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(霧山昴) 著者 竹内 浩史 、 出版 LABO 弁護士を16年間したあと、2003年4月から今も裁判官をつとめている著者が裁判所の内情をつぶさに明らかにしている本です。 16年間の弁護士生活のなかでは市民オンブズマン活動にいそしみ、情報公開請求も取り組みました。そして青法協(青年法律家協会)の会員であり、愛知県支部の事務局長を5年間つとめました。 裁判官になってからは、実名を出して「弁護士任官どどいつ」というブログを20年間続けています。裁判官が実名でSNS発信しているのは先日、不当にも罷免された岡口基一元判事と2人だけでした。もう1人だけ匿名で発信している若い裁判官がいるそうです。「駆け出し裁判官nonの裁判取説」です。 著者が大分地裁につとめていたとき、村上正敏所長に呼びつけられ、ブログをしていることについて「査問」されたとのことです。この村上所長は、著者が異論を述べると、あとで「君
著者 有馬 哲夫 、 出版 文春新書 児玉誉士夫と聞くと、戦前は帝国陸軍のスパイの親玉として中国大陸でさんざん悪いことをして巨財を成し、戦後はその巨財をもとに自民党を背後で操っていた薄汚い右翼の黒幕というイメージがあります。果たして、その実体はどうだったのか、興味深く読みすすめました。 児玉の最終学歴は商業学校の夜間部に2年通っていたこと。児玉は1929年、赤尾敏の主宰する国粋主義団体「建国会」に入り、青年部の部長になる。昭和天皇の車に駆け寄って直訴状をつき出し、懲役6ヶ月の刑を宣告されて下獄した。その後、1931年5月には大蔵大臣爆破事件に関わり、懲役4回月の実刑も受けた。その後もクーデター未遂などで刑務所に入っていて、1937年4月に出所してきた。そして、中国大陸に工作員として派遣された。 中国における児玉機関が秘密工作をするときには、三井物産、王子製紙、東洋綿花など、三井財閥系の
(霧山昴) 著者 郷路 征記 、 出版 花伝社 統一協会(教会ではありません)と35年にわたって対峙・対決してきた著者が安倍元首相を殺害した山上容疑者の母親の置かれている状況を深く深く突っ込んで解説しています。これを読むだけでも、この800円の小冊子(ブックレット)を読んだ甲斐は十分にあります。 統一協会が対象とする人は次の3条件を備えている人。その1、預貯金が100万円以下の人は誘わない。お金のない人を誘うのはムダなこと。目標は100億円の預貯金のある金持ちをゲットすること。その2、素直な人に限る。何事も疑ってかかる人はコスパが悪い。その3、宗教心があること。あの世を全然信じないような人はダメ。占いを信じる人ならOK。 印鑑販売に始まり、氏名判断をする。このときのトークは、運勢があなたの人生に影響している。先祖の悪霊が家系を通じて、あなたの不幸につながっている、というもの。霊界や因縁の話
著者:手塚 英孝、 発行:新日本出版社 『蟹工船』ブームは単なる一過性のものではなく、現代日本の病根を反映したものとして、幸か不幸か、まだまだ続きそうです。 小林多喜二が小樽高等商業学校で第二外国語にフランス語を選択し、フランス語劇としてメーテルリンクの「青い鳥」に山羊に扮して出演したこと、このフランス語劇が一番人気をとったことを初めて知りました。私も大学でフランス語を第二外国語でとりました。そのころはストライキに入って授業もなくなっていましたし、外国語劇というのもありませんでした。ちなみに舛添要一厚労大臣は私と同じクラスで、そのころから右翼でした。弁護士になって、八王子セミナーハウスでのフランス語強化合宿に参加したとき、フランス語劇に出演したことがあります。このとき、私はセリフ覚えが悪くて、とても役者には向かないことを実感させられました。 小林多喜二と芥川龍之介とは同じ時期の作家だったの
著者:全国原理運動被害者父母の会、出版社:れんが書房新社 勝共連合が大学内で活発に活動していたというのは昔の話だと思っていましたが、どうやら違うようです。教祖の文鮮明はソ連のゴルバチョフや北朝鮮の金日成とにこやかに握手したり、今や反共の闘士でもなく、アメリカで脱税して刑務所に入っていたような典型的な詐欺師だと思うのですが・・・。 この本によると、なんと、原理運動にのめりこむ学生が九州で増えているというのです。オウム真理教と同じで、悩める学生に巧妙に近づいて欺しているようです。 九州ブロックの統一協会の学生信者数は、ここ数年で何倍にもふくれあがっている。全国的に信者は大幅な増加傾向にある。ええっ、そうなんですか・・・。信じられません。 統一協会は40年にわたってマインドコントロールを続けているので、とても巧妙だ。時代とともにマインドコントロールの方法も変えている。 統一協会に入信しやすいタイ
著者 高野 隆・松山 馨ほか 、 出版 現代人文社 「本庄保険金殺人事件」の真相、をサブタイトルとする本です。 八木茂被告人に対する死刑判決は誤りだと訴える弁護人による本です。この本を読むと、たしかに、弁護人の言い分はなるほど、もっともだと思わせる主張です。 共犯者の主張(自白)で、私がもっともおかしいと思ったのは、トリカブトで毒殺した被害者の体を洗って、死後硬直した遺体に革ジャンバーを着せたというところです。両手を広げたマネキン人形に革ジャンバーを着せることは不可能です。そして、死体を川に放り込んだあと、「遺体捜索」として、「放り込んだ」地点よりも上流部分を「探した」というのです。これは、まるでマンガです。常識的にみて、ありえないことが書かれた「自白」は、疑うしかありません。 しかし、裁判所は証拠を何も見ていない世間が有罪だという判定をしているなかで無罪にする勇気はありません。そこに
著者 久芳 崇 、 出版 吉川弘文館 実に面白い、知的興奮を覚えさせる本でした。 なにしろ、秀吉の朝鮮出兵のとき、数千人もの日本兵が捕虜となって中国大陸に連れ去られ、一部は中国皇帝の前に引き出されて公開処刑の対象となったものの、その大半は中国軍に組み込まれて、鉄砲隊として反乱軍退治などに活躍したというのです。しかも、長篠の戦いで輪番による鉄砲の連続一斉射撃(三段撃ち)がなされたという従来の通説に対して、現実には技術的にそんなことはありえないという最近の有力説を覆すような中国の兵法書が紹介されています。そこに載っている三段撃ちの図解を見て、腰が抜けそうになりました。 中国の史料によると、鉄砲の輪番射撃の戦術が、日本では少なくとも16世紀末の時点で存在していたこと、朝鮮の役の後に中国・明王朝に伝播していたことがうかがえる。 朝鮮の役において、数千人をこえる日本兵捕虜(降倭)が発生
著者:ロバート・ジェラテリー、出版社:みすず書房 ヒトラー独裁といっても、それは多くのドイツ国民の最後までの支持なしにはありえなかったし、ドイツ国民は強制収容所の存在、そして、そこでの囚人虐待を知っていたという本です。ドイツ国民は何も知らなかったという従来の通説とは異なりますが、当時のマスコミ報道をふくめて資料を丹念に掘り起こしていますから、説得力があります。目を背けてはいけない事実です。 いま日本で、75歳の人が後期高齢者として保険料の年金からの天引きそして医療費の大幅な制限が始まり、多くの人が怒っています。でも、それを決めたのは小泉元首相でした。小泉フィーバーに乗っていた人々が、いま手痛いシッペ返しをくらっているとも言える事態です。スケールは断然違いますが、事の大小はともかくとして、ドイツでも日本でも、本質的には似たようなものだと私は思いますが、いかがでしょうか。 ヒトラーが1933年
著者 ポリー・トインビー、デイヴィッド・ウォーカー、 出版 東洋経済新報社 イギリスについて書かれた本です。初めにイギリスの富裕層の暮らしぶりの一端が紹介されます。 3675万円の時計、94万円のショール、60万円のバッグなどの広告が富裕層向けの新聞広告にあるそうです。買う人がいるわけです。 1997年に労働党が政権についてから、上位10%のもつ個人資産が全体に占める割合は、47%から54%に増えた。 イギリスとアメリカでは、親が裕福だと子どもも裕福になる傾向にある。 1979年、サッチャー政権は誕生すると同時に、所得税の最高税率を83%から60%へ引き下げた。1988年にはさらに40%へ下げられた。 イギリスの億万長者54人の資産合計は18兆9000億円であるのにもかかわらず、所得税として納めたのは、わずか22億円ほどでしかない。うち32人は所得税をまったく納めていない。高額所得者たちに
日弁連委員会ニュース(2月1日号)に、争いのない強盗殺人事件での裁判員模擬裁判において、裁判員の衝撃的な発言が紹介されています(鍛冶伸明弁護士)。 長いあいだ法曹三者において常識としてきたことが通じないというのです。なるほどと思いましたので、紹介します。(な) 「これまでの一般的な情状弁護にやり方では通用しないことが明らかになった。 本事件の被告は、事件当時21歳であり、前科もありません。また、事件については深く反省している。この場合、弁護人としては、最終弁論で、『被告人は反省している。若年で、前科もない』と指摘する。裁判官が被告人に有利な事情として考慮してくれたはず。 弁護人は、最終弁論において、これらの事情を酌量減軽すべき事情のひとつとして当然のように指摘した。評議では、裁判官もこの点を取上げて、『若いし、前科もないのだから、酌量減軽すべき』と述べていた。 しかし、ある裁判員は、『前科
札幌高裁・東京地裁(二次)判決を受け、直ちに、すべての人にとって平等な婚姻制度の実現を求める会長声明 1 同性間の婚姻ができない現在の婚姻に関する民法及び戸籍法の諸規定(以下「本件諸規定」という。)の違憲性を問う一連の裁判において、2024年3月14日、札幌高等裁判所及び東京地方裁判所において、判決が出された。 一連の訴訟は、札幌・東京(一次・二次)・名古屋・大阪・福岡の各地裁で提訴され、東京二次訴訟を除き、地裁レベルの判決が出され、いずれも原告側が控訴していたところ、今回の札幌高裁の判決は、高裁における初の判断である。また東京地裁は、二次訴訟についての判決であり、これをもって全ての地裁の判断が出そろったこととなる。 2 札幌高裁判決は、これまでの一連の判決からさらに踏み込んだ、極めて画期的なものであった。 札幌高裁判決は、本件諸規定は、憲法24条及び14条1項に違反するとした。 同判決は
2024.05.31改正公益通報者保護法に関する研修会開催のお知らせ2024.05.24令和6年度役員就任記念講演会「~未来を奪う教育~教育虐待を考える」2024.05.22弁護士による行政ホットライン(2024年度第1回)2024.05.19憲法週間無料相談会のお知らせ2024.05.17養育費・ひとり親110番(弁護士による無料相談・2024年5月)2024.05.09LGBT無料電話法律相談(5月)2024.05.04【子どもの人権110番】相談中止のお知らせ2024.04.18弁護士による行政ホットライン(2023年度第12回)2024.04.18市民とともに考える憲法講座 第十二弾「戦禍のガザ地区に平和を!日本の私たちは何ができるのか?」2024.04.16よりそい弁護士制度開始のお知らせ2024.04.11LGBT無料電話法律相談(4月)2024.04.01令和6年4月1日から
著者:福田誠治、出版社:朝日新聞社 フィンランド教育の成功というサブタイトルがついています。いやー、実に良い教育ですよ。こんなに伸び伸びとした教育を受けることができたら、本当にどの子もすくすくと学力が伸びると思いますね。今の日本では全国どこでも中高一貫の学校がもてはやされていますけれど、私は大いに疑問です。なにより、それがうまくいったとしても、格差を拡大させるばかりで、日本社会は現在のアメリカ社会のように暴力が横行する、すさんだ社会になってしまうでしょう。それも私は心配です。 世界学力調査でフィンランドはずっと世界一位を誇っています。この本は、人口500万人の小国フィンランドが教育の力によって世界のIT産業の先端にいる秘密を探っています。フィンランドの面積は日本とほとんど同じで、宗教はルター派キリスト教徒が85%。 フィンランドでは高校間格差はほとんどないので、たいてい地元の学校に進
(霧山昴) 著者 アブドゥル ラザク・グルナ 、 出版 白水社 私と同世代で、2021年のノーベル文学賞を受賞した作家です。 アフリカ東部のタンザニア(旧ザンジバル)に生まれ、1964年の革命騒動で、イギリスに渡り、大学に入りました。 解説によると、グルナの作品は美しく簡潔な文体でつづられるとのこと。 主人公は12歳の少年ユスフ。苦境に陥った父親の借金のかたとして、大商人アズィズに引き渡され、アフリカ内陸奥地に向かう隊商に加って働くのです。ユスフが18歳になるまでに体験する出来事が語られていきます。 ユスフというの旧約聖書のヨセフであり、コーランの預言者ユースフの話が下敷きになっている。この小説の舞台は20世紀初頭のドイツ領東アフリカ(タンガニーカ)。アズィズの隊商は、ベルギー領コンゴ東部を目指す。隊商にはインド人の資本が提供されている。また、既に廃止されたとはいえ、奴隷の身分が残存してい
著者:週刊金曜日、出版社:別冊ブックレット 電通はクライアントを3つに分けている。まずは広告売上げが年に100億円をこえる企業。トヨタ自動車(年に1000億円)、松下電器産業、花王、NTT。これらの企業のためには電通はエース級の社員でチームをつくり、全社をあげて取りくむ。 次のランクは、大塚製薬、明治乳業、三共製薬、KDDIなどの中堅どころの企業。このランクがもっとも層が厚い。落としても代わりの社を取れば問題なしという扱い。 最後のランクは、いつ関係が途切れるかわからない会社。電通は粗利を支えるため、ためらうことなく引き受ける。 テレビ局にとっては電通が最優先。スポンサーが降りたりして空きが出ると、テレビ局は、まずは電通用にスポット枠をとっておく。 田原総一朗の妻が死んだとき、そのお通夜の葬儀委員長は電通の成田豊会長だった。 小泉首相にワン・フレーズ・ポリティックスをアドバイス
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