﹁弁証法﹂や﹁アウフヘーベン﹂といった哲学用語の基礎知識をおさらいするとともに、近代小説の雛形を作った﹁教養小説﹂の中でそれらの要素がどのように取り入れられているのか、現代小説との比較も交えて解説します! 2018/05/25 皆さんは年配の上司と会話している時に﹁弁証法﹂や﹁アウフヘーベン﹂という単語が出てきて当惑した経験はありませんか? そんな時、 ﹁確かに、この局面ですと弁証法的に考えることが重要ですよねー︵なにそれ?︶﹂ ﹁ああ、アウフヘーベンですね。よくわかります︵……ヨーロッパのお菓子かな?︶﹂ ……といったような、知ったかぶりの相槌をいれてしまってはいないでしょうか? ﹁弁証法﹂、﹁アウフヘーベン﹂、いずれも哲学用語なのですが、岩波文庫などを片手に西洋人文学の古典を議論し、教養を身につけることが“クール”だった昭和の時代には、知性をアピールするためにはこれらの哲学用語を使いこ