Share(シェア しゃれ、洒落)とは、Windows 2000/XP/Vista/7上で動作するファイル共有ソフトである。

Share
開発元 村長 (ファイル倉庫NT56s0tGbv)
最新版

Ver1.0 EX2 / 2006年4月1日

対応OS Windows 2000/XP/Vista/7
種別 ファイル共有ソフト
ライセンス フリーウェア
公式サイト Edition (Freenet0.5上)
テンプレートを表示
Share UDP
最新版

Ver1.0 NT5 / 2005年3月30日

種別 ファイル共有ソフト
ライセンス フリーウェア
公式サイト Edition (Freenet0.5上)
テンプレートを表示
アイコンは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の「笑い男」を使用している。

概要

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P2P 2

IP Winnyperfect dark

ShareTCP/IP使UDP/IP使UDPUDP



ShareWinnyP2P

WinnyShareWinny
主要ファイル共有ソフトとの比較
Share Winny LimeWire StealthNet
バージョン 1.0 ex2
(2006/4/1)
2.0 β7.1
(2003/11/11)
4.12.11
(2007/2/2 ?)
0.8.7.9
(2011/3/13)
動作
プラットフォーム
Windows 2000/XP/Vista/7 Windows 95 以降 Java が動作するシステム .NET 2.0以降/Mono
日本国内シェア [1] 11.8% 33.3% 19.8% ?
最大
ファイルサイズ
32GB 2GB 4GB? 4GB
NAT, ファイアウォール越え 難 (要ポート開放設定) 易 (ポート0モード) 易 (UPnP / UDP Hole Punching搭載)
匿名性確保の方法 拡散アップロード 転送の中継 無し 転送の100%中継
開発 作者 (村長) 金子 勇(47氏) Lime Wire LLC Lars Regensburger
開発開始 2002/4/1 2001/1 以前
開発方針 Winnyの後継 匿名性と効率の両立 効率的な共有 完全な匿名性確保





プロトコル 独自 独自 Gnutella RShare
概要 ファイル検索用接続とファイル転送用接続に分かれている。
検索用接続は常時、転送用接続は必要に応じて行われる。
一律だが通信形式は確認できない仕様。
通信確認、検索接続は常時。
転送接続は必要に応じて行われる。
トポロジー メッシュ 階層付メッシュ メッシュ メッシュ
転送時に条件が整った場合はその転送に限り条件付きでスター
繋ぎ換え
頻度
頻繁 時々 かなり少なめ かなり少なめ
クラスタ
構築
キーワード(最大5つ)
ノード優先度
キーワード(最大3つ)
ノード優先度
無し 無し
暗号方式 RSA+RC6 RC4 TLS RSA1024bit AES128bit (Rijndael)

ファイル情報
の収集・拡散
隣接ノードと交換・選別 上流ノードに集約 何もしない。
ファイル情報
の検索
自身のノード内から検索 上流ノードにクエリを送信 周辺ノードにクエリを送信
不完全な
ファイルの情報
公開 非公開(スワムダウンロード用断片ソースとしては公開)

概要 ファイルからキャッシュに変換しながら、
あるいはキャッシュをそのまま転送。
ファイルをそのまま転送。
接続 保持側から要求側に接続 要求側から保持側に接続
最小単位 1MB 64KB 1B
ファイル提供者
の匿名性
解析可能
(Retina Sharebot等)
解析可能
(Poeny、Nyzilla等)
なし 解析不可能(現実的方法では)
通信内容
の秘匿性
傍受可能(プロトコルに脆弱性あり) ? 傍受不可能(現実的方法では)

特徴

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WinnyWinnyWinny



ShareShare



ShareDiffusionProClone, RegExpFilter, NoSpamSharePDK使Delphi



5使255(ClusterChanger)



4GiBHDD使



32GiB

Unicode

UTF-16ShareUnicodeUnicode



WinnyShareIDID



ShareShareP2PWinny



Share



ShareWinny

BBS

WinnyShareBBS(ShareNNTP)Share

0

UPnP(UPnP)0







ShareShareWinny Ver1.0 A77 辿

Winny

Share

ShareWinny

素早い流通

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Shareは、Winnyと比較して一次配布開始からファイルが流通する速度が早い傾向に有る。

これは、Winnyが完全なファイル以外はアップロードしないのに対し、Shareはファイルの一部を受け取った時点でアップロードに参加するため二次配布が早めに開始されるためである。 また、Shareは一次配布の時点で複数のノードに分割してアップロードするため、多くのノードが早い段階で二次配布に参加できることも理由の一つである。

その他の理由として、他のノードとファイル情報を交換する際に、Winnyは常にランダムに選んだファイル情報を交換するのに対して、Shareはランダムに選びつつも一次配布された日付が新しいファイル情報を優先的に残す性質があるため、新しいファイル情報が求めるノードに素早く行き渡る事も挙げられる。

これらの性質は後述するキャッシュ即消しの影響を軽減する追加効果もある。 なぜなら、キャッシュ即消しを行うノードもダウンロードが完了するまでの間は二次配布に参加するからである。

歯抜けの頻発

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一方でShareは、一次配布開始から時間が経ったファイルは次第にデータが部分的に欠落した「歯抜け」と呼ばれる状態になり、ダウンロードしにくくなる傾向に有る。素早い流通を助けた上記の性質が、このShare最大の欠点の原因となっている。

Shareネットワーク上に完全なファイルを再構築するだけの部分キャッシュが存在しなくなった後も、部分キャッシュのアップロードが行われるため、いつまでも不完全なファイルが流通することになり、それらがShareネットワークに蓄積されていく。また、完全なファイルが大量の不完全なファイルに紛れることで検索しにくくなる問題もある。

Winnyでは歯抜けで悩まされることはあまり無い。Winnyは不完全なファイルの配布を行わないため、不完全なファイルはWinnyネットワークから自然と消滅していくためである。

開発の経緯と現状

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開発の経緯

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WinnyWinnyWinny  WinnyShareShare200415

WinnyWinnyShareShareFreenet+FrostWinOZWinMXWinny

ShareVer1.0 CT (Connection Test Release) #1#21  Ver1.0 DT (Diffuse Test) 141  Ver1.0 A (Alpha) 182  Ver1.0 EX (Extream) 1?UDP Ver1.0 NT (Net Test) 15

ShareShare()Ver1.0 A75 Share

WinnyShareWinny調ShareWinnyShareWinnyperfect dark

近年の状況

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2005年2月23日に初めて公開されたUDP版は当初から余り普及せず、TCP版より遅れたまま更新が止まっている。しかし最近になって、プロバイダによる帯域制限を回避しやすいとの理由で一部の利用者達から見直されてきており情報交換が活発になってきている。現在、利用者が少ないことが原因である「赤スリ」(赤Sleep)に悩まされている。

Share作者は、法に抵触する利用は控えるようにと言っている。だが、違法な目的による利用者が大半を占めているのが現状である。

社会的な批判

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Shareは、Winnyと同様に、様々な理由で批判を集めている。

マスコミではこれらのうち情報漏洩に偏って報道される傾向にあり、特に昨今はウイルスによりプライベートなファイルや業務上保管していた秘密情報(個人情報や、自衛隊内部のPCの機密データ等)の流出問題に関する報道も多い。(ただし、流出に関してはShare自体によるものではなく、Shareを利用するウイルスの所為によるものである。)

名称

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マスコミ報道等では「シェア」と報道される事が多いが、ユーザー間では「シャレ」という呼称が一般化している。

最初は「Share(仮称)」として公開され、同時に名前とアイコンが公募された。 ほぼ同時期に有志の手により「Share(仮称)仕様村」と名づけられたWikiが立ち上げられ、不具合点や仕様等が討議された。 名前についても色々な名前が候補に上がったが、公開当初より「シャレ(洒落)」と呼ぶものが多く、 人気投票でも「シャレ」が一番人気であった為、シャレに落ち着いた。

秘匿性・匿名性への疑問

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Shareは開発当初からWinnyの問題を意識しつつ、一次配布ノードの匿名性確保に重点を置かれて設計されている。Winnyネットワーク解析の結果、一次配布ユーザーが著作権侵害の罪で逮捕された当時、一次配布ノードと監視ノードの直接接続が一次配布ノードの特定に繋がったと考えられていたため、Shareではそれを阻止するために拡散アップロード方式(プッシュ型)を導入している。拡散アップロードは同時に多数の中継転送を行うため、一次配布ノードと監視ノードが直接繋がることがあっても、一次配布ノード特定の決め手にはならないとされた。ファイルの一次配布には主に拡散アップロード方式のほか、通常のアップロード方式(プル型)も選択できる。

ファイルのハッシュ値やID(トリップキー)はSHA-1により生成される。IDは電子署名技術を用いているため、偽装は困難となっている。 Winnyの通信内容の暗号が解読されたのを受け、Shareでは通信の暗号化が強化され、1024ビットRSARC6が利用されている。

Shareの暗号化通信は解析困難とされていたが、ネットエージェントOnePointWall等の解析ソフトにより解析可能になったほか、2007年1月にShareプロトコルの詳細が解析・公開[2]されたため、Shareの通信の秘匿性に疑問が生じた。それでも一次配布ノードの匿名性は、拡散アップロード方式の採用により、Winnyよりは高いとされる。

二次配布ノードについては、通常のアップロード方式が利用される。拡散アップロードによる中継転送をしないため、二次配布ノードの匿名性はWinnyよりも低い。現在では、SharebotRetinaによって二次配布ノードの特定は可能であり、Shareの匿名性に疑問が生じた。


20073ShareSharebot

SharebotSharebot Share ver1.0 EX2 Share.exe

SharebotCompleteComplete

DiffuseComplete

10MiBDiffuseComplete


観測を回避する方法 1

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上記のShareの性質を利用してSharebotによる観測を回避する方法が考案されている。

  • DiffusionProCloneの設定を以下のように変更。
    • 「他のクエリがアクティブな場合、一時停止」をオフに。
    • 「アップロードキュー監視間隔」をなるべく短く。(100ms)
    • 「アップロード登録を厳密にチェック」を有効に「アップロード後、元のクエリに復帰」を無効にした上で「クエリ検索に費やす最長時間」を最適値に。最適値は""で囲ったファイル名で検索をかけて表示されるmsec値より若干大きめの値を設定する。(環境によるが300ms以下)
  • 一次配布するファイル以外のキャッシュも多く持っておく。
  • 一次配布するファイルをアップロードフォルダに入れて「クイックチェック」を押すと、自動的に拡散アップロードが開始される。万全を期すなら、通信を停止した状態で、同様の作業を行い手動で拡散アップロードに登録してから、通信を再開する。
  • 自分のノードの周りにCompleteキャッシュの保持を報告するノードが現れると、自動的に拡散アップロードは終了する。

観測を回避する方法 2

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AB

BDiffusionProClone

BB使



BAA

A



AA

A

B

Share発祥のウイルス

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Winnyにおけるウイルスは社会現象にまで発展したが、Shareにおいても情報流出に結びつく恐れのあるウイルスが確認されている。

  • Shareドクロ」というウイルスが確認された。これに感染するとShareのダウンロードリストにドクロの記号が追加される他、Share終了時にキャッシュが削除される、Share起動中はデスクトップのスクリーンショットが一定周期ごとに公開されるといった症状を引き起こす。
  • 2006年2月下旬からは、感染者のパソコンをサーバ化してハードディスクの中身やデスクトップの画面を常時画像キャプチャし全てを公開、さらに感染者同士を相互にリンクする「山田オルタナティブ」というウイルスが発見された。
  • 2006年4月頃にもShare上で動作する暴露ウイルスが確認されている。これで重要情報が流出した事例もある。

ウイルス対策

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WinnyShare







UNICODERLO(U+202E)[3]ShareUNICODEWindows XP/Vista

isoDaemonToolsCDWindows

Web

WebShare



調
BitDefenderISO調BitDefender 

使









...regedit
HKEY_CLASSES_ROOT\piffile\NeverShowExt

HKEY_CLASSES_ROOT\ShellScrap\NeverShowExt

HKEY_CLASSES_ROOT\SHCmdFile\NeverShowExt

使NTFS
(V)...

(D)..."Everyone""OK"

(O)/"OK"

"OK"

"OK"

RLOXPHomeEdition
*

Unicode RLO Start of right-to-left override* *

  

(P)

(P):

 (S):(D):RLOOK




用語

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キャッシュ

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この場合、Shareが管理する暗号化されたファイルを指す。利用者は原則としてキャッシュの中身を意識せず、また知ることもできない。 なお,手動で管理したければ密告を利用する。 Shareのキャッシュには、Localキャッシュ・Completeキャッシュ・Linkキャッシュ・Diffuseキャッシュがある。Linkキャッシュを除いて、同じハッシュを持つ(≒全く同内容の)キャッシュは同時に二つ以上を保持することは出来ない。但し、一つのキャッシュに二つ以上のファイル情報を結びつけることは可能である。キャッシュ自身もファイル情報を一つ持つ。

アップロードフォルダにファイルを入れてクイックチェックを行うと、同内容のファイルがキャッシュから自動的に削除される。そのため、ダウンロードしたファイルをアップロードフォルダに移動させるとキャッシュ領域の節約になる。その際、特定の条件を満たせばダウンロードした時のIDを維持したままアップロードすることができる(データベースによる地引を行っていない限り、大抵はその条件を満たす)。尚、強制変換によって生成したファイルをアップロードフォルダに入れるべきではない。

キャッシュ即消し

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キャッシュ領域によってHDD容量を消費することを嫌い、目的の物のダウンロードを完了次第、全てのキャッシュを削除する行為を指す。Shareの衰退につながる望ましくない行為とされる。しかし、空き容量がないと、ファイルを変換することが出来ないため、キャッシュを削除することで適当なサイズの空き容量は常に確保する必要がある。また、数十GB程度の空きキャッシュ領域を確保しておくことで、ダウンロードが高速化されやすいため、更新日時の古くなったキャッシュから、随時削除していくことが望ましい。

著作権侵害

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Shareの仕組み上、ダウンロードしたファイルが不特定あてに送信可能な状態になる為、(送信する権利を持っていない)ファイルをダウンロードした場合、送信可能化権の侵害に抵触するため、たとえダウンロードするだけであっても、完全に合法に使うのがきわめて難しい。

著作権侵害による逮捕

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  • 2008年4月16日 - アニメのアップロードにより逮捕[4]
  • 2009年9月30日 - ニンテンドーDSゲームのアップロードにより逮捕[5]
  • 2010年10月22日 - アニメ映画「エスカフローネ」のアップロードにより逮捕[6]
  • 2010年10月28日 - 「ハートキャッチプリキュア」のアップロードにより逮捕[7]
  • 2010年11月2日 - ソフトウェア、ゲーム、アニメなど3TB分のファイルのアップロードにより逮捕[8]
  • 著作権侵害に関するニュース - コンピュータソフトウェア倫理機構

関連項目

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出典

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  1. ^ ACCSニュースリリース 「ファイル交換ソフト、現在利用は3.5%に」、 財団法人コンピュータソフトウェア著作権協会、 2006年7月25日
  2. ^ P2PソフトShareの暗号を解析,ネットワーク可視化システムを開発
  3. ^ IPA2011年10月「ファイル名に細工を施されたウイルスに注意」
  4. ^ 「Share」を使った公衆送信権侵害を初摘発
  5. ^ 「Share」を通じたDSソフト違法アップ、2人逮捕
  6. ^ Shareを通じて著作権侵害、地方公務員男性を逮捕
  7. ^ Shareに放送直後のアニメをアップロード、無職男性を逮捕
  8. ^ Shareで3テラバイトのファイルをアップロード、男性を逮捕

外部リンク

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Shareドクロ

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