1/32スケール
概要
編集鉄道模型
編集「1番ゲージ」を参照
プラモデル
編集ミリタリーモデル
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欧米でプラモデルが普及した1950年代には、既にホワイトメタル製などの1/32スケールの兵士のフィギュアが存在していた。そのため、1950年代から1960年代にかけてモノグラムやレンウォール、ITCなどの欧米のメーカーからフィギュアに合わせた1/32スケールのミリタリーモデルが発売されていた。その後はミリタリーモデルは1/35スケールが主力となったため、エアフィックスなどの一部のメーカーを除き、フィギュア以外の1/32スケールのミリタリーモデルは作られていない。なおこのスケール︵54mm︶の歴史フィギュアは今もHaT、イタレリ、マスターボックスなどから発売されている。
航空機
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1960年代の初めには既にモノグラムがP-51を1/32スケールでモデル化している[1]が、1/32スケールが航空機の模型に定着する元となったのは、レベルが1960年代後半に発売したスピットファイア Mk.I、Me109F、P-40Eの3点である[2]。これらは現在でも通用するほどの繊細な機体表面のモールドと、当時としては画期的といえるコクピットやエンジンの再現度で人気を呼び、後続のキットが多数作られた。また、ハセガワ[3]など複数のメーカーが追随して1/32スケールの航空機を発売した。
現在1/32スケールでモデル化されているのは、第一次世界大戦、第二次世界大戦中の戦闘機やヘリコプターなどの比較的小型の航空機が主であるが、He111のような第二次世界大戦中の双発爆撃機やF-14トムキャット、F-15イーグルなどの現代のジェット戦闘機もモデル化されている。
自動車
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1950年代から1960年代にかけては、エアフィックスやモノグラム、オーロラなどのメーカーから、鉄道模型の1番ゲージにスケールを合わせたり、あるいはスロットカーのボディを流用した1/32スケールの自動車のプラモデルが多数発売されている。その後乗用車などは1/24や1/25スケールが主流となったが、トラックやトレーラー、バスなどの大型自動車は現在でも1/32スケールで作られることが多い。また、エルエスが1980年代半ばに発売した1/32スケールのアンティークファッショナブルカーシリーズは、郷愁を呼ぶ車種の選択と、安価で組立が容易な点が人気を呼び、後に1/32オーナーズクラブシリーズと改称されてエルエスの主力商品の一つとなった。エルエスの倒産後はアリイ︵現マイクロエース︶が金型を引き取り、新たな車種も新金型で加えている。
脚注
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(一)^ モノグラムの1963年版の製品カタログには、"Phantom Mustang"と"F-51D Mustang"の2点が掲載されている。
(二)^ 酣燈社刊、﹃航空情報﹄5月号臨時増刊﹃プラモ・ガイド 1968﹄に新製品として紹介されている。
(三)^ ハセガワの1/32スケールの第1弾フォッケウルフ Fw190は1970年に発売されている。
参考文献
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●日本プラモデル工業協同組合 編﹃日本プラモデル50年史﹄文藝春秋企画出版部、2008年。ISBN 978-4-16-008063-8。
●﹃プラモデルカタログ2012﹄芸文社、2012年2月。ISBN 978-4-86396-180-7。