戦前、内務省が検閲して発売頒布禁止︵発禁︶にした本など1327点を、国立国会図書館がデジタル画像で公開した。戦後、占領軍に接収されてアメリカに渡り、米国議会図書館︵LC︶が所蔵しているものだ。検閲官がチェックに使った正本で、傍線や書き込みから検閲の詳細がわかる。 国会図書館がLCと共同で、2012年度からデジタル化を進めてきた。今年3月に1327点を国会図書館デジタルコレクション﹁内務省検閲発禁図書﹂として公開。このうち、小林多喜二﹁蟹︵かに︶工船﹂改訂版︵1930年︶など、著作権消滅が確認できた約200点は国会図書館のウェブサイトで公開し、それ以外は館内限定公開とした。 東宝映画﹁ハワイ、マレー沖海戦﹂の脚本︵42年︶のように﹁検閲合格﹂印が押されたものもあるが、LCで現地調査した大滝則忠・前国会図書館長によると、大半が発禁や削除などの処分を受けたもの。検閲に使った正本のほか﹁検閲事務の
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