シアノヒドリン
合成法
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α-シアノヒドリンはアルデヒドまたはケトンにシアン化物イオンを付加させると得られる。この反応にはシアン化水素 HCN を基質、シアン化ナトリウム NaCN を触媒として用いることができる。シアン化物イオンがカルボニル基に付加したあと、生成するアルコキシドが HCN からプロトンを引き抜いて −CNが再生する。
トリメチルシリルシアニドを用いると、ヒドロキシ基がトリメチルシリル基で保護されたシアノヒドリンをワンポット合成することができる。
β-シアノヒドリンはエポキシドのシアン化物イオンによる開環で得られる。それ以外のシアノヒドリンは対応するハロゲン化物のシアン化物イオンで置換反応することで得られる。また、スルホナートをシアン化物イオンで置換することによっても得られる[1]。
性質
編集主な化合物
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アセトンシアノヒドリンはアセトンのシアノヒドリンである。CAS登録番号は [75-86-5]、分子式 (CH3)2C(CN)OH で表される液体で、沸点は95°Cである。α-ヒドロキシイソブチロニトリルとも呼ばれる。シアン化水素の発生源として用いることができ[2]、他のシアノヒドリンの合成や、マイケル付加、芳香族化合物のホルミル化に利用できる。水素化リチウムと反応させると無水のシアン化リチウムを調製できる。
マンデロニトリルは分子式C6H5CH(CN)OH で表される沸点170°Cの液体で、CAS登録番号は [532-28-5] である。ある種の果物の種に少量含まれる。
グリコロニトリル︵CAS登録番号 [107-16-4]︶は最も単純な構造のシアノヒドリンで、ホルムアルデヒドから合成できる[3]。分子式は HOCH2CNで、ヒドロキシアセトニトリルとも呼ばれる。
生物中の存在
編集参考文献
編集- ^ マンデル酸の合成: Corson, B. B.; Dodge, R. A.; Harris, S. A.; Yeaw, J. S. (1926). "Mandelic acid". Organic Syntheses (英語). 6: 58.; Collective Volume, vol. 1, p. 336
- ^ Haroutounian, S. A. (2001). "Acetone cyanohydrin". In Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley & Sons. doi:10.1002/047084289X.ra014
- ^ Gaudry, R. (1947). "Glycolonitrile". Organic Syntheses (英語). 27: 41.; Collective Volume, vol. 3, p. 436