ブックマーク / rmaruy.hatenablog.com (6)
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思いどおりになんて育たない: 反ペアレンティングの科学 作者: アリソン・ゴプニック,渡会圭子,森口佑介 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2019/07/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私の一日は、2歳の娘を保育園に送り届けることから始まる。 布団から連れだして、朝ごはんを食べさせて、牛乳を飲み終わったら着替えさせ、靴下を履いて、靴もちゃんと履かせて、自転車に乗って、15分くらい漕いだら、はい、保育園についたよ、お父さん行ってくるよ、バイバイ。 そこにいたるまでには、いくつもの﹁イヤだよ!﹂﹁ダメ!﹂﹁○○ちゃんがやる!﹂が立ちはだかる。お気に入りの服︵目玉焼きの絵柄のTシャツ︶が洗濯中だったり、毎日のルーティン︵家の扉は全部自分で閉める︶を省略しようものなら、彼女の﹁怒り&悲しみスイッチ﹂が、いともたやすくオンしてしまう。もしくは、その日の気まぐれな要求︵﹃
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今月出た﹃在野研究ビギナーズ﹄を読んだ。大学や研究機関に籍を置かない14名の﹁在野﹂研究者たちが、自身の日々︵生活と研究の両立︶について、そして自身の研究観について綴った一冊。 ともかく著者たちは皆、腹が据わっている。自分のやりたいことが明確で、限られたリソースをフル活用して邁進している。この本を私は最高の自己啓発本として読んだ。 ﹃在野研究ビギナーズ﹄、自分にとって空前の自己啓発本かもしれない。自己肯定感、生活向上の具体的なTips、鳥肌立つアジテーション、立つべき位置を見定めるための高性能地図。章ごとに様々なものが差し出され、ことごとくポジティブ。希望が湧いてくる。研究するにせよ、しないにせよ。 — R. Maruyama (@rmaruy) September 6, 2019 著者たちの生き方に憧れるし、尊敬する。けれど、自分自身が﹁︵在野︶研究者﹂になりたいかというと、その希望はな
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ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論 作者: 小林晋平 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2018/12/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 私は大学では主に物理学を学んだのだが、﹁一般相対論﹂は4年間のカリキュラムの最後に出てくる﹁裏ボス﹂的存在だった。 ﹁ラスボス﹂ではなく﹁裏ボス﹂なのは、一般相対論は必修科目ではなく、講義自体も﹁紹介程度﹂のものだったからだ。とにかく一般相対論は難しい。そのうえ量子力学や統計力学などと違って、それ自体をその後の研究や仕事に使う学生は少ない。だから、物理学科のカリキュラムのなかでは実は扱いが小さい科目なのだ。 とは言っても、やはり一般相対論には特別な魅力がある。時間と空間が一体を成して歪んでいる? その時空の歪みこそが﹁重力﹂? ﹁ブラックホール﹂という天体の存在をも予言するらしい。そして、そんな常識
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あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 作者: キャシー・オニール,久保尚子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2018/06/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 原書タイトルは"Weapons of Math Destruction"。 ﹁大量破壊兵器﹂をもじった造語で、訳書本文中では﹁数学破壊兵器﹂と訳されている。﹁兵器﹂というワードに一瞬ぎょっとするが、いわゆるAI︵人工知能︶やビッグデータが社会や個人に与える悪影響を強調するために、あえて選ばれた言葉なのだろう。 AIの危険性については、今回のAIブーム開始直後から議論されてきたし、本もたくさん出た。最初は拡散していた論点も、だんだんと整理されてきている*1。 2016年末に、このテーマについてはブログに書いた。 この記事では、データを分析する側と、データ分析の影響を被る側の
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2018年のゴールデンウィーク最終日。 連休中にあれこれ考えていたことを、文章に残しておきたい。 考えていたのは、理工書の﹁良い企画﹂とは何か、について。 ※以下、主に備忘録用の、自分の仕事についてのちょっとしたメモです。多くの人には関係がないうえ、キャリアも何もない編集者が﹁編集者とは何か﹂を頭の中だけで考えて書いたような文章ですので、時間をとって読んでいただくようなものではないと思います︵連休中に終えるのが目標だったため、推敲もあまりできてません︶。ただ、ひょっとすると理工書の読み手にとっても、何かの思考のきっかけになる部分があるかもしれません。そのことを期待し、ここに載せます。 *** 考え始めるきっかけになったのは、先日の技術書典だった。技術書典にて、﹁技術書﹂という書籍のジャンルを改めて意識することになった。 考えてみれば、﹁技術書﹂と括られる本は、自分は数えるほどしか読んだこと
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数学がいまの数学になるまで 作者: Zvi Artstein,落合卓四郎,植野義明 出版社/メーカー: 丸善出版 発売日: 2018/03/30 メディア: 単行本︵ソフトカバー︶ この商品を含むブログを見る 人生で何度か、﹁数学は好き?﹂と聞かれたことがある。 そのたび、困ってしまう。 ﹁好きです﹂とは言えない。むしろ、ずっと苦手意識をもっていた。中学や高校での﹁問題が解けなかった経験﹂のせいだと思う。数学の問題で、どれだけ考えても答えが出せない。自分の頭の鈍さを思い知らされる。そんなことが続いて、数学は私にとって憂鬱な科目になってしまった。 でも、それと同時に、数学にはどこかしら惹かれるところもあった。初めて三角関数を習ったとき、あるいはlogxの微分が1/xになることを知ったときに味わった、少しだけ新しい世界が開けたような気分。その気分は、もしかしたら﹁好き﹂の萌芽だったかもしれな
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