ジャン・クリストフ

ロマン・ロランの小説

Jean-Christophe1019041912[1][2]
ジャン・クリストフ
Jean-Christophe
第一巻の表紙
第一巻の表紙
著者 ロマン・ロラン
発行日 1904年
発行元 半月手帳
ジャンル 教養小説
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
形態 文学作品
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3100西[3]

発表経過

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あらすじ

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ジャン・クリストフはドイツはライン川のほとりに宮廷音楽家の父の長男として生を受ける。幼少時から音楽の才に恵まれ、怠惰だが野心ある父の厳しい手ほどきを受ける。様々な出会いを経験し、時には極貧にあえぎながら、クリストフは作曲家として大成してゆく。クリストフはフランスへ出て作曲家として名をなしていくが、音楽界における党派の横行、音楽家と批評家の裏取引といったものにクリストフは厳しい批判を浴びせる。ロラン自身の党派性や情実に満ちた社会への批判が籠められている。

第1巻 暁

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乳幼児のころのクリストフ。祖父、両親、兄弟たちの描写。大酒飲みの父と優しい母という不似合いな夫婦。貧乏であったこと。家政婦の手伝いに呼ばれた母について行き、金持ちの子供らに意地悪をされ、初めて不正を知ったこと。ゴットフリート叔父との出会い。ピアノとの出会い。モーツアルトのような神童に息子を育てようとする父の厳しいレッスン。大公殿下の御前演奏会を行うが、父親をはじめとする大人たちばかりが喜ぶ中、クリストフは一人で眠ってしまう。

第2巻 朝

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少年期のクリストフ。祖父の死。ますます乱れる父の生活。困窮も極まる。家計を助けるため、クリストフは劇場の出稽古などに出て稼ぐほかなかったが、父の浪費に業を煮やしたクリストフは父の給料を自分が受け取れるようにしてしまう。そして父の死。彼の少年時代はこれで終わった。

第3巻 青年

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父の死で家を失い、クリストフはオイラー家で母親と暮らし始める。俗物的なオイラー家の人々の描写。そこで信仰の喪失を味わう。オイラー家のそばに住んでいるザビーネとの恋愛、そして彼女の死。享楽的なアーダとの肉体を伴った付き合い。しかし、弟エルンストとアーダとの密かな関係を知ってクリストフは深く傷つき、酒に溺れるようになるが、そんな時に叔父のゴットフリートと再会する。「英雄というのは自分ができることをする人のことだ」という叔父の言葉でクリストフは立ち直る。

第4巻 反抗

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稿



宿


第5巻 広場の市

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第6巻 アントワネット

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3

2



1 2

第7巻 家の中

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6




第8巻 女友達

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第9巻 燃える茨

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クリストフは労働者階級の集まりに顔を出すようになる。オリヴィエは民衆の中にあっては窮屈だった。そんな中、オリヴィエは靴屋の小僧をしていたエマニュエルという子供を知る。エマニュエルは自分では気づかずに、オリヴィエの大きな影響を受ける。オリヴィエがクリストフと親しくしていると嫉妬するくらいだった。

その年のメーデーにクリストフは、群衆の見物にオリヴィエを誘う。オリヴィエは外出したくなかったが、結局クリストフについて行く。群衆がたくさん集まっていた。オリヴィエはそこで見張り台から落ちたエマニュエルを助けようとして警官ともみあいになり、そのことがきっかけで暴動が始まる。オリヴィエは暴動に巻き込まれて死ぬ。そしてクリストフは警官を殺してしまう。

クリストフはまたも亡命する。今度の亡命先はスイスだった。クリストフは顔見知りだった医師ブラウンを頼りとする。最初は虚脱状態だったクリストフは、精神の底に何か破壊されたものを抱えながらも次第に回復していく。そんな中でクリストフはブラウンの妻アンナと愛し合うようになり、ブラウンに対して罪悪感を感じる。アンナは狭い町の社会の中で監視されていること、そして何より子供の頃から厳しくしつけられていた宗教生活によって罪悪感を感じる。二人はついに行き詰まり、心中しようとするが果たされない。アンナは精神的な傷を負って寝込んでしまう。

逃げるようにブラウンの家を出たクリストフは僻地の農家に隠れ住む。クリストフは創造力を失ってしまい、しばらくもがいたのち、創造の神が再び彼のもとを訪れる。クリストフは自分の芸術の新しい境地に達し、同時に自分を取り戻す。

第10巻 新しい日

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使

15






登場人物

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日本語訳書

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  • 豊島与志雄 訳『ジャン・クリストフ』岩波文庫 全4巻
  • 新庄嘉章 訳『ジャン・クリストフ』新潮文庫 全4巻
  • 高田博厚 訳 『ジャン・クリストフ』筑摩書房、筑摩世界文学大系 全2巻
  • 片山敏彦 訳『ジャン・クリストフ』みすず書房「全集」全4巻

脚注

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  1. ^ Rolland, Romain (1866-1944) - Jean-Christophe” (フランス語). catalogue.bnf.fr. Bibliothèque nationale de France. 2020年7月18日閲覧。
  2. ^ Bernard, Duchatelet. “Jean-Christophe de Romain Rolland paraît en feuilleton aux « Cahiers de la Quinzaine »” (フランス語). FranceArchives. Archives de France. 2020年7月18日閲覧。
  3. ^ 後藤嘉宏『中井正一のメディア論』学文社(ISBN 9784762013669)[要ページ番号]

外部リンク

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