チェッカー
2人で行うボードゲームの一つ
ボードゲームのチェッカー︵英: checkers︶は、相手の駒を飛び越えて取り合うゲーム。世界的にはドラフツ︵draughts︶の名で呼ばれており、日本語では西洋碁とも呼ばれる。世界各国に存在し、ボードの大きさは国によって異なる。著名なものは、国際ドラフツとイギリス式ドラフツである。なお、﹁チェッカー﹂と言った場合は通常イギリス式ドラフツのことを指す。色違いの丸い駒を使用する。駒︵men、成り駒がキングでなくクイーン呼称の場合はdames︶の色は特に決まっていないが、通常は﹁黒、赤、白﹂の3色の中から2色が使われる[1]。古代エジプトが起源という説がある[2]。
![イギリス式チェッカーのゲーム開始時の盤面](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bc/Draughts.png)
遊び方
編集ゲームの目的
編集相手の駒をすべて取るか、相手が動けない状態にすること。
イギリス式チェッカーの基本ルール
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●チェスボード︵8×8︶の黒マス︵升︶だけを使う。
●競技者双方は交互に、盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす。
●最初に自分が座っている側の3列に12個の駒を配置する︵右図参照︶。
●駒は常に斜めに動く。初期状態では各駒は斜め前の2方向に1マスずつしか動けない。
●斜め前に相手の駒が存在し、かつそのマスの向こうのマスに駒が存在しない場合、自分の駒を向こうのマスに移動させ、飛び越えた相手の駒を取る。取られた駒は盤上から除かれる。
●取ることが可能な配置では、必ず取らなくてはならない。ただし、複数の取り方がある場合は任意に選択してよい。
●2個以上斜めに並んだ駒を取ることはできない。
●相手の駒を取った後さらに取ることが可能ならば、そのまま連続して何駒でも取る。
●最も奥の列に駒を進めることによって、﹁成る﹂ことができる。成った駒は﹁キング﹂と呼ばれ、以後斜め後ろを合わせた4方向に進むことができるようになる︵使用している駒によっては裏返すと王冠や二重丸などが描かれていることもあり、その場合にはそれでもってキングであることを示す。それ以外の場合は既に取られた駒を上に重ね、キングであることを示す︶。
●以下の2つの状況で勝敗が決定する。
●相手の駒が全滅した場合、全滅させた側の勝利となる。
●次に動かせる駒がなくなった場合、動かせなくなった側が敗北となる。
ゲームの性質
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ルール上偶然の要素はなく、ゲーム理論では将棋や囲碁と同じく二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される。2007年にアルバータ大学のシェッファーを中心とした研究グループによって、プレイヤー双方が最善を尽くした場合、必ず引き分けに至ることが証明された[3][4]。
その他の様式
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/International_draughts.jpg/220px-International_draughts.jpg)
コンピュータチェッカー
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世界初のコンピュータチェッカーは、アーサー・サミュエルが IBM 701 上で開発した Samuel Checkers-playing Program である。
1994年にコンピュータが世界チャンピオンに勝って以来︵実際には当時の世界チャンピオンだったマリオン・ティンズリーが6局連続引き分けた後、体調を崩して不戦敗し、翌年死亡した︶、さらなる研究が進められてきたが、上述のように、2007年にはプレイヤー双方が最善を尽くした場合は必ず引き分けになることが証明された。したがって、最善手を指すようプログラムされたコンピュータに対して、人間または他のコンピュータが勝利することは不可能である。
出典
編集- ^ William Timothy Call (1899). Ellsworth's Checker Book. H. I. Cain & Son
- ^ 第1回ワールドマインドスポーツゲームズ北京大会/ドラフツ(チェッカー)
- ^ Jonathan Schaeffer, Neil Burch, Yngvi Björnsson, Akihiro Kishimoto, Martin Müller, Robert Lake, Paul Lu, and Steve Sutphen (2007年7月19日). “Checkers Is Solved”. Science. doi:10.1126/science.1144079. 2008年4月19日閲覧。
- ^ “Project - Chinook - World Man-Machine Checkers Champion”. 2007年7月19日閲覧。
- ^ 松田道弘『ふたりで遊ぶ本』(1982年、筑摩書房)154p
- ^ 同『ふたりで遊ぶ本』157p
関連項目
編集- オセロ (ボードゲーム)(リバーシ) - 初期のリバーシはチェッカーの盤上でプレイされた。
- ラスカ
- ボードゲーム