スピードリミッター
鉄道車両
編集路線ごとまたは車両ごとに定められている最高速度を超えないようにスピードリミッターを取り付けることがある。
事例
編集電動アシスト自転車
編集日本における電動アシスト自転車では、補助力の比が走行速度時速10km/h未満では最大で1:2であり、時速10km/h以上時速24km/h未満では走行速度が上昇するほど電動機での補助を低くし、時速24 km/h以上では電動機の補助を行わない方式になっている。[1]
原動機付自転車
編集特定原動機付自転車
編集自動車
編集エンジンに燃料を送るポンプに対して電気的または電子的な制限を加え、燃料噴射を抑制する方法が一般的である。自動車のディーゼルエンジンでは燃料の噴射タイミングまたは噴射量で対応する。自動車のガソリンエンジンでは1980年代に普及し始めた電子制御燃料噴射装置を用いたエンジンでは車速センサーで速度を検出し、燃料の噴射を停止することで対応することが多かったが、希薄燃焼によるエンジン損傷を防止するために1990年代には点火も同時に停止する方式が主流になった。これらの方式では特別な装置を必要としない。点火時期の遅延や点火の停止を用いる方式では、キャブレターや機械式燃料噴射装置を用いたエンジンでもスピードリミッターを備えることが可能になる。
設定速度
編集種別 | 規制速度 | 規制の根拠 | スピードメーター | 補足 | ||
四輪 | 日本製 | 小型自動車 普通自動車 |
180 km/h | 自主規制 | 180 km/hまでが多いが排気量が少ない場合は120 km/hや70 km/hも存在する。 | レクサス・LS やレクサス・IS Fは300 km/h, 日産・GT-Rは340 km/hまで表示され、レクサス・IS Fは、車両位置がサーキットモード利用可能エリアであることをGPS測位で認識してドライバーがサーキットモードを選択すると、リミッター作動速度が通常時の180 km/hから270 km/hへ変更される。日産・GT-Rは、鈴鹿サーキットや筑波サーキットなど特定のクローズドコースに限り、またホンダ・NSXは一般道でもリミッターの解除が可能である。 |
軽自動車 | 140 km/h | 自主規制 | 140 km/hまでが多い | 1980年代頃の軽自動車は120 km/hのものがあった。なお、スズキ・エブリイなどの軽商用車のノンターボ車では、速度計の表示は120 km/hまでであることが多いが、装着するタイヤのスピードレンジと車両自体の動力性能の問題から120 km/h以上の速度を出すことは困難である。 | ||
一部の輸入車(欧州車) | 210 km/hまたは250 km/h | 自主規制 | 260 km/hまでが多い | スポーツカーなどでは275 km/hに設定されているのも多い。 | ||
二輪 | 125 cc超の国産自動二輪車 | 180 km/h | 自主規制 | 180 km/hまでが多い | 大型自動二輪車でホンダ・CB1300スーパーフォアや、ヤマハ・XJR1300は260 km/h, スズキ・隼(国内仕様)は280 km/hなどフルスケールメーターを備える車型も増えている。2018年から速度リミッターは撤廃された。 | |
日本に逆輸入される国産自動二輪車及び輸入二輪車 | 300 km/h | 自主規制 | 目盛りが300 km/h, 数字の表示280 km/hまで | 2001年欧州共通自主規制により300 km/hに規制された | ||
大型トラック | 90 km/h | 道路運送車両法 | 140 km/hまでが多い | スピードリミッター(速度抑制装置)の装着が2003年9月に義務付けられた(道路運送車両の保安基準 第8条4項及び5項)。リミッター装着車の後部及びメーターパネルには装着済ステッカーの貼付が義務付けられている。 | ||
大型バス | 90 km/h | 自主規制 | 90 km/hまたは140 km/hまでが多い | バス事業者によっては、安全運行を実現するための自主的な取り組みの一環として、スピードリミッターを装着して、最高速度を90 km/hに制限している場合がある。 |
世界の状況
編集競技用車両
編集競技用車両においては、危険回避の目的でスピードリミッターが装着されるものもある。大体の競技では人の往来があるピットロード区間で使用される。競技によって制限速度は違うが、大体60 km/h程度と定められていることがほとんどである。リミッターは自動ではなく、スピードリミッターを効かせるスイッチをドライバーまたはライダーが押すことでリミッターが有効になる。なお、制限速度はルールで定められているためこれを超えてしまった場合はペナルティを課せられてしまう。 またフォーミュラ・トラックやETRCなどのトラックによるレースでは、車体の重量や巨大さからクラッシュ時の安全性やサーキットへのダメージを抑えるため160km/hのリミッターがかけられている。