ベクロメタゾン(英:Beclometasone dipropionate)はステロイド系抗炎症薬の一種。主に呼吸器症状の改善に用いられる。

ベクロメタゾン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
投与経路 点鼻、吸入、軟膏
薬物動態データ
生物学的利用能吸引直後に17-モノプロピオン酸ベクロメタゾン(17-BMP)に代謝
血漿タンパク結合17-BMPの約87%が
アルブミン・トランスコルチンと結合
代謝体内の種々の酵素によって分解
半減期約4-5時間(成人)
約0.7-2時間(小児)
排泄約75%を便中に排泄
約8%を尿中に排泄
識別
CAS番号
5534-09-8 チェック
ATCコード A07EA07 (WHO) D07AC15 (WHO), R01AD01 (WHO), R03BA01 (WHO)
PubChem CID: 21700
DrugBank DB00394 ×
ChemSpider 20396 チェック
UNII 5B307S63B2 チェック
ChEBI CHEBI:3002 チェック
ChEMBL CHEMBL1200500 ×
化学的データ
化学式C28H37ClO7
分子量521.042 g/mol
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小史

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196419961987UNEP[1]

作用機序

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薬物動態

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局所投与で使用し、粘膜から吸収されても不活性物質に分解されるまでがとても早いため、全身性の副作用が少ない比較的安全な医薬品である。

副作用

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  • 口腔内 - 口腔カンジダ症口渇口内炎、味覚障害、咽喉頭(違和感、異物感など)
  • 呼吸器 - 咳、嗄声、呼吸器カンジダ症、肺好酸球増多症、気管支喘息の悪化
  • 消化器 - 悪心、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛
  • 循環器 - 高血圧、動悸
  • 筋肉・骨格 - 関節痛、筋肉痛、脱力感
  • 精神神経系 - 頭痛、けん怠感、憂うつ感
  • 薬剤アレルギー - じんましんなどの発疹、そう痒、浮腫、紅斑
  • その他 - 尿糖、白血球増多、リンパ球減少、尿潜血、コルチゾール減少、鼻血、嗅覚障害

慎重投与

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禁忌

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ベクロメタゾンの禁忌は以下のようになっている。

  • 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者
  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

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原則として、以下の疾患がある際には特に必要である場合のみ、ベクロメタゾンの投与は認められない。

  • 結核性疾患の患者

併用禁忌

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妊婦、産婦、授乳婦等への投与

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高齢者、小児への投与

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処方例

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剤形

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出典

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  1. ^ 医薬品インタビューフォーム - 大日本住友製薬[PDF]

参考文献

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