した広告を1商品当たり7
文部科学省は大学などの教員の研究時間を調査し、研究時間の縮小が下げ止まる傾向にあることを明らかにした。教育活動に充てる時間が増えており、懸案だった競争的資金の申請報告業務の負荷はわずか4%だった。国はリサーチ・アドミニストレーター(URA)などの研究管理人材を増やして業務負荷を軽減する方針だが、改善効果は限定的になる可能性がある。 大学教員などが実際に研究に充てている勤務時間割合を調査した。2023年度は32・1%で18年度の32・9%から0・8ポイント減少した。減少幅は縮小しており、下げ止まる可能性がある。 教員数は02年度の17万1094人から23年度は19万6305人へと増えている。ただ研究時間割合が02年度の46・5%から32・1%に減った。そのため実質的なフルタイム換算研究者数は7万9604人から6万3014人に減った。 背景には教育活動の増加がある。教育時間割合は02年度の23
近畿大学の今井喜胤教授と大阪公立大学の八木繁幸教授らの研究グループは「ペロブスカイト発光ダイオード」から近赤外円偏光を発生させる技術を確立した。発光層に半導体材料のペロブスカイト量子ドットを用いたペロブスカイト発光ダイオードに外部から磁力と電圧を加えることで、近赤外領域でらせん状に回転しながら振動する近赤外円偏光を発生させた。光通信やセンサーなどの高機能光学デバイス開発、高度セキュリティー認証技術の実用化、生体透過性の医療分野への応用につながる。 室温で永久磁石による磁場下で、光学不活性なペロブスカイト量子ドットを用いた光学デバイスから高輝度で発生が難しい近赤外円偏光を発生させた。加える磁力の方向を変えると近赤外円偏光の回転方向が反転するのを発見、回転方向を制御できた。 高精度・高感度センサーなどへの応用が見込める。従来の発生手法は輝度が弱く、実用化されていない。 今回の研究成果は磁気応用
日立建機はオリジナルデザインのコンテナを使った鉄道輸送を開始した。ナブテスコの西神工場(神戸市西区)から日立建機の茨城県地区の拠点に納入する建設機械・鉱山機械用部品の輸送ルートで、従来のトラック輸送から切り替えた。兵庫県と茨城県間を月2往復の頻度で運行予定。オリジナルデザインと別に、一般のコンテナでも同頻度の鉄道輸送を計画しており、合計で年間二酸化炭素(CO2)排出量の約43トン削減を見込む。 鉄道輸送で使うオリジナルコンテナは、建機と鉱山機械に親しみを持ってもらうことをコンセプトに、日立建機のコーポレートカラーを塗装した仕様。前面と背面に油圧ショベルのイラストをあしらった。 今回の取り組みで輸送する部品は、大型油圧ショベルに搭載するコントロールバルブなど。ナブテスコの西神工場から日立建機ロジテック(茨城県土浦市)の「土浦第二物流センタ」(同)までの約700キロメートルの距離を鉄道コンテナ
ELYZA(イライザ、東京都文京区、曽根岡侑也社長)は26日、生成人工知能(AI)の基盤となる最新の大規模言語モデル(LLM)を開発し、性能を公開した。米メタのLLM「Llama(ラマ)3」を基に、LLMの性能指標となるパラメーター数が700億パラメーターと80億パラメーターの日本語LLMを開発。700億パラメーターモデルは日本語を対象にした二つの指標で国内最高精度を達成したという。 指標のうち「イライザ・タスクス100」の5段階評価で4・07と、3月時点のモデルと比べて0・586向上。米オープンAIの「GPT―4」の4・03を上回った。「ジャパニーズMT―ベンチ」でも執筆や推論、コーチングなど8項目の平均が10点満点中9・075と、GPT―4の9・013を上回った。 軽量の80億パラメーターモデルは「イライザ・タスクス100」で3・655とGPT3・5ターボの3・475を上回った。同モデ
NTTグループ各社で女性役員の存在感が高まっている。NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTデータの国内主要6社の2024年度の女性役員が19年度比29人増の40人に達した。役員全体に占める女性の比率も同16・6ポイント増の23・7%に高まった。女性役員有志が多様な働き方や持続可能社会の実現を目的に立ち上げたチームが対外活動を始めるなど、元国営企業という堅いイメージが変わりつつある。(編集委員・水嶋真人) 「高校2年生の時にこれからはコンピューターだと思い、大学で情報工学を専攻した。便利で豊かな社会を作りたいとNTTに入社した」。NTT東日本の相原朋子執行役員神奈川事業部長兼神奈川支店長は23日、神奈川県横須賀市の中学生15人を招いて同市内で開いた体験型イベントで“リケジョ”となった自身の経験談を説明した。 同イベントは、NTTグループの女性役員
量子コンピューターの大規模化に伴う技術課題として、極低温の冷凍機内に置く超電導装置と、室温環境に配備した制御装置を結ぶ配線(ケーブル)問題がある。課題は量子ビットの規模を大きくすると、ケーブルの数も増えて冷凍機内に収まりきらず、さらに発熱で量子ビットにも影響を及ぼすことだ。富士通はダイヤモンドスピン量子が4K(マイナス約269度C)で動く特性を生かし、「クライオ相補型金属酸化膜半導体(CMOS)」と呼ぶ、半導体技術で配線問題の克服に挑む。(編集委員・斉藤実) クライオは「冷たい所でも動く」という意味。極低温下でも動くのがクライオCMOS回路。富士通が量子研究でタッグを組むデルフト工科大学と、オランダ応用科学研究機構が設立した量子技術研究機関「QuTech」のノウハウを生かし、クライオCMOS回路をダイヤモンドスピン量子向けに開発した。 具体的にはクライオCMOS回路を極低温の冷凍機内に設置
音の波、高精細に可視化 NTTは17日、NTT西日本クイントブリッジ・プリズム(大阪市都島区)で24―26日に開く「NTTコミュニケーション科学基礎研究所オープンハウス」の報道機関向け内覧会を都内で開いた。「語り会おう・未来のコミュニケーション」をテーマに、錯覚を利用して複数のモニターの枠を飛び越えた3次元(3D)映像を提示できるシステム、リアルタイムの音声変換など最新の研究開発技術22点を紹介。視覚や聴覚を用いた技術革新の実用化を目指す。(編集委員・水嶋真人) 巨大3D空中像提示システムは、脳の映像補完の働きを誘発する透明視錯覚を用いた映像デザインにより飛び出す3D像を表示。種類やサイズの異なるモニターがふぞろいに設置され、モニター間の隙間によって映像が部分的に欠損する場合でも3D映像の欠損箇所が脳で補完される。 補完された映像の箇所の背後には映像を提示する画面がなく、隙間があることで逆
自治体の災害対策にも 国内の飛行ロボット(ドローン)メーカーが長距離飛行が可能な機体を相次ぎ開発している。従来はリチウムイオン電池(LiB)で飛行時間が15分程度の空撮用マルチコプター機種が中心だったが、防衛用途には性能不足。加えて、広域災害後の人命救助や砂防ダム監視向けに自治体からの需要も高まっており、長距離・長時間を飛べるドローンは業界の主要な開発テーマになりそうだ。(編集委員・嶋田歩) 「2024年に入り、防衛省関係の引き合い件数がすごく増えている」。テラ・ラボ(愛知県春日井市)の松浦孝英社長は、防衛用途での需要をこう捉える。同社は23年9月、防衛省・自衛隊とのマッチングを図る「防衛産業へのスタートアップ活用に向けた合同推進会」に参加した。 現在、航続距離1000キロメートル、飛行時間10時間で垂直離発着が可能な長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」を売り込み中で、海上自衛隊、
JR東海は“ドクターイエロー”の愛称で親しまれる新幹線設備用点検車両の機能を代替する東海道新幹線「N700S」の新車両を投入する。2026―28年度に17編成のN700Sを投入し、一部に画像解析による電車線金具の異常検知機能とレールなどの軌道材料のモニタリング機能を新たに搭載する。投資額は非公表。 営業車で高頻度に点検を行うことで安全性を高める。丹羽俊介社長は、「より安全で快適、環境性能も高められる」と説明した。 今回の追加投入で、同社の保有するN700Sは合計76編成となる。新編成には停電時にバッテリーで空調を稼働させる機能も追加し、廃棄車両から再生したアルミニウム部材の使用範囲を従来編成に比べ約1・6倍に増やす。また、新編成と既存編成の両方でパンタグラフへの飛来物付着を検知する機能の追加や車両データの伝送機能の強化を行う。 丹羽社長は引退するドクターイエローについて「多くの人にご愛顧い
事務機器(OA)各社が人手不足や熟練者の減少などの課題解決に向けた自動化や、さらなる高品質化、環境対応のアピールに力を入れている。独デュッセルドルフで7日に閉幕した世界最大規模の印刷機材展示会「ドルッパ」には、キヤノンやリコーなど大手が出展。8年ぶりのリアル開催だったこともあり、各社展示に熱が入った。(新庄悠) 印刷業界では版を使った主流のアナログ印刷から、多品種小ロットなど柔軟に対応でき、版不要で環境負荷が低減できるデジタル印刷への移行が進む。キヤノンが展示したB3サイズ対応のインクジェットデジタル印刷機「varioプリント iX1700」や、リコーのB2サイズ対応の枚葉インクジェットプリンティングシステム「RICOH Pro Z75」はデジタル印刷はもちろん、環境に優しい水性インクを採用しているのも特徴の一つだ。 キヤノンの同印刷機やコニカミノルタのB2サイズ対応インクジェット印刷機「
東京農工大学の山本明保准教授らは、鉄系高温超電導磁石の磁力を2倍以上に高めることに成功した。マイナス235度Cで電流を流すと2テスラ超の磁力を得た。多結晶材料であるため、セラミックス材料の製造プロセスを利用できる。医療用磁気共鳴断層撮影装置(MRI)や核磁気共鳴(NMR)などに提案していく。 人工知能(AI)技術のベイズ最適化と研究者による仮説検証の二つの開発アプローチを並走させた。データは共有してそれぞれ実験を繰り返す。AI主導では純粋に材料の電流特性を高めるように探索し、研究者は作りやすさなどの電流特性以外の数値で表現しにくい要素も勘案しながら探索した。 二つの材料を重ねて評価すると低温で2テスラ超の磁力を得た。世界記録の2倍以上に当たる。研究者製の材料は磁場がない条件で最高の電流が得られ、AI製の材料は磁場条件で最高の電流を得られた。個々の比較評価はしなかった。 AI製の材料は結晶粒
多様な声を運営に反映 学術のガバナンス(統治)が節目を迎えている。国立大学の法人化から20年がたち、各種調査が示す改革の成果は芳しくない。競争原理と政策誘導で大学の経営を導いてきたが、多様なステークホルダー(利害関係者)と重要業績評価指標(KPI)に囲まれて身動きが取れなくなりつつある。学長の強権化に伴う副作用を指摘する声も上がる。法改正で規模の大きな大学では法人運営を監督する運営方針会議が設置される。これに類する仕組みが日本学術会議にも適用されようとしている。大学と国立研究開発法人などの役割分担を再考する時期にきている。(2回連載) 「ほとんど効果がないか、あってもわずか。いくつかの政策は負の効果を及ぼしている」―。鈴鹿医療科学大学の豊田長康学長は指摘する。国立大法人化などの影響を分析した。対象とした政策は四つ。2004年までの国家公務員総定員法と大学院重点化、04年からの国立大法人化、
ファナックは塗装現場で利用できる世界初の防爆協働ロボットを開発し、8月に市場投入する。ロボットが工場の爆発源にならないように、各国・地域の防爆規格に対応する。自動車メーカーのような大手企業では塗装の自動化が進むが、中小企業や多品種を扱う場合は自動化が進みにくい。塗装現場は有毒ガスを防ぐマスクの装着が必要で労働環境も良くないとされる。ロボットへの置き換えニーズを取り込むことで人手不足にも応える。 新たに市場投入するのが国際規格防爆協働ロボット「CRX―10iA/L Paint」だ。可搬質量は10キログラムでリーチ(可動範囲)は1418ミリメートル。アームの長さを生かして、ロボット1台で自動車ドア1枚分程度の大面積の塗装を可能とする。自動車や自動車部品、家具など塗装の必要な製品は全て対象となる。国内や欧米、中国、インドなど世界で拡販する。 製造現場の人手不足が課題となる中、大企業から中堅・中小
NTTは通信ケーブルを通す地下パイプや電柱を介さずに、路面の溝に敷設可能な光ファイバーケーブルを開発した。路面上でも容易にケーブル同士を接続できるコネクターを用いることで、大規模な掘削や建柱工事をせずに光ファイバー網を構築できる。従来比で作業時間を5分の1程度に削減できることから、自動運転用インフラや、より多くの基地局設置が必要な次世代通信網の整備などでの活用を見込む。 NTTは光ファイバーケーブルの外径を従来比3分の2の6ミリメートルに縮小し、道路などのアスファルト舗装に形成した深さ約3センチメートルの溝に通す技術を開発した。溝は、道路工事に使うアスファルトやコンクリート用の型を用いて形成する。この溝の中に光ファイバーケーブルを埋めて光回線網を構築する。これにより、道路脇の街路灯などに設置した第5世代通信(5G)用アンテナへ容易に光ファイバーケーブルを通せる。 敷設できるケーブルは、40
豊田合成は次世代のパワー半導体とされる窒化ガリウム(GaN)パワー半導体について、高品質な製造技術の開発に着手する。2024年度末にGaN結晶の大型育成炉を増設し、生産能力を現在比で最大10倍程度に拡大。高品質で大口径のGaN基板を安定して製造できる体制を確立する。高効率と高速スイッチングを実現できる同半導体は電動車用モーターやデータセンターなどでの利用が期待されており、同社は脱炭素社会の実現に貢献する。 GaN結晶の育成炉は豊田合成の美和技術センター(愛知県あま市)に1台増設し計2台体制にする。新たな育成炉は一度に複数枚の結晶の育成が可能。これにより量産化を見据えた結晶の品質検証やデバイスの性能検証を加速する。 同社と大阪大学は、ナトリウムとガリウムを混合した金属溶液に高圧で窒素を注入しGaNを合成する「Naフラックス法」を活用し、大型GaN結晶の成長技術の確立に取り組んでいる。現在は6
研究支援など新人事制度 新潟大学は大学改革を企画し推進する「ユニバーシティーアドミニストレーター(UA)」職の仕組みを確立する。2023年度新設のUA室を中心に、産学・地域連携の専門人材や研究支援のリサーチアドミニストレーター(URA)などをまとめ、新人事制度を整備する。約10年間でUAを倍増させ戦力とし、32年度の外部資金獲得額を23年度比2・4倍の年77億円に引き上げる計画だ。 新潟大のUAは大学と外部機関との協働で、大学改革と資金獲得を連動させる高度専門人材だ。研究支援以外にも産学共創、地域連携、寄付金集め、教育、デジタル変革(DX)、情報分析、戦略広報、知的財産、施設・設備などあらゆる分野を対象とする。 UAは23年度の25人を32年度で50人にもっていく。連動して動く事務職員は45人を70人に増強。これにより外部資金獲得は年32億円を77億円にする。24年度中に対象者をUA室に配
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、全国の大学・研究機関を調査し、中堅大学で研究者の研究予算充足感が悪化していることを明らかにした。大学を論文数で四つに分けると第2グループ(G)と第3Gで状況認識が厳しくなっている。研究時間は8割の研究者が不足と回答。大学の財源不足が人材不足を招き、業務が増えて研究時間が削られていた。(小寺貴之) 研究者のマインドを計る総合的意識調査の2023年度版を発表した。第1Gは論文数上位4大学、第2Gが続く14大学、第3Gは続く26大学、第4Gは137大学。研究基盤や基盤的経費、競争的資金の状況認識が第2Gと第3Gは第1Gや第4Gに比べて減少した。「自分のやりたい研究を自由にできる感じではない」などの声が上がっている。 研究時間の充足度では約8割の研究者が理想よりも少ないと回答した。理由は組織運営の会議や入試業務、研究費獲得のための書類作成などが
信州大学の金子克美特別特任教授と公立諏訪東京理科大学の内海重宜教授らの研究グループは単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を使ったエネルギー貯蔵法を開発した。SWCNTとポリウレタン系材料の複合ロープをねじってエネルギーをためる。同じ重量のリチウムイオン電池(LiB)の3倍以上のエネルギーを貯蔵できるとしている。 重量当たりのエネルギー密度と出力密度はLiBと比べて約3倍、一般的な輪ゴムをねじった際の約1000倍。またLiBに対して軽量で爆発の危険が無く、マイナス60度―プラス100度Cの広い温度範囲で能力が変わらない。 電気エネルギーへの変換も容易で、人工心臓など体内デバイスのエネルギー源としての活用も期待できる。
規制強化で冷媒争奪戦 不適切処分は社名公表 2024年、空調機器や冷凍・冷蔵庫の冷媒として一般的な「代替フロン」への規制が強化された。現在、使っている冷媒の入手が困難となる事態が想定されており、“空調の2024年問題”と呼ばれる。また、東京都はフロンの不適切な処分への取り締まりを強化した。経営者は正しく理解していないと法令に違反する可能性もあり、フロン管理は経営の課題となった。(編集委員・松木喬) 代替フロンはハイドロフルオロカーボン(HFC)類。温暖化を助長する温室効果ガスの一種で、二酸化炭素(CO2)と比べ2000―1万倍も強い温室効果を持つ。 国際社会は2016年、「特定フロン」の全廃を決めたモントリオール議定書の規制対象にHFCを追加した。これが「キガリ改正」だ。各国に代替フロンの段階的な生産・消費量の削減を義務付けており、日本は24年以降、11―13年の平均比40%削減が求められ
鈴鹿医療科学大学の豊田長康学長は、国立大学法人化や新医師臨床研修制度などの科学技術政策による研究力低下を可視化した。経済学などで使われる自然実験という観察研究手法を用いて、政策の対象群と非対象群の大学を比較した。すると国立大学法人化による負の影響が最大となった。研究力を引き下げている可能性がある。 2004年の国家公務員総定員法と大学院重点化に加え、国立大法人化、新医師臨床研修制度の導入、06年の薬学部6年制の導入の4政策の影響を検証した。この前提に04年ごろから日本の研究論文の質と量を掛け合わせた研究力指標が低下しており、その背景には研究者の正味の研究時間と研究者数が減少していることがある。 4政策の対象となっていない早稲田大学などの私立で医学部や薬学部のない総合大学15校と、政策対象となった国立大学を比較した。すると00年から21年で非対象群の私大は1・3倍ほど研究力が伸びているのに対
半導体製造工程の「日陰」のような存在だった後工程の重要性が高まっている。これまで半導体の性能を決めてきた前工程の微細化に限界が見え始めているからだ。そこでチップの性能を高めるため、複数のチップを一つのチップのように積層するなどの「先端パッケージング技術」の開発が進んでいる。ラピダス(東京都千代田区)なども開発に乗り出しており、半導体業界の一大トレンドになっている。(小林健人) 4月、先端半導体の量産を目指すラピダスが経済産業省から最大5900億円の支援を受け、後工程の研究開発に乗り出すと発表した。5900億円のうち535億円を活用。セイコーエプソンの千歳事務所(北海道千歳市)の一部を使う形で後工程の開発を進める計画だ。記者会見でラピダスの小池淳義社長は「前工程だけでなく、後工程、設計支援。この三位一体となったビジネスモデルの実現が重要だ」と後工程の重要性を強調した。前工程と後工程で最先端技
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