ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート[注釈 1](独: Das Neujahrskonzert der Wiener Philharmoniker)は、毎年1月1日にウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)で行なわれるマチネ(昼公演)の演奏会(コンサート)である。ヨハン・シュトラウス2世を中心とするシュトラウス家の楽曲が主に演奏される。
歴史
編集歴代指揮者(年)
編集1986年までに登場した指揮者はクラウス(1939年(大晦日)、1941年 - 1945年、1948年 - 1954年。計14回)、ヨーゼフ・クリップス(1946年 - 1947年。計2回)、ボスコフスキー(1955年 - 1979年。計25回)、マゼール(下記参照)の全部で4人に過ぎないが、1987年のカラヤン以降は、同じ指揮者が2年連続して指揮することはなくなった。また、1979年以前は全員ウィーン生まれの3人の指揮者で担われていたが、その後は完全に人選が国際化したためウィーン生まれの指揮者は登場していない(出身地別ではベルリンのみが唯一複数の3人を輩出している)。
2023年までに登場した指揮者は全部で18人であるが、1度選ばれると複数回招かれる傾向が強く、将来再登場の可能性がある2017年のドゥダメルと2020年のネルソンスを除けば、1回登場したのみの指揮者は、カラヤンと小澤の2人だけである。
マゼール以降は、これがウィンナワルツ・コンサートを指揮する初めての機会という指揮者も少なくなく、たとえば録音などでウィンナワルツに積極的というイメージのあるカラヤンですら、これ以外には半分をウィンナワルツが占めるプログラムしか指揮した記録がない。
- 1980年:ロリン・マゼール (1)
- 1981年:ロリン・マゼール (2)
- 1982年:ロリン・マゼール (3)
- 1983年:ロリン・マゼール (4)
- 1984年:ロリン・マゼール (5)
- 1985年:ロリン・マゼール (6)
- 1986年:ロリン・マゼール (7)
- 1987年:ヘルベルト・フォン・カラヤン (1)
- 1988年:クラウディオ・アバド (1)
- 1989年:カルロス・クライバー (1)
- 1990年:ズービン・メータ (1)
- 1991年:クラウディオ・アバド (2)
- 1992年:カルロス・クライバー (2)[注釈 3]
- 1993年:リッカルド・ムーティ (1)
- 1994年:ロリン・マゼール (8)
- 1995年:ズービン・メータ (2)
- 1996年:ロリン・マゼール (9)
- 1997年:リッカルド・ムーティ (2)
- 1998年:ズービン・メータ (3)
- 1999年:ロリン・マゼール (10)
- 2000年:リッカルド・ムーティ (3)
- 2001年:ニコラウス・アーノンクール (1)
- 2002年:小澤征爾 (1)
- 2003年:ニコラウス・アーノンクール (2)
- 2004年:リッカルド・ムーティ (4)
- 2005年:ロリン・マゼール (11)
- 2006年:マリス・ヤンソンス (1)
- 2007年:ズービン・メータ (4)
- 2008年:ジョルジュ・プレートル (1)
- 2009年:ダニエル・バレンボイム (1)
- 2010年:ジョルジュ・プレートル (2)
- 2011年:フランツ・ヴェルザー=メスト (1)
- 2012年:マリス・ヤンソンス (2)
- 2013年:フランツ・ヴェルザー=メスト (2)
- 2014年:ダニエル・バレンボイム (2)
- 2015年:ズービン・メータ (5)
- 2016年:マリス・ヤンソンス (3)
- 2017年:グスターボ・ドゥダメル (1)
- 2018年:リッカルド・ムーティ (5)
- 2019年:クリスティアン・ティーレマン (1)
- 2020年:アンドリス・ネルソンス (1)
- 2021年:リッカルド・ムーティ (6)
- 2022年:ダニエル・バレンボイム (3)
- 2023年:フランツ・ヴェルザー=メスト (3)
- 2024年:クリスティアン・ティーレマン (2)
- 2025年(予定):リッカルド・ムーティ (7)
3回以上登場した指揮者(回数順。2024年まで): ボスコフスキー(25回)、クラウス(14回)、マゼール(11回)、ムーティ(6回)、メータ(5回)、ヤンソンス、バレンボイム、メスト(各3回)
演奏曲目
編集選定について
編集アンコール
編集演出について
編集曲が演奏されたことがある作曲家一覧
編集シュトラウス一家
編集オーストリアのワルツ作曲家
編集アニバーサリーの作曲家
編集- ジャック・オッフェンバック(1980年:没後100年記念)
- オットー・ニコライ(2010年:生誕200年記念)
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1991年:没後200年記念、2006年:生誕250年記念)
- フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(2009年:没後200年記念)
- フランツ・リスト(2011年:生誕200年記念)
- リヒャルト・ワーグナー(2013年:生誕200年記念)
- ジュゼッペ・ヴェルディ(2013年:生誕200年記念)
- リヒャルト・シュトラウス(2014年:生誕150年記念)
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(2020年:生誕250年記念)
- アントン・ブルックナー(2024年:生誕200年記念)
その他の理由
編集選曲理由不明
編集放送
編集批判
編集その他
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b NHK Eテレ「ウィーン ニューイヤーコンサートに乾杯!生中継直前〜音楽の祝祭を100倍楽しむ方法〜」2018年1月1日放送
- ^ a b ムーティ指揮 ニューイヤーコンサート 2021年(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 公式サイト)
- ^ 金聖響、玉木正之『マーラーの交響曲』講談社現代新書、155ページ
- ^ 午後7:00 · 2024年1月1日
- ^ 午後7:37 · 2024年1月1日