Amazonさんの﹁史上最大のセール﹂こと、Amazon Prime dayが7月15日にありました。このセール、セールといいつつ値引きが微妙な商品もありつつもTITANX 3Way SLIの超化け物PCが10万円などと目玉商品はそれこそビックリするような価格で出てきて非常に面白かったのでした。
そんななか、やはり目玉商品だったのが3Dプリンター ダヴィンチ Jr. 1.0。もとの販売価格が49800円のところ、なんと90%オフ!の4980えん!!実は販売価格は実際に販売される瞬間まで知らず、元の価格よりある程度安ければいいなーくらいの気持ちで参戦したのですが、驚きのセール価格で買えました。
で、実際に届いてみたらこれが良い!セール価格は当然のことながら、これ通常販売価格でもむっちゃ安い良いモノじゃないですか!!
3Dプリンタ欲しい欲しいと思いつつも今まで買ってなかった理由はシンプルに「買うのはいいけどどこに置こう…」だったわけですが、案の定ダヴィンチ Jr.さんも届いてみたらでかいでかい。箱で玄関が埋まってしまいました。説明書の手順通りに開梱し、運送中本体内の各種稼働部品を保護する各種保護材を取り外します。結構あちこちに保護材がついているので、横着せずに手順書を見ながらやるのがいいとおもいます。(そして手順書にないところにも保護材ついていたりしたので、電源入れる前によく本体内を見ましょう)
つぎに本体のファームウェアアップデート。メーカーのXYZプリンティングさんサイトから最新のソフトウェア(XYZware)をダウンロード・インストールし、プリンタをUSBで接続します。するとXYZware起動時に最新のファームウェアへ更新してくれます。(私の場合出荷時1.0.4→更新して1.0.5になりました)
と、ここで一回ハマったのですが
ファームウェアアップデート後、プリンタが再起動したところで謎のエラー!
何度電源を入れ直しても初期化後このエラー(モンダイ0052)になってしまい何もできない状態になってしまいました。
結論から言うとこのエラー、「エクストルーダーに繋がっているフラットケーブルが外れ(かけ)ていた」だったのですが、出荷時から特にそのあたりは触っておらず見た目も普通に刺さっていたため気づくのに時間がかかりました。ファームウェアアップデート直後にエラーが出たこともあり、初期不良またはアップデート失敗を疑いサポートにも電話したのですが(そしてサポートさんも「一度お預かりして調べます」とのことだったのですが)メーカーに送るために再度梱包している最中にフラットケーブルがぽろりと外れ発覚した(差し直してみたら動くようになった)という次第。「モンダイ0052」はFAQやマニュアルには書いてないのですが、エクストルーダーのケーブルが抜けているエラー、ということですね。
ひとまず動くようになったわけですが、次にハマったのが、Z軸の調整。
これはAmazonのレビューをあらかじめ見ていたので﹁ハマった﹂というより﹁あ、やっぱり調整要るな﹂という感じだったのではありますが。サンプルファイルを出力しようとすると、出荷状態の設定ではまったくフィラメントがプラットフォームに定着しませんでした。見ていると、ヘッド︵エクストルーダー︶が完全に空中に浮いてしまっている。というわけで、エクストルーダーの高さを微調整してあげる必要がありました。プリンタ本体のメニューからユーティリティ→Zオフセット︵メニューの位置はセッティング、ではない!︶の値を上下してちょうどよさそうな位置にしてあげます。マニュアルによると﹁推奨間隔は、約コピー用紙2枚をストレスなしで移動でき、6枚では入らない状態﹂とのことです。これ出荷時に最適な値を既に設定してある、という触れ込みなのですが実際はかなりずれてますので、初期設定は全く信用しないで試行錯誤するのがよいと思います。ただ、一回設定してしまえば非常に安定しますので調整するのは最初だけですね。
ここまで設定してしまえば、あとはフィラメントとデータをセットして︵プラットフォームにシート貼って︶スタートするだけ。
以前からほかの3Dプリンタでもじゃもじゃ大量生産しながら温度や細部の設定に四苦八苦している姿を見ていたのでそれなりの苦労を覚悟していたのですが、逆にビックリするほどあっさり綺麗に出力されてきました…!ふぉぉぉぉ!
このダヴィンチ Jr、XYZプリンティングさんの3Dプリンタの中で下位機種だけあって、フィラメントにPLAしか使えないといった制限はあるのですが、実際に現物を見てみるとかなり作りがしっかりしていてここまであっさり苦労なくプリントできるとなると定価(49800円)でも安いんじゃないでしょうか。そのあと、ThingiverseでArduino用のバンパーをダウンロードして出力してみましたが、これもそのままダウンロードしたファイルをXYZwareに突っ込んでそのままデフォルト設定で出力するだけで綺麗に出来上がってきました。サイズもぴったり。
格安の3Dプリンタであるにもかかわらず、SDカード内のファイルからの出力にも対応しています。これ、自分で使ってみるまであまりよく意味がわからなかったのですが、SDカードにデータを入れておけば3Dプリンタ単体で出力できるってことは、長時間の出力中PCをつけておく必要もなければPCの近くにプリンタを設置しておく必要もないってことなんですね。置き場所どうしよう、って考えているときにようやくその価値を理解しました。これは便利だ。
というわけで、﹁3Dプリンタ使ってみたいけどいろいろありすぎてしかもちゃんと使えるか︵出力できるか︶よくわからないしどうしよう﹂みたいな人︵わたしです︶への3Dプリンタ入門機として、このダヴィンチJr、本当にちょうどいいんじゃないでしょうか。
※補足。﹁細かく設定を調整しなくとも綺麗に出る﹂のはこの製品専用フィラメントそれぞれに最適な設定値が記録されている︵リールにNFCチップが内蔵されている︶から、という理由もありフィラメントは専用品を使う必要があります。とはいえ下にリンクを示したとおりさほど高いものでもなくAmazonで普通に買えますので、それこそ入門用としては深く考えずに使えるという意味でもちょうどいいのではないかとおもいます。
![]()