シェラック
ラックカイガラムシおよびその近縁の数種のカイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質
シェラック︵英語:shellac︶は、ラックカイガラムシ︵Laccifer lacca︶、およびその近縁の数種のカイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質である。セラックともいい、漢語では﹁紫膠﹂という。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e5/Schellak.jpg/220px-Schellak.jpg)
性状
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●常温では、黄色から褐色の透明性のある固体である。精製すると白色、透明になる。無味無臭である。人体には無害。
●通常、熱可塑性であるが、一定の温度では熱硬化性をしめす。
●アルコール系溶剤のみに溶け、他の有機溶剤には耐性をしめす。
●シェラックのアルコール溶液、水溶液を蒸発させると、透明皮膜を形成する。
成分
編集生産
編集用途
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日本工業規格︵JIS K 5909︶、日本薬局方、日本化粧品原料基準、食品衛生法に記載され、幅広い用途がある。
工業用途では、製紙用サイズ剤、塗料、インク、ヴァイオリンなどの弦楽器や木製家具に塗るニス、接着剤、ワックス、剥離材など。音を記録するレコード盤の素材として初期のSP盤の材料に使われた[2]。
食品用途では、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類のフルーツワックスとして、また天津甘栗などの光沢剤として用いられる。
医療用途では、 医薬品の錠剤、錠剤状のチョコレートなどの食品のコーティング材伝統中国医学の生薬では﹁紫草茸﹂(しそうじゅう、zǐcǎoróng)、﹁紫膠﹂(しこう、zǐjiāo)などと称し、清熱解毒などの作用があるとされた[1]。
脚注
編集- ^ a b 江蘇新医学院編、「紫草茸」『中薬大辞典』、pp2365-2366、1986年、上海科学技術出版社、ISBN 7-5323-0842-1
- ^ 澤田和弘『図解でわかるプラスチック』サイエンス・アイ新書、2008年、48頁。