政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は11日、最近の感染状況について「基本的な感染対策で乗り越えることは可能」として、「人々の行動制限は今の段階では必要ない」と指摘した。感染拡大傾向が続いていることに対しては「新たな波が今起きていることは間違いない」とも述べ、感染の「第7波」に入っているとの認識を示した。首相官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団の質問に答えた。 全国の新規感染者数は10日まで3日連続で5万人を超えるなど、直近の1週間は前週の約2倍に増加している。尾身氏は、感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型の「BA・5」への置き換わりが進んだことや、ワクチンの感染予防効果の低下などが増加の要因になっているとの見方を示したうえで「従来やってきた感染対策を徹底してほしい」と呼びかけた。