メタ
メタ︵meta-、 古希: μετὰ-) とは、以下の意味を持つ接頭辞である‥
一般的な意味
●﹁あとに﹂という意味の古代ギリシャ語の接頭辞[1]。
●転じて﹁超越した﹂、﹁高次の﹂という意味の接頭辞で[2]、ある学問や視点の外側にたって見る事を意味する[1]。
●﹁変化﹂を意味する接頭辞。例えば metamorphose︵変化︶、metabolism︵代謝︶などで用いられる[3]。
化学における意味
●ベンゼン環の2置換体の構造異性体のうち、2つの置換基が炭素原子1つをはさんでいるものにつける接頭辞[2]。
●同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、水和度の低いものにつける接頭辞[2]。
「ある学問や視点の外側にたって見る」の用例 編集
﹁ある学問や視点の外側にたって見る﹂という意味はアリストテレスの著書﹃メタピュシカ﹄︵形而上学︶に由来しており[1]、哲学では他にも﹁メタ倫理学﹂、﹁メタ哲学﹂等の用例がある。
数学基礎論や数理論理学では、数学や論理学を︵人工︶言語とみなした上で数学的手段を用いて研究としているので、研究対象たる﹁数学﹂や﹁論理学﹂のような﹁言語﹂と、それらの研究対象を研究するために用いる﹁数学﹂、﹁論理学﹂、﹁言語﹂を分けて考える必要があり、後者をそれぞれ﹁メタ数学﹂︵英: metamathematics、超数学とも訳される︶﹁メタ論理﹂、﹁メタ言語﹂と呼ぶ。またメタ数学やメタ言語等に関する概念には﹁メタ﹂という接頭辞を用い、例えばメタ数学の定理を研究対象の数学の定理と区別し、﹁メタ定理﹂︵英: metatheorem︶と呼ぶ。より一般に、これらの例のように何らかの理論︵上では﹁数学﹂や﹁論理学﹂︶を研究するための理論を一般に﹁メタ理論﹂と呼ぶ。
数理論理学をその始祖の一つとして持ち、人工言語たるプログラミング言語を研究対象の一つとして持つ計算機科学でも、﹁メタデータ﹂﹁メタプログラミング﹂﹁メタタグ﹂﹁メタヒューリスティクス﹂﹁メタ構文変数﹂﹁メタ検索エンジン﹂﹁メタファイル﹂﹁メタクラス﹂等の用例がある。
他にも﹁メタ認知﹂﹁メタ知識﹂﹁メタ記憶﹂﹁メタアナリシス﹂﹁メタデザイン﹂﹁メタモデル﹂﹁メタメッセージ﹂﹁メタ法価値論﹂﹁メタフィクション﹂等の用例がある。
キシレンの位置異性体。左からオルト、メタ、パラ。
ベンゼン環の2置換体の構造異性体のうち、2つの置換基が炭素原子1つをはさんでいるものにメタ︵meta-、イタリックで、ハイフンをつける︶をつける。言い換えれば、1位と3位の炭素原子に置換基があるものである︵隣り合う番号は他にもあるが、命名規則により1位と3位となる︶。m- と略して書く。
メタに対し、隣︵1位と2位︶をオルト (ortho- , o-) 、反対側︵1位と4位︶をパラ (para- , p-) という。
また、ある置換基に注目したとき、その二つ隣の位置をメタ位と呼ぶ。