今から23年前の1998年8月7日、秋田地方裁判所において、あるひとつの住民集団訴訟が提起された。原告は、秋田県からは遠く離れた千葉県山武町︵現・山武市︶の住民24名。被告は、秋田県、秋田銀行、北都銀行、そして、秋田杉の需要拡大を目的に1982年に設立された第三セクター﹁秋田県木造住宅株式会社︵以下﹁県木住﹂︶﹂︵93年に経営再建を目的に、事業を子会社の﹁株式会社秋住︵以下﹁秋住﹂︶﹂に移譲。︶の取締役や監査役など元幹部15名に及ぶ非常に大掛かりな住民訴訟であった。 のちに﹁秋住事件﹂として長く語り継がれることになるこの住民訴訟は、提訴より遡ること8年、1990年より2年半ほどの間に、県木住が山武町に建築した建売住宅で、悉く地盤沈下や施工不良などの欠陥・不具合が発生し多大な損害を被ったとして、その購入者が共同で秋田県に対し総額7億円の損害賠償請求を行ったものである。 施工会社である県木住は