7月頃、﹁ヱヴァンゲリヲン新劇場版‥破 ﹂に関する原稿を書いたのですが、諸事情につき刊行されない運びとなったとのことなので、せっかくなのでウェブサイト上にアップしたいと思います。約8,000字です。 ■ ﹃ヱヴァンゲリヲン新劇場版﹄︵以下、﹃新エヴァ﹄と略す︶の総監督である庵野秀明は、いまから約三年前にあたる二〇〇六年の九月に、同作品を制作するにあたって﹁我々は再び、何を作ろうとしているのか?﹂と題された所信表明を公開している︵注1︶。そこでは次のように書かれていた。なぜいまエヴァの再映画化を手がけるのか。それは﹁疲弊しつつある日本のアニメーションを、未来へとつなげたいという願い。蔓延する閉塞感を打破したいという願い﹂を実現するためである。もちろん、いまさら十年以上も前の作品を映画化するのか、という思いはある。事実、﹁エヴァはもう古い、とも感じ﹂る。しかし、庵野はこうも断言している。﹁この