‘Adobe1-6’ タグのついている投稿

印刷データ→電子書籍で外字化が必要な文字のまとめ

2012/05/10

 以前のエントリーでDTPデータ内で使われているOpentypeグリフ字形(Adobe1-6)の一部が、電子書籍では外字画像にしないと表現できない問題について書かせていただきました。出版デジタル機構(pubridge)もいよいよ動き始め、実際に電子書籍を作るための環境づくりに入っている方も多いかと思いますので、印刷用DTPデータ→電子書籍で字形が変わってしまう文字についての現時点でのまとめをあらためて掲載しておきたく思います。電子書籍制作環境づくりのお役に立てていただければ幸いです。なお、検証に使用した環境はMac OS 10.7/InDesign CS5です。InDesign以外のアプリケーションでもAdobe1-6グリフ字形を呼び出せるインターフェースを持ったものであれば同様の字形変化が起きるものと思われます。

確実に外字化が必要になると思われる文字

CID/GID番号のみしか割り当てられていない文字

CID/GIDのみの文字(一部)

CID/GIDのみの文字(一部)

 UNICODE/Shift_JISInDesign700UNICODEInDesign1A

任意の合字(一部)

任意の合字(一部)

 InDesignOpenTypeInDesigndligafrcligaInDesign

現時点では外字化した方が無難と思われる文字

サロゲートペア領域の文字

サロゲートペア領域の文字(一部)

サロゲートペア領域の文字(一部)

 InDesignUnicode2xxxx25調303ATOKCJKBCJK21JIS3JIS4JIS使U+20B9FU+20BB7UnicodeXMDFEPUBEPUB3v1.028

外字にするかどうか出版社サイドの判断が必要になる文字

同じ文字コードに2つ以上の字形バリエーションが割り当てられている文字

旧字体(一部)

旧字体(一部)

 旧字体/エキスパート字形/すべての異体字/修飾字形 など、ひとつの文字コードに複数の字形が割り当てられ、InDesignなど対応アプリケーション内部から字形パレット等で呼び出していた文字です。これらに関しては以前のエントリーで詳しく書きましたのでそちらを参照していただければ幸いです。人名・地名等の固有名詞以外では問題になりにくいとは思いますが、一般に字形差がとても微細なため、目で追って確認するのが難しい文字群です。

フォントのバージョンによって字形の変わる可能性がある文字

JIS90字形の文字(一部)

JIS90字形の文字(一部)

 以前のエントリーでも少し触れましたが、Pr6/Pr5などJIS90字形を基準としたフォントを用いて作られたDTPデータを元データとして電子書籍を制作する場合に、JIS規格の例示字形の変化の影響で字形の変わる可能性のある文字が168文字あります(フォントによって変化に差があるようです)。こちらにも字形差が微細なため、目で追って確認するのが難しいものが多く含まれます。一点しんにょう→二点しんにょうへの例示字形変更なども行われたため、人名漢字などで問題になるパターンが多くありそうです。JIS90→JIS2004の例示字形変化について、詳しくはこちらをご参照ください。

ドットブック/XMDFなどで外字化が必要になる可能性のある文字

Shift_JISに割り当てがなく、UNICODEのみで使える文字

Unicodeのみの文字例(色つきのもの)

Unicodeのみの文字例(色つきのもの)

 Shift_JISUnicode使Shift_JIS使XMDFHTMLXMDFXMDFEPUB3UnicodeUTF-8



 OpenTypeBiblosDTP使DTPDTP

 稿

2012.5.11

「異体字」問題・その1

2012/03/30




「辺」の異体字

「辺」の異体字


InDesign12324Adobe1-6OpenTypeJIS78JIS8345


使InDesignIllustrator2
JIS
新旧「葛」の字形

新旧「葛」の字形


JISJIS2000JIS20041845BJISJISJIS2000JIS2004UNICODE IVS使2

1JIS2000JIS2004168JIS沿

OpenType

1http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070105/258134/
2 IVShttp://ivstpc.jp/default.htm

2012.3.30

プロフィール

Jun Tajima

Web
EPUB3