« previous | メイン | next » May 30, 2022 第75回カンヌ国際映画祭報告︵6︶カンヌ国際映画祭受賞結果を巡ってーー﹁映画﹂は抹殺された [ cinema ] 第75回カンヌ国際映画祭が28日に閉幕した。審査員とプレスの評価が一致しないのは当然のことだが、今年の受賞結果はイエジー・スコリモフスキ﹃EO﹄を除くと醜悪極まりないものとなった。前作﹃ザ・スクエア 思いやりの聖域﹄に続き、リューベン・オストルンド﹃Triangle of Sadness﹄に二回目のパルムドールが授与されたのだ。一度となく二度までも、凡庸な過激さとわかりやすい悪趣味で冷笑主義的なオストルンド作品が受賞するとは、コロナ禍での映画産業の危機が叫ばれるなか、﹁映画﹂の危機と言わざるを得ない。今年は複数のパルムドール受賞者︵オストルンド、是枝、ムンジウ、ダルデンヌ︶がノミネートされていた。その