トールキン 旅のはじまり
『トールキン 旅のはじまり』(トールキンたびのはじまり、Tolkien)は、2019年のアメリカ合衆国の伝記映画。監督はドメ・カルコスキ、主演はニコラス・ホルトが務めた。『指輪物語』の作者として知られるJ・R・R・トールキンの少年期・青年期を描いている。
トールキン 旅のはじまり | |
---|---|
Tolkien | |
監督 | ドメ・カルコスキ |
脚本 |
スティーヴン・ベレスフォード デヴィッド・グリーソン |
製作 |
ピーター・チャーニン ジェンノ・トッピング デヴィッド・レディ クリス・サイキエル |
出演者 |
ニコラス・ホルト リリー・コリンズ コルム・ミーニイ デレク・ジャコビ |
音楽 | トーマス・ニューマン |
撮影 | ラッセ・フランク・ヨハネッセン |
編集 | ハリー・イローネン |
製作会社 |
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ チャーニン・エンターテインメント |
配給 |
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ 20世紀フォックス |
公開 |
2019年5月10日 2019年8月30日 |
上映時間 | 111分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$4,215,537[1] 4153万円[2] |
ストーリー
編集
J・R・R・トールキンと弟のヒラリーは未亡人となった母親に育てられ、モーガン神父の助けでバーミンガムの小さなアパートで暮らす。だが12歳で母親を亡くし、後見人のモーガン神父の助けもあり、富裕な女性の援助を得て教育を続け、同じく援助を受ける女性エディス・プラットと知り合う。トールキンは名門高校に入学し、ロブ・キルター・ギルソン、ジェフリー・バッチ・スミス、クリストファー・ワイズマンと友人になり、4人でT.C.B.S.という秘密結社を結成する。友人たちと過ごす中で、トールキンは文学への関心を強めていく。エディスとの交際は成績に悪影響を与え、神父は奨学金を得るため、21歳になるまでの交際を禁じる。トールキンはエディスにこれを伝え、自分が21歳になるまで待ってくれるよう頼むが、エディスは断って別れを告げる。T.C.B.S.の4人は別々の大学に進む。トールキンはエディスからの婚約を告げる手紙を読んで絶望し、夜中にオックスフォード大学の中庭で自分の考案した言語を叫び、教授や学生らを起こす。トールキンの言語は言語学教授のジョセフ・ライトの注意を引く。トールキンの学業はうまく行かず、奨学金は打ち切られる。言語学こそ自分の進むべき道だと気づいたトールキンは専攻を変えてライトの授業を受け始める。第一次世界大戦が勃発し、T.C.B.S.の4人は戦争に志願する。トールキンに再会したエディスは今もトールキンを愛していることに気づき、婚約を破棄して二人は愛を誓う。トールキンはソンムの戦いに従軍し、病を得つつも生還する。病院で目覚めたトールキンは、スミスとギルソンが戦死し、ワイズマンは生還するも精神を病んだことを知る。
数年後、トールキンはオックスフォードの教授となり、エディスとの間に4人の子をなす。﹃ホビットの冒険﹄の着想を得る。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替。
- J・R・R・トールキン: ニコラス・ホルト(内山昂輝)
- 子供時代: ハリー・ギルビー
- エディス・ブラット: リリー・コリンズ(清水理沙)
- 子供時代: ミミ・キーン
- フランシス・モーガン神父: コルム・ミーニイ(石原辰己)
- ジョセフ・ライト: デレク・ジャコビ(糸博)
- ジェフリー・バッチ・スミス: アンソニー・ボイル(木村良平)
- 子供時代: アダム・ブレグマン
- ロバート・Q・ギルソン: パトリック・ギブソン(藤田大助)
- 子供時代: アルビー・マーバー
- クリストファー・ワイズマン: トム・グリン=カーニー(豊永利行)
- 子供時代: タイ・テナント
- サム: クレイグ・ロバーツ(石井マーク)
- ミセス・フォークナー: パム・フェリス(鈴木れい子)
- ヒラリー・トールキン: ジェームズ・マッカラム
- 子供時代: ギレルモ・ベッドワード
- メイベル・トールキン: ローラ・ドネリー
- ミセス・スミス: ジュネヴィーヴ・オライリー
- ギルソン校長: オーウェン・ティール
製作
編集
2013年11月21日、フォックス・サーチライト・ピクチャーズとチャーニン・エンターテインメントがJ・R・R・トールキンの伝記映画の製作に乗り出していると報じられた[3]。2017年7月24日、ドメ・カルコスキが本作の監督に起用されたとの報道があった[4]。カルコスキにとって、トールキンの伝記映画の製作に関与することは子供時代からの念願であった[5]。
キャスティング・撮影
編集マーケティング・興行収入
編集評価
編集
本作に対する批評家からの評価は平凡なものに留まっている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには72件のレビューがあり、批評家支持率は47%、平均点は10点満点で5.51点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は﹁﹃トールキン 旅のはじまり﹄には魅力的な時代背景と伝記映画に相応しい名演技があるが、J・R・R・トールキンの実像を的確に表現するための想像力が欠けている。﹂となっている[17]。また、Metacriticには23件のレビューがあり、加重平均値は49/100となっている[18]。
出典
編集
(一)^ “Tolkien”. The Numbers. 2019年5月14日閲覧。
(二)^ ﹃キネマ旬報﹄2020年3月下旬特別号63頁
(三)^ “Fox Searchlight and Chernin Developing J.R.R. Tolkien Biopic”. Variety (2013年11月21日). 2019年5月9日閲覧。
(四)^ “Dome Karukoski To Helm J.R.R. Tolkien Biopic”. Deadline.com (2017年7月24日). 2019年5月9日閲覧。
(五)^ “J.R.R. Tolkien Biopic: We've Seen Exclusive Footage”. IGN (2019年3月29日). 2019年5月9日閲覧。
(六)^ “Nicholas Hoult Frontrunner To Play Young J.R.R. Tolkien”. Deadline.com (2017年7月25日). 2019年5月9日閲覧。
(七)^ “Lily Collins to Co-Star Opposite Nicholas Hoult in Biopic ‘Tolkien’”. Variety (2017年8月30日). 2019年5月9日閲覧。
(八)^ “Colm Meaney Cast In Fox Searchlight’s ‘Tolkien’”. Deadline.com (2017年10月12日). 2019年5月9日閲覧。
(九)^ “Tom Glynn-Carney Signs on for ‘Tolkien’ Biopic (EXCLUSIVE)”. Variety (2017年10月25日). 2019年5月9日閲覧。
(十)^ “‘Red Oaks’ Star Craig Roberts Joins Fox Searchlight’s J.R.R. Tolkien Biopic (EXCLUSIVE)”. Variety (2017年11月15日). 2019年5月9日閲覧。
(11)^ “Covered in (Middle) earth! Mud-soaked Nicholas Hoult shares a joke on set of J.R.R. Tolkien biopic between takes with co-star Genevieve O'Reilly”. Daily Mail (2017年10月25日). 2019年5月9日閲覧。
(12)^ “The Tolkien Movie, Starring Hoult and Collins, Wraps Filming”. ComingSoon.net (2017年12月14日). 2019年5月9日閲覧。
(13)^ “TOLKIEN Official Trailer”. YouTube (2019年2月12日). 2019年5月9日閲覧。
(14)^ “TOLKIEN Trailer 2”. YouTube (2019年3月6日). 2019年5月9日閲覧。
(15)^ “'Detective Pikachu' Looks for Strong Opening While 'Avengers: Endgame' Set to Top $700M”. Box Office Mojo (2019年5月9日). 2019年5月14日閲覧。
(16)^ “May 10-12, 2019”. Box Office Mojo. 2019年5月14日閲覧。
(17)^ “Tolkien”. Rotten Tomatoes. 2019年5月9日閲覧。
(18)^ “Tolkien (2019)”. Metacritic. 2019年5月9日閲覧。