膝
(ひざから転送)
膝︵ひざ、knee︶は、ヒトなどの動物における脚︵足︶の関節部の1つで、腿︵もも︶と脛︵すね︶を繋ぐ部分である[1]。ヒトの膝の前面を膝頭︵ひざがしら︶、膝小僧︵ひざこぞう︶という。後面はひかがみ︵膕、引屈︶という。
膝 | |
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膝の解剖図 | |
膝のMRI像 | |
ラテン語 | articulatio genu |
英語 | Knee |
器官 | 運動器 |
神経 |
大腿神経 閉鎖神経 坐骨神経 |
構造
編集大腿部前面をさす「ひざ」
編集スポーツでの「ひざ」
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●膝は体重を支える重要な部位だが、負傷するケースも多い。膝が伸びた状態で正面からの衝撃に弱く、体重が過度に重いと膝に負担がかかり障害を起こす。半月板や前十字靭帯の負傷、傷害のケースは多く、腰に次いで直立二足歩行の弊害を大きく受けている箇所である。
●また、横に捻る動作に全く対応していない。格闘技で使用される関節技でヒールホールドというかかとをひねる技があるが、この技は膝靭帯を破壊する危険な技である。
●その反面、曲げた状態で体重を乗せる膝蹴りは膝という鋭利な部位を有効に使えるため重くて硬く、使用頻度が高い。
人間以外の動物の「ひざ」
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人間以外の動物の付属肢についても、人間の膝に似ている部分は﹁膝﹂と称される。
四肢をもつ脊椎動物︵四肢動物︶、特に四足歩行のものについては、前脚・後脚とも主要な関節部は膝と呼ばれる。ただし、﹁膝﹂と称される部分であっても、必ずしも人間の膝に対応︵相同︶する器官であるとは限らない。例えばウマ・イヌ・鳥類などの後脚で膝のように見える箇所はかかとであり、実際の膝は脚の付け根近くにある。
節足動物の付属肢︵関節肢︶は脊椎動物のものとは別起源であるが、﹁膝﹂の名が付く部分もある。昆虫などの六脚類の歩脚における腿と脛のような2節、いわゆる腿節と脛節を繋いだヒンジ状の関節部分は便宜上﹁膝﹂と呼ばれることがある[2]。クモやサソリなどの鋏角類の場合、歩脚などの腿節と脛節の間にもう1つの肢節がある。これは﹁膝節﹂といい、英語では脊椎動物の膝蓋骨と同名で﹁patella﹂と呼ばれている[3]。ただしこれは分類群により腿もしくは脛のように発達し、とても膝に見えない場合もある[3]。
詳細は「関節肢#肢節の名称と数」を参照
脚注
編集- ^ 日本国語大辞典,日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,栄養・生化学辞典, 精選版. “膝とは”. コトバンク. 2022年5月18日閲覧。
- ^ “The insect that hears like a human, with ears on its knees” (英語). Science (2012年11月15日). 2022年5月18日閲覧。
- ^ a b Shultz, Jeffrey W. (1989-09). “Morphology of locomotor appendages in Arachnida: evolutionary trends and phylogenetic implications” (英語). Zoological Journal of the Linnean Society 97 (1): 1–55. doi:10.1111/j.1096-3642.1989.tb00552.x .