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2024.06.10 ONTOMOの連載「インターネットと音楽についての法律相談室」「ミュンヘンからの音楽だより」でおなじみの弁護士・橋本阿友子さんと、元フィギュアスケートオリンピック選手でアーティスティックスポーツの著作権研究を行なっている國學院大學准教授の町田樹さん。おふたりに、フィギュアスケートに欠かせない音楽と著作権の関係を中心に、振付の著作権やSNS、AIの問題まで、幅広く語っていただきました。 取材・文 取材・文 坂口香野 ライター・編集者。東京都八王子市在住。早稲田大学第一文学部美術史専修卒、(株)ベネッセコーポレーションを経てフリーに。ダンス関係を中心に執筆。盆踊りからフラメンコまで... 詳しく見る 表現の世界に直結する「著作権法」の面白さ 橋本 町田さんはさまざまなメディアで、著作権に関する啓蒙活動を行なっていらっしゃいます。そもそも、なぜ著作権に興味を持たれたのですか
——まずは作品制作のいきさつについて教えてください。 青柳 ある日、僕の公式サイト経由で突然メールをいただいて。どこかで見たことのある名前だなと思いつつ読み進めたら「フィギュアスケートの振付をしつつ大学で教えている者ですが……」と書いてあるので、えっ、あの町田さん!?とびっくりしたのが率直な感想です。口笛とのコラボ作品をつくりたいというお話で、戸惑いと驚きと嬉しさが入り混じって、ものすごくビビりながら返信しました。 町田 制作陣と共にさまざまな口笛の演奏を聴き比べたのですが、(青柳)呂武さんの演奏はメロディアスで情感がこもり、フィギュアスケートにいちばん合うと感じてご連絡しました。すぐにお返事をいただけて嬉しかったです。直接お会いしたのは今年の初めでしたね。 青柳 はい。カフェで待ち合わせて、企画を説明していただきました。 町田 アイディアのもとになったスヌーピーのアニメでは、口笛の伴奏と
3月28日に71歳で亡くなった坂本龍一さん。自身の葬儀のために編集していたプレイリスト「Funeral」が公開されました。バロック、ジャズ、生前のコラボレーターの作品など、さまざまなジャンルから選曲されていますが、その中でも目を引くのは全33曲中14曲も選ばれているフランス音楽。東端哲也さんが、坂本さんのその作品への発言なども引用しながら解説してくれました。
クラシックコンサートやオペラに出かけてみたいけど、何を着ていったらいい? そんな悩みに答えるべく、ONTOMOはコンサートホールや劇場の広報担当の皆さんにアンケートを実施! 実はぜんぜん堅苦しくない、リアルなドレスコードを教えていただきました。着ていく服をばっちり決めて、さりげなくクロークも利用すれば、快適な音楽観賞・観劇が待っています。
歴代最長となる70年にわたって君臨してきたエリザベス女王が9月8日、96歳の生涯を閉じました。19日には、ロンドンのウェストミンスター寺院で国葬が執り行なわれます。この国葬や戴冠式をはじめ、王室の重要な行事の音楽を作曲する「王室音楽師範」という役職が英国王室にはあり、これまで多くのクラシック音楽の作曲家がこの名誉職を担ってきました。この記事ではエリザベス女王の少女時代までさかのぼり、女王の生涯を彩ってきたクラシックの名曲の数々をご紹介します。
2018年にハロー!プロジェクト(略称ハロプロ)から生まれた12人組のグループBEYOOOOONDS。この3月にリリースされた3rdシングル『英雄〜笑ってショパン先輩〜』は、なんとショパンの《英雄ポロネーズ》がベースになっていて、一度聴いたら忘れられない、かつ中毒性のあるいわゆる“スルメ曲”。 ここでグランドピアノを弾きこなし、《英雄ポロネーズ》の各フレーズを見事に披露してくれているのが小林萌花(ほのか)さん。なんと音大でピアノを学んでいる現役の大学4年生だという小林さんに興味を持った私、室田尚子。 早速、小林萌花、愛称「ほのぴ」の“音楽家のタネ”を探りに行ってまいりました。教えて、ほのぴ♪
音楽プロデューサーの野崎洋子さんが、北欧・ケルトの音楽や取り巻く文化をガイドする連載。第10回の題材は、神秘的なアニメーションと透明感のある音楽で話題性が高まっているアイルランドの映画。そのケルト三部作を、10月30日公開の最終章『ウルフウォーカー』を中心に、音楽とともに紐解きます。
アルゼンチン出身の作曲家アストル・ピアソラ(1921~1992)は、2021年に生誕100周年、2022年に没後30周年を迎えます。 その節目である11、12月に、2枚のアルバム——チェロ奏者・宮田大の『Piazzolla』、原田慶太楼指揮・NHK交響楽団がバンドネオン協奏曲《アコンカグア》を収録した『Aconcagua(アコンカグア)〜ピアソラ、ファリャ、ヒナステラ、グアルニエリ』がリリース。そして、その両方にバンドネオン奏者の三浦一馬が参加しています。 前編では、CD収録に熱量高く取り組まれた3名に、ピアソラ作品にどう向き合ったか、独特の編成のためのアレンジの方向性、N響とのやりとりなど、収録裏話を語っていただきました。
左上:第1位のBruce (Xiaoyu) Liu、左下:第2位のAlexander Gadjiev、右上:第2位の反田恭平、右下:第3位のMartín García García 写真提供:ポーランド国立ショパン研究所
第18回ショパン国際ピアノコンクールのセミ・ファイナリスト、角野隼斗。会場のワルシャワ・フィルハーモニーホールで取材中の高坂はる香さんが、20分にわたってインタビューし、コンクールで変わったと感じた弾き方や、この大舞台に出場した理由などを伺いました。
予備予選:7月12日~23日 ステージ1:10月3日~7日 ステージ2:10月9日~12日 ステージ3:10月14日~16日 ファイナル:10月18日~20日
第17回ショパン国際ピアノコンクール本選より(2015年10月15日) ©Wojciech Grzedzinski 写真提供:ポーランド国立ショパン研究所 2021年7月12日、ついに第18回ショパン国際ピアノコンクール予備予選がスタートしました。1年の延期を経て、満を持しての開催となった5年に一度のショパンコンクール。 予備予選はすべてYouTubeでライブ配信され、アーカイブも残っているので、こちらのページでは演奏者と配信リンクを一覧にしました。予備予選通過者は太字で記載しています。 連載「じっくりショパコン」では、今回の審査委員長カタリーナ・ポポヴァ=ズィドロンをはじめ、審査委員へのインタビューで、「ショパンらしい演奏とは何か」「コンクールでどのようなピアニストを求めているか」などを深堀り! ぜひ配信を見ながら読んでみてください。 課題曲や審査の流れについては、「ショパン国際ピアノコ
音楽を怖がってください。『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』……巨匠キューブリックが愛した恐怖クラシック 「別に怖い音楽を書いたわけじゃないんだけどね?」という作曲家たちの声が聞こえてきそう。なぜか、ホラー映画御用達の現代音楽。巨匠キューブリックは、バルトークやリゲティ、ペンデレツキといった作曲家を愛し、偏執的に映画の中で用いました。とっつきにくいと思われがちな現代音楽、こうなったら「怖がる」楽しみ方はいかがですか⁉ キューブリック・ファンに嬉しいプレイリスト付きでご紹介します。
3月の寒空の下、長く連なる2万人の葬列の先にある棺に納められているのは、国王でも政治家でもありません。1人の音楽家、今となっては世界でもっとも有名な「楽聖」であるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンでした。 当時のウィーン市民のじつに14人に1人が参列したと記録されているベートーヴェンの死は当時の一般市民にとって、そして、ベートーヴェンを身近に感じていた人にとってどんな意味をもっていたのでしょうか? 『ベートーヴェン捏造 ―名プロデューサーは嘘をつく―』(柏書房)の著作が話題の、かげはら史帆さんが描き出す、19世紀の社会と音楽の関わりにまつわる歴史の1ページをお楽しみください。
ついに、ウィーン・フィルが来日した。 11月4日(水)17時より、到着地の福岡で、「ウィーン・フィルハーモニー ウィーン イン・ジャパン2020」の主催者サントリーホールによるオンライン記者会見がおこなわれ、ダニエル・フロシャウアー楽団長、ミヒャエル・ブラーデラー事務局長が出席し、今回の来日に至るまでの経緯、PCR検査の徹底と感染症対策の内容、そして来日公演に寄せる抱負が述べられた。 ロックダウン後の6月から演奏活動を再開したウィーン・フィルが、公演ごとに毎回検査をおこなってからステージに立っていること、夏のザルツブルク音楽祭では7万6千枚のチケットが販売され、楽団員は、のべ750回もの検査を実施し、すべてが陰性だったこと、今回の来日を控えた先週だけでも4回もの検査をおこなっていたこと、出発前日に判明した1名の無症状陽性者と接触者を除外し、全員が健康な状態を確認したうえで来日したことが、明
とりわけ藤井聡太が世間を賑わすたびに、各種メディアに引っ張りだこ。Twitterのフォロワーは18万人を超え、将棋という枠や世代を問わずに親しまれ、尊敬されている唯一無二の存在であることは皆さま御存知の通りである。 14歳7か月でプロ棋士となり、18歳3か月でA級八段、20歳3ヶ月で名人挑戦……と、加藤がモーツァルトに匹敵するほどの神童であったことは疑いようがない。歴代最強の棋士との呼び声もある大山康晴(1923~1992)をして「大神武以来の天才」「加藤一二三は大天才である」と、これ以上ないほどの最大級の賛辞を惜しまなかったほどなのだから。 しかしながら、早世してしまったモーツァルトと大きく違うのは、長く天才であり続けたこと。「神童も二十歳過ぎれば、ただのひと」という言葉もあるように、持って生まれた才能だけで60年以上にわたって第一線で活躍し続けることなど不可能だろう。 長いプロ棋士生活
皆さんはラ・プティット・バンドという団体をご存知でしょうか? 古楽復興運動のパイオニアの一人、ヴァイオリニストのシギスヴァルト・クイケンが立ち上げたベルギーの名門古楽オーケストラです。 多くの若手古楽器奏者がそこで演奏し実力をつけ、巣立っていきました。例えるならば、ラ・プティット・バンドは老舗のお寿司屋さん。多くの板前さんが憧れて弟子入りし、そこで修行を積み、将来的には自分のお店を構えるために独立する、と言ったような感じでしょうか。 ところで、シギスヴァルト・クイケンの残した功績は? 一言で答えるならば、現在、古楽のヴァイオリン奏法として一般的な「顎当てなし(チン・オフ)で演奏を始めた人」です。そんな彼へのインタビューです。 ——顎当てなし(チン・オフ)で演奏し始めたきっかけを聞かせてください。 クイケン 私がチン・オフで演奏し始めたのは、私が20歳、1969年ごろだったと思います。その当
かげはら史帆さんが本を「音楽」から読み解く連載。第3回は初のノンフィクションを取り上げます。暴力団関連の潜入ルポで知られるベストセラー・ライターが、とあるきっかけでピアノを習うことに。数多の「ヤクザ」を取材し、その身を置いてきた筆者の眼に映る「音楽の世界」とは?
先日、NHK総合テレビで放送されているクイズバラエティ番組「チコちゃんに叱られる」を見ていると、お題に「年末にベートーヴェンの第九を演奏するのはなぜ?」というものが出た。 筆者は以前交響曲第9番(以下、第九)を演奏する際に調べていたので、オーケストラ団員の年末かき入れのためということは知っていた。もとの理由はそうであるにせよ、ここまで続くのはやはりベートーヴェンの曲の力である。 そういった理由で年末によく演奏される第九は、歌唱部分は4人のソリストと4声の合唱からなっている。はっきりいってソリストよりも合唱がメインで、演奏を聴いても合唱部分に圧倒され、感動させられる。日本での第九の初演は諸説あるし、どの形式のものが初演かなどと議論を呼んでいるが、約90年もの間、日本人に親しまれてきた演目だ。 私は2001年から2014年の13年間ドイツに留学していたが、その間に第九の演奏に関わることは1度も
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