ノスリ
ノスリ(鵟、学名 Buteo japonicus)は、鳥類タカ目タカ科ノスリ属の1種である。
ノスリ | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() ノスリ Buteo japonicus | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Buteo japonicus Temminck & Schlegel, 1844 | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ノスリ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Eastern Buzzard |
従来、ノスリ属の模式種ヨーロッパノスリ Buteo buteo などと同種とされていたが、2008年の分子系統により別種と判明した[1]。
分布
編集形態
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B. j. oshiroi ダイトウノスリ
全体的に黄土色がかり、背面や翼の羽毛の赤みが強い。
B. j. toyoshimai オガサワラノスリ
やや小型。背面の羽毛の色彩が淡く、全体的に白っぽい。
系統と分類
編集系統は Lerner et al. (2008)[2]、種はIOC[1]より。
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亜種
編集- Buteo japonicus japonicus Temminck & Schlegel, 1844 ノスリ
- Buteo japonicus oshiroi Kuroda, 1971 ダイトウノスリ
- Buteo japonicus toyoshimai Momiyama, 1927 オガサワラノスリ
- 日本(小笠原諸島)固有亜種
等 ?
亜種ダイトウノスリは1970年代初めから記録がなく、絶滅した可能性もある。また、分類の基準となるタイプ標本が存在しないため、そもそも亜種としての存在を疑問視する声もある。
生態
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平地から山地の森林に生息する。群れは形成せず、単独もしくはペアで生活する。
食性は動物食で、昆虫類、節足動物、陸棲の貝類、ミミズ、両生類、爬虫類、鳥類、小型哺乳類等を食べる。
繁殖期には縄張りを形成する。樹上や断崖の上に木の枝を組み合わせた巣を作り、日本では4–5月に2–4個の卵を産む。
主にメスが抱卵︵雌雄とも抱卵することもある︶し、抱卵期間は33–35日。雛は孵化後50–55日で飛翔できるようになり、その40–55日後に独立する。生後2–3年で性成熟する。
狩りの際の挙動は、﹁停飛から急降下﹂[3]と、後述する﹁樹上から急降下して匍匐飛行﹂が見られる。
和名ノスリの由来の説として、上記後者の樹上からの狩りの際に、野を擦るような地表すれすれを匍匐飛行する︵野擦︶ことが知られている。[4]
獲物に気づかれぬように接近する目的の行動と思われるが、最終位置の確認と思われる﹁獲物の直前でポップアップ機動﹂をする場合も目撃される。
保全状況評価
編集種とされて日が浅いため、IUCN Red List ではUR (Under Review ※調査中) である。
人間との関係
編集出典
編集- ^ a b c Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “Raptors”, IOC World Bird Names, 2.6
- ^ Lerner, H.R.L.; Llaver, M.C.; Mindell, D.P. (2008), “Molecular Phylogenetics of the Buteonine Birds of Prey (Accipitridae)”, Auk 304: 304–315
- ^ 書籍「野鳥観察ハンディ図鑑」日本野鳥の会「新・山野の鳥」
- ^ NHK番組「ワンダーxワンダー」2010/09/11放送「ワシとタカ 美しきハンター」
- ^ 安部直哉『山渓名前図鑑 野鳥の名前』(山と渓谷社) 253頁 ISBN 978-4-635-07017-1
参考文献
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●﹃原色ワイド図鑑4鳥﹄、学習研究社、1984年、108頁。
●黒田長久 監修、C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン 編 ﹃動物大百科7鳥I﹄、平凡社、1986年、183頁。
●﹃小学館の図鑑NEO 鳥﹄、小学館、2002年、39頁。
●川上洋一 ﹃絶滅危惧の野鳥事典﹄、東京堂出版、2008年
●真木広造、大西敏一 ﹃日本の野鳥590﹄ 平凡社、2000年