マジンガーZ対暗黒大将軍
1974年に公開された日本のアニメ映画
『マジンガーZ対暗黒大将軍』(マジンガーゼットたいあんこくだいしょうぐん 英文:Mazinger VS. Dark General[1])は、1974年7月25日に「東映まんがまつり」にて上映された日本のアニメーション映画作品。
マジンガーZ対暗黒大将軍 | |
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Mazinger VS. Dark General[1] | |
監督 | 西沢信孝(「演出」名義) |
脚本 | 高久進 |
原作 | 永井豪とダイナミックプロ |
製作 |
登石雋一 有賀健、籏野義文[2](企画) |
出演者 | 石丸博也、田中亮一 |
音楽 | 渡辺宙明 |
主題歌 | 水木一郎、コロムビアゆりかご会「空飛ぶマジンガーZ」 |
撮影 | 吉村次郎、相磯嘉雄 |
編集 | 千蔵豊 |
製作会社 | フジテレビ、東映 |
配給 | 東映 |
公開 | 1974年7月25日 |
上映時間 | 43分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
前作 | マジンガーZ対ドクターヘル |
次作 | グレートマジンガー対ゲッターロボ |
キャッチコピーは「テレビでは見られないグレートマジンガー」「七つの軍団を率いて暗黒大将軍の総攻撃が始まった」「ゆけ! マジンガーZ 戦え! グレートマジンガー」
概要
テレビアニメ﹃マジンガーZ﹄の映画オリジナル作品第2弾。本作では、次作﹃グレートマジンガー﹄より主人公・剣鉄也とグレートマジンガーをはじめとするキャラクターたちが登場しており、﹃マジンガーZ﹄のテレビ版最終回を先取りした展開となっている。
公開当時人気絶頂であったアイドルグループのフィンガー5にあやかり、この夏のまんがまつり興行は﹁フィンガー5と遊ぼう!東映まんがまつり﹂と銘打たれ、フィンガー5の出演映画﹃フィンガー5の大冒険﹄がメインに据えられる形で本作が組み込まれている。
グレートマジンガーの頭部の形状は講談社の﹁テレビマガジン﹂誌上で︵﹁マジンガーズクラブ﹂会員証のデザインとして︶いち早く紹介されていたものの名称までは明らかにされておらず、当時の児童はクライマックスに颯爽と現れたグレートの姿に衝撃を受けることとなった。これは、メディアミックスの走りともいうべき前代未聞の交代劇である。
なお、タイトルと裏腹にマジンガーZと暗黒大将軍が直接対決する場面は無い。また、予告編ではZと戦闘獣軍団が中心になり、グレートマジンガーはシルエットのみ登場する。
マジンガーZ側の支援ロボットは、前作﹃マジンガーZ対ドクターヘル﹄︵テレビブロウアップ版︶に引き続きボスボロットが登場するほか、劇場版で初めてダイアナンAが登場する。この後、ボスボロットは次作﹃グレートマジンガー対ゲッターロボ﹄にも登場するが、ダイアナンAは2年後の1976年夏興行作品﹃グレンダイザー ゲッターロボGグレートマジンガー 決戦!大海獣﹄まで登場しない。
ストーリー
ある日、世界各国の主要都市を謎の巨大ロボット群が襲撃する。それは、ミケーネ帝国の暗黒大将軍によって送り込まれた戦闘獣軍団の先発隊だった。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワを壊滅させたその魔の手は、日本にも伸びていた。東京への襲撃に際し、兜甲児はマジンガーZで出動するが、新たな敵・戦闘獣の攻撃力は機械獣を凌駕しており、大苦戦を強いられる。何とか敵を退けて首都の壊滅は食い止めたものの、マジンガーZが大ダメージを受けたうえに光子力研究所も襲撃されてダイアナンAは大破し、兜シローが生死をさまよう重傷を負ってしまう。シローへの大量輸血による最悪の体調の甲児と、修理できないまま再出撃したマジンガーZの前に、獣魔将軍率いる戦闘獣軍団が迫る。
死を覚悟した甲児の必死の防戦もむなしく、たちまち満身創痍と化したマジンガーZの窮地に、新たなる勇者グレートマジンガーが颯爽と現れる。
主な出演者
光子力研究所
科学要塞研究所
ミケーネ帝国
●暗黒大将軍‥小林清志[6]
●﹃グレートマジンガー﹄本編と異なり、ミケーネ帝国の支配者として扱われている。
●ゴーゴン大公‥加藤修
●﹃グレートマジンガー﹄本編と異なり、諜報軍が登場しないため、暗黒大将軍に忠誠心を見せる。マジンガーZに関する報告を怠っていたらしく、東京攻撃部隊が壊滅するまで暗黒大将軍はマジンガーZの存在を知らなかった。
●獣魔将軍‥内海賢二
●暗黒大将軍の片腕にして副官。七つの軍団の要素を持ち合わせた姿をしている。戦闘力はマジンガーZを軽くあしらうほど高く、﹁おもちゃのようなロボット﹂と酷評する。武器は手に持ったトマホークランサーや口から吐く大火炎のほか、体中に存在する七つの軍団の要素を持つパーツは、アイアンカッターをも容易に噛み砕く。
●マジンガーZ攻略の司令長官に任命され、七つの軍団の精鋭戦闘獣と共に戦闘不能寸前まで追い詰めるが、駆けつけたグレートマジンガーのグレートタイフーンで大火炎を返されたうえ、Zのマジンガーブレード︵グレートから貸し与えられた︶で串刺しにされ、最後はブレストファイヤーとブレストバーンを受けて焼け死ぬ。
登場した戦闘獣
()内は声を当てた声優。
- 対マジンガーZ
- 対グレートマジンガー
- 魚類型・アルギモン
- 鳥類型・オルピィ(富田耕生、加藤修)
- 猛獣型・ブルンガ
- 人間型[7]・バルマン
- 昆虫型・ワーダム
- 爬虫類型・グロスデン
- 対ボスボロット
- 悪霊型・ダンテ(野田圭一)
製作・スタッフ
- 製作:登石雋一、フジテレビ、東映
- 製作担当:茂呂清一
- 企画:有賀健、籏野義文[2]
- 原作:永井豪とダイナミックプロ
- 脚本:高久進
- 作画監督:角田紘一
- 美術監督:辻忠直
- 音楽:渡辺宙明
- 主題歌:
- 原画:奥山玲子、森英樹、木野達児、金山通弘、小田克也、阿部隆、小松原一男、森下圭介、小泉謙三、飯野酷、津野二郎
- 動画:小川明弘、小林敏明、坂野隆雄、服部照夫、薄田嘉信、田村晴夫、山田みよ、長沼寿美子、久保寺輝彦、白川忠志
- 撮影:吉村次郎、相磯嘉雄
- 背景:下川忠海、勝又激、柿沼雅人、新井寅雄、遠藤重義、杉本隆一
- トレース:奥西紀美子、五十嵐玲子、谷口恭子
- 彩色:増川千鶴子、藤沢邦子、鈴木邦子、宮城邦子
- セログラフ:冨永勲、林昭夫
- 検査:森田博、小鯨正豊
- 特殊効果:林富喜江、岡田良明
- 編集:千蔵豊
- 録音:池上伸照
- 効果:伊藤道広
- 記録:大橋千加子
- 演出助手:遠藤勇二
- 製作進行:佐伯雅久
- 録音スタジオ:タバック
- 現像:東映化学
- 演出:西沢信孝
主題歌・挿入歌
主題歌
- 「空飛ぶマジンガーZ」
- 作詞:高久進/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
- イントロ部は「東映マーク」(荒磯に波)の途中から入る。スタッフクレジット部では、『マジンガーZ』ファンから投稿されたイラストが掲載されている。
- 挿入歌としても使用。
挿入歌
- 「Zのテーマ」
- 作詞:小池一雄/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎
- 「わが友マジンガーZ」
- 作詞:土井信/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎
- 「おれはグレートマジンガー」[8]
- 作詞:小池一雄/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎
- 後半、グレートが出撃する場面で使用。TV版『グレートマジンガー』でも主題歌として使用されるが、本作ではバックコーラス(コロムビアゆりかご会)無しバージョンを使用。後の『グレート対ゲッター』でも使用される。
映像ソフト
●1985年6月21日に東映ビデオから﹃劇場版マジンガーシリーズ2﹄として﹃グレンダイザー ゲッターロボGグレートマジンガー 決戦!大海獣﹄とカップリングでVHSにて発売された。
●1992年3月25日に東映ビデオからレーザーディスクにて単巻発売される。
●2002年5月21日に東映ビデオから﹃マジンガーZ対デビルマン﹄から﹃グレンダイザー ゲッターロボGグレートマジンガー 決戦!大海獣﹄までを一括収録したDVD-BOX﹃マジンガー the MOVIE 永井豪スーパーロボットBOX﹄が発売された[9]。
●2003年5月21日に同じく東映ビデオから﹃マジンガーZ対デビルマン﹄とのセットで収録されたDVD﹃マジンガー the MOVIE 1﹄が発売された。
●2011年10月21日発売の﹃復刻!東映まんがまつり1973夏﹄に収録される。
●2012年10月21日発売のブルーレイ﹃マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973〜1976﹄に収録。(新たに疑似5.1ch化した音声を併録。)
●2013年12月6日発売のブルーレイ﹃マジンガー THE MOVIE vol.1﹄に﹃マジンガーZ対デビルマン﹄﹃グレートマジンガー対ゲッターロボ﹄と併せて収録。(これは﹃マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973〜1976﹄のBOXからDISC1を単巻でプライスダウン発売したもの[10]。)
併映作品
!作品名 | 原作 | (声の)出演 | 備考 |
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五人ライダー対キングダーク | 石森章太郎 | 速水亮、小林昭二、和田文夫 | 劇場用新作 |
フィンガー5の大冒険 | フィンガー5、石森章太郎一家 | ||
イナズマンF | 石森章太郎 | 伴直弥、上野山功一、安藤三男 | |
ゲッターロボ | 永井豪 石川賢 |
神谷明、山田俊司、西尾徳、富田耕生 | |
魔女っ子メグちゃん | 成田マキホ ひろみプロ |
吉田理保子、つかせのりこ、はせさん治、山口奈々、大竹宏 |
脚注
(一)^ ab﹁東映動画 長編アニメ大全集 下巻﹂︵徳間書店︶202頁 1978年
(二)^ ab画面クレジットは﹁旗野義文﹂。
(三)^ abTV版﹃グレートマジンガー﹄では、ヌケは加藤修、ムチャは緒方賢一がそれぞれ担当。この後﹃UFOロボ グレンダイザー﹄第14・31話でボスと共に再登場した際、ヌケとムチャの担当はそれぞれ富田と田の中に戻るが、映画ではムチャは﹃決戦!大海獣﹄まで緒方が担当、ヌケは﹃グレート対ゲッター﹄まで加藤が担当後、﹃決戦!大海獣﹄では鈴木泰明が担当する。
(四)^ TV版﹃グレートマジンガー﹄では野田圭一が担当。
(五)^ TV版﹃グレートマジンガー﹄では柴田秀勝が担当。
(六)^ TV版﹃マジンガーZ﹄︵最終回のみ︶では富田耕生、TV版﹃グレートマジンガー﹄では緒方賢一がそれぞれ担当。
(七)^ abTV版﹃グレートマジンガー﹄では﹁超人型﹂。
(八)^ 画面クレジットは﹁グレートマジンガー﹂
(九)^ ﹁DVD & VIDEO Selection﹂﹃宇宙船﹄Vol.100︵2002年5月号︶、朝日ソノラマ、2002年5月1日、102頁、雑誌コード‥01843-05。
(十)^ <東映まんがまつり>公開の﹁マジンガーZ﹂関連劇場版を収めた単巻Blu-ray2タイトルが同日発売
関連項目
●マジンガーZ
●グレートマジンガー
●マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍 - 本作のリメイク的なOVA作品。
●ロボットガールズZ - 第8・9話に暗黒大将軍をイメージした﹁暗黒大将軍子﹂が登場。また第7 - 9話ではゴーゴン大公と獣魔将軍も少女キャラクターになって登場。
●飛び出す立体映画イナズマン - 同年春の﹃まんがまつり﹄で公開。本作同様TVシリーズに先駆けて、新たな敵の登場と、それに伴うヒーロー側のパワーアップが行われている。