︵1︶﹁学問﹂の意義 学問の意義は、人類の知的認識領域の拡大である。それは、個人の知的好奇心を満たすということを超えて、人類共有の知的財産の拡大を意味している。 学問には2つの効用がある。第1は、生活上の便宜と利得の増大である。第2は、自分を作り上げていくこと、確立していくこと、いわゆるBildungとしての教養であり、このような教養による人間形成を通じての社会の形成である。前者も後者も重要であるが、後者の効用を忘れてはならない。 ﹁科学﹂とは、人間が生きていくために必ずしも必要ではないけれども、人間活動の一部として大事と思われるものという意味での﹁文化﹂の一部である。これに対して﹁技術﹂とは、人間が生きていくのに必須のあらゆるものという意味での﹁文化﹂の一部である。 ﹁科学﹂を﹁文化﹂の一部として考えるならば、﹁科学﹂に対する支援というのは本来的にフィランソロピー︵慈善活動︶という性格を
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