![「ブルシット・ジョブ」著者が遺作で切り込んだ相手](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7d725637d9ebd3437e79b0598b4065a3814a5396/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F4%2F1200w%2Fimg_b4a24e92d16afec0d8193799e718f3f2342918.jpg)
移民をどう考えるか: グローバルに学ぶ入門書 作者:カリド・コーザー 勁草書房 Amazon 一昨日の『福祉国家』、そして昨日の『ポピュリズム』に並んで、オックスフォードのVery Short Introduction シリーズの邦訳書を紹介するシリーズ第三弾。今回は『移民』だ。……とはいえ、前著二つが「人文学」的というか「思想」的であって読み応えや紹介のし甲斐があったのに比べて、『移民をどう考えるか:グローバルに学ぶ入門書』はかなり社会科学的というか、事実が淡々と並べられているという趣の強い本なので(それ自体が悪いというわけではない)、今回の紹介記事も淡々と短くなります。 本書のなかでももっとも意外でタメになったのは下記の箇所。 オックスフォード大学の社会学者であるアンソニー・ヒース教授は、この問題に関する幅広い国際的な比較分析をさまざまな研究者たちとともに実施し、「エスニック・ペナルテ
科学にとって意識ほど難物なものはあるまい。赤いリンゴを見たときの、あの「赤い感じ」はどのようにして生じるのか。身体を所有し、自由意志によって行動をコントロールする、この「私」とは何なのか。意識のそうした主観的な性質は、客観的な記述を旨とする科学的説明を寄せつけないように思われる。 そのように、意識の科学の道のりはきわめて険しい。だが、この30年ほど、その科学はこれまでにない前進を遂げてきたし、ときにはハッとするような理論も提案してきた。神経科学者のアニル・セスもまた、そうした前進に寄与するとともに、非常にユニークな意識の理論を展開している。 先に手の内を明かしてしまおう。セスは意識を「制御された幻覚(controlled hallucination)」だと考えている。「赤い感じ」や「私」など、いまここに立ち現れているこれが「幻覚」だというのだから、そのアイデアはセンセーショナルだと言えるだ
傷跡から血が滲み出ているような一冊だ。 読み終えた後もずっと「凄いものを読んだ」という余韻が消えない。早くも今年のベスト級の一冊に出会ってしまった。本書は当事者ノンフィクションの傑作である。 著者は「修復的司法」の研究者である。修復的司法というのは、1970年代に欧米を中心に広まった紛争解決のアプローチで、従来の刑事司法では、国家が犯罪者を処罰することで問題を解決しようとするのに対し、修復的司法は、被害者と加害者の対話を中心に置き問題解決を目指す。 著者には性暴力の被害にあった過去がある。修復的司法の研究者を志したのも、自らの被害体験と深くつながっているからだった。そして、これがとても重要かつ繊細な機微をはらんだポイントなのだが、被害者だからこそ、加害者との対話に興味を持った。 だが当事者であることを著者はずっと明かせなかった。なぜならカミングアウトすれば「加害者との対話を望む被害者」と単
『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章(上・下)』(ルトガー・ブレグマン:著、野中香方子:訳/文藝春秋) 「わたしの人間観を、一新してくれた本」――世界的なベストセラー『サピエンス全史』の著者・ユヴァル・ノア・ハラリ氏の賛辞が目を引く『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章(上・下)』(ルトガー・ブレグマン:著、野中香方子:訳/文藝春秋)。オランダの歴史家・ジャーナリストによる本書は本国オランダで25万部突破のベストセラーを記録し、世界46カ国での翻訳が決定。日本でも「邦訳が待ちきれない! 2020年ベスト10洋書」(WIRED日本版)に選出されるなど早くから期待されてきた一冊だ。 本書のテーマはズバリ「性善説」。人間の本性は基本的に「善」であるとする考え方だが、実は近現代の社会思想は逆の「性悪説」で動いてきた(そもそもキリスト教に
資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来 作者:ブランコ・ミラノヴィッチ みすず書房 Amazon 『資本主義だけ残った』では、アメリカを代表とする「リベラル能力資本主義」と中国を代表とする「政治資本主義」、現代の社会に存在するふたつの形の資本主義を比較しながら、それぞれの成り立ちや特徴や未来予想図が論じられたりする。 先日に紹介した『自由の命運』や、あるいはフランシス・フクヤマの一連の著作など、英語圏で出版される経済史や文明論では「リベラルで民主主義的な社会は、抑圧的な社会や権威主義的な社会より正しくて望ましい」という規範論が前提とされてしまいがちだ*1。そのために中国のような非民主主義的な国家の経済成長やその他の方面での躍進が予測できなかったり、「一過性のものであって、リベラルな民主主義に移行しない限りは崩壊するに決まっている」と願望込みの予測が述べられたりするようになってしま
「独自の因果律」を持っているから面白い人の紹介シリーズ。自衛隊のメンタル教官だった、下園先生(公式サイト)だ。ネット上にもいろいろ情報はあるし、書籍も出ているが、私が下園先生を知らない人に説明するならこういう内容で説明する、という観点でまとめる。 休み方は3種類ある、3つのR。Refresh(リフレッシュ)、Relax(リラックス)、Rest(レスト) ここにインタビューがある。2021.1.23現在、デザインが崩れている・・・。どうやらサービス停止しているらしい。しかも検索しても別のところに「3つのR」の切り口は出てこない。引用しておこう。 下園:1つ目は、Refresh(リフレッシュ)。人は何かに集中していると、知らず知らず追い詰められてしまいます。そんなときに、全く違うことをすると気分転換になり、気持ちがスカッとするでしょう。エネルギーがそこまで低下していなければ、このリフレッシュだ
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