IndyCar
(インディ・レーシング・リーグから転送)
IndyCar, LLC(インディカー)は、アメリカ合衆国のオープンホイールカー・レース統括組織である。2010年までは「インディ・レーシング・リーグ」(Indy Racing League, IRL) の名称で活動していた。車体を指す"IndyCar"と区別するために"INDYCAR"と表記されることもある。
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スポーツ | 自動車レース |
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分類 | オープンホイール・カー |
管轄地域 |
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創立 | 1996年(IRL時代を含む) |
所属 | ACCUS-FIA |
本部所在地 | インディアナ州 インディアナポリス |
会長 | ジェイ・フライ |
公式サイト | |
indycar |
2023年現在、IndyCarの商標は、ペンスキー・コーポレーションの子会社であるペンスキー・エンターテイメント・コーポレーションを介して、ロジャー ・ペンスキーによって所有されている。ペンスキーは2019年11月に、インディカーとインディアナポリス・モーター・スピードウェイをハルマン・アンド・カンパニーから買収した[1]。
概要
編集設立
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1994年、トニー・ジョージによって前身となるIRLが設立され、1996年に同名のシリーズを開始した。インディカーはUSACから離れた1979年以来、CARTが認可を行っていたが、トニー・ジョージはF1の様に少数の裕福なチームが複数台出走させ、技術が大きなウェイトを占めるインディカーに対して、より低コストで参戦できるオープンホイール・レースとしてIRLを構想していた。初めはその構想を信じたいくつかの小規模なチームがIRLに引き付けられただけだったが、後には分離する前のCARTのシリーズと同様な物となった。
変革
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開始当初、シリーズとジョージは各種メディアやCART参戦チームによる批判を受けた。初期のIRLはまばらなスケジュールと未知のドライバー、未経験なチームから成り、メインイベントであるインディ500でさえそのレベルを問われる物であった。しかしながらスケジュールは充実し、ドライバーの力量も向上していった。IRLは2000年からCARTチームの受け入れを始め、2003年よりホンダ、トヨタが揃ってCARTよりIRLへ移籍表明を行ってからはそれまでの有力CART参戦ドライバー、チームも挙って移籍に追随し、一気に北米オープンホイール・レースのメジャーへと取って変わった。同年トップカテゴリーの名称を﹁インディカー・シリーズ﹂に変更。IRLはFIAの様に運営組織の名称として残された。一方CARTは2003年に破産。2004年からのチャンプカー・ワールド・シリーズへの名称変更した。そして2008年にはチャンプカーを吸収統合した[2]。このように運営団体が分裂していた間、同じくアメリカで開催されるNASCARに人気が移った。
新体制
編集レースシリーズ
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ヨーロッパにおいて、F1を頂点に掲げF2やF3などの中級、下級カテゴリが存在するように、北米のオープンホイールレースにも下記のランク付けがある︵上に書かれているものほどランクが高い︶。これらのレースはIndyCarが育成団体﹁ロード・トゥ・インディ﹂を通じて運営する。
●NTT インディカー・シリーズ
●北米最高峰のオープンホイールレース。世界三大レースのひとつ、インディ500を筆頭に、オーバルトラック、ロードコース、市街地コースでレースが行われる。ドライバーは国籍はもちろん経歴も多様で、以下のカテゴリから昇格する者はもちろんF1など他のフォーミュラカーレースから転向する者もいる。
●インディNXT
●インディカー・シリーズの直下に位置するカテゴリー。インディカー・シリーズをサポートする役割も持っており、レースが併催されることもある。
●インディ・プロ2000チャンピオンシップ
●F3と同等規格の車で行われるカテゴリー。4つのレースシリーズの中では最も歴史が長く、1986年より開催されている。以前はメインスポンサーがマツダとグッドイヤーだった。
●クーパータイヤ U.S.F2000・ナショナル・チャンピオンシップ
●フォーミュラ・フォードの一種に分類されるジュニア・フォーミュラカテゴリー。1991年から2006年まで開催されていたものを、IndyCarが復活させる形で2010年より再開した。レースは一部を除いてスター・マツダ・チャンピオンシップと同日程で開催される。
ポイントシステム
編集このポイントシステムはインディカー・シリーズとインディ・ライツに適用される。すべてのドライバーにポイントが与えられ、シリーズ中最も出走台数が多いインディ500の33台に合わせて33位まで設定されている。[7]
順位 | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | 6th | 7th | 8th | 9th | 10th | 11th | 12th | 13th | 14th | 15th | 16th | 17th | 18th-24th | 25th-33rd |
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ポイント | 50 | 40 | 35 | 32 | 30 | 28 | 26 | 24 | 22 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 10 |
さらにインディ500を除くレースでは、ポール・ポジションを獲得すると1ポイント、最多ラップリードを記録すると2ポイントが与えられる。
死亡事故
編集IndyCarがIRLとして発足した1996年以来、上記4つのシリーズで事故によって以下のドライバーが死去している。(日付は現地時間)
- スコット・ブレイトン - 1996年5月17日,インディ500練習走行中
- トニー・レナ - 2003年10月22日,ファイアストンのプライベートテスト中
- ポール・ダナ - 2006年3月26日,トヨタ・インディ300練習走行中
- ダン・ウェルドン - 2011年10月16日,ラスベガス・ワールドチャンピオンシップ決勝レース中
- ジャスティン・ウィルソン - 2015年8月24日,ABCサプライ500決勝レース中
ギャラリー
編集-
2007年インディ500、予選でのエリオ・カストロネベス。
-
2007年から2011年シーズンまで使用されたホンダ・Indy V8エンジン。
脚注
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(一)^ “Roger Penske buys Indianapolis Motor Speedway, IndyCar Series from Hulman family”. CBS Sports. 2019年11月7日閲覧。
(二)^ “Done deal :: IndyCar® Series” (2008年3月13日). 2008年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月2日閲覧。
(三)^ “A 'league' to call their own: Bernard hopes to make IndyCar noticeable on racing radar.”. The Hawk Eye (2010年6月20日). 2010年6月27日閲覧。
(四)^ “Technology ICONIC Advisory Committee”. IndyCar.com. オリジナルの2010年11月25日時点におけるアーカイブ。 2011年2月18日閲覧。
(五)^ “2012 car strategy embraces innovation”. IndyCar.com. (2010年7月14日). オリジナルの2011年7月13日時点におけるアーカイブ。 2011年2月18日閲覧。
(六)^ “IZOD Indycar Series”. Chevrolet revs up new engine for 2012 car. www.indycar.com. 2011年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
(七)^ 34台以上が出走したレースも存在する。1997年のインディ500では35台が、2011年のラスベガス・ワールド・チャンピオンシップでは34台が出走した。
外部リンク
編集- IndyCar.com IndyCar公式サイト
- Indy500.com インディ500公式サイト