リナルド (オペラ)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの作曲したオペラ
リナルド︵イタリア語: Rinaldo︶は、ドイツ出身のイギリスの音楽家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル︵ジョージ・フレデリック・ハンデル︶の作曲したオペラである。
トルクァート・タッソによる11世紀のエルサレムを舞台にした叙事詩﹃解放されたエルサレム﹄が原作。 なお、同じ題材でヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが書いた戯曲に基づき、ヨハネス・ブラームスもカンタータ︽リナルド︾Op.50を作曲している。
基本データ
- 作曲: ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- 原作: トルクァート・タッソ作 叙事詩『解放されたエルサレム』
- 台本: ジャコモ・ロッシによる3幕もの
- 言語: イタリア語
- 初演: 1711年ロンドンのヘイマーケット女王劇場
作曲の経緯
イタリアからイギリスへ
ヘンデルは1706年ごろからイタリアのローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアなどを旅行していた。そのときには、聖職者や貴族などの社交を楽しみ作曲はあまりしなかったものの、﹃イタリアオペラ﹄を実際に鑑賞し、そのエッセンスを吸収することができた有意義な時期であった。ドイツに帰国後イギリスの宮廷から王室楽長就任の勧めがあった。ヘンデルは逡巡したものの、それを承諾し1710年にイギリスへ渡った。ヘンデルがイギリス行きを決意したのにはイタリアで出会ったイギリス人の勧めがあったと考えられる。
「リナルド」の製作
編成
登場人物
当時のオペラはカストラートによって演じられていたので、男役でも高音である。
- ゴッドフレード(カウンターテナー/アルト)
- アルミレーナ(ソプラノ)
- リナルド(アルト)
- エウスターツィオ(カウンターテナー/アルト)
- 魔法使い(バリトン)
- アルガンテ(バス)
- アルミーダ(ソプラノ)
編成
あらすじ
第1幕
第2幕
第3幕
「私を泣かせてください」
﹁私を泣かせてください﹂(Lascia ch’io pianga) ︵アルミレーナのアリア︶は、エルサレムのイスラーム側の魔法使いの囚われの身になったアルミレーナが、敵軍の王アルガンテの求愛されても愛するリナルドへの貞節を守るため﹁苛酷な運命に涙を流しましょう﹂と歌うアリアである。
本作で最も有名なアリアであり、単独で歌われることも多い。サラ・ブライトマン、ヘイリー・ウェステンラ、岡本知高が歌ったものが有名。[要出典]岡本知高が歌ったものは、テレビドラマ﹃牡丹と薔薇﹄のテーマに使用された。また、管弦楽編曲を施したもの、メゾ・ソプラノ歌手の山下牧子が歌ったもの︵本来ソプラノ役の歌のため、彼女の本来のレパートリーではなく、オリジナルである︶が、朝日新聞のテレビCM﹃ジャーナリスト宣言﹄編に使用されている。