モーニン
アート・ブレイキーのアルバム
﹃モーニン﹄︵英語: Moanin' ︶は、ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーが1958年に発表したアルバム、およびその1曲目に収録されているボビー・ティモンズが作曲した楽曲。同アルバムはブルーノートのアルバムの中でも人気の高い﹁4000番台シリーズ﹂の一つで、レコード番号は4003である。
『モーニン』 | |
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アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ の スタジオ・アルバム | |
リリース | |
録音 | 1958年10月30日 |
ジャンル | ジャズ、ファンキー・ジャズ |
時間 | |
レーベル | ブルーノート |
プロデュース | アルフレッド・ライオン |
専門評論家によるレビュー | |
概要
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ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズはメンバー・チェンジが多かったが、本作で鍵となったのは、新加入したサックス奏者のベニー・ゴルソン。メンバーの人選を行ったり、大半の楽曲を作るという、音楽監督の役割を果たした。ゴルソンが作った﹁ドラム・サンダー組曲﹂は、タイトル通り、ブレイキーのドラムを前面に押し出した曲。
タイトルトラックの﹁モーニン﹂のみ、ピアニストのボビー・ティモンズ作曲。ゴスペルのコール・アンド・レスポンスに影響を受けたイントロを持ち、ファンキー・ジャズというジャンルを代表する曲とされる。ティモンズは牧師の息子で、幼い頃からゴスペルに親しんでいたことから着想したという。この曲は、1961年1月に行われたジャズ・メッセンジャーズの初来日公演でも演奏され、日本のジャズ・ファンに鮮烈な印象を与えることになるが、曲自体は1960年1月発売の﹃サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ﹄の収録曲として既に日本でも広く知られており[1]、油井正一によれば﹁メッセンジャーズの来日が近づいた一九六〇年秋には蕎麦屋の出前持ちが︿モーニン﹀を口笛で吹くようになっていた﹂という[2][3]。その後もこの楽曲の人気は不滅で、1990年には三菱・ランサーの15秒CMにも﹁モーニン﹂が起用されている。演奏はデビッド・マシューズがニューヨークの超一流ミュージシャンを集めて結成した﹁マンハッタン・ジャズ・オーケストラ﹂。また、作曲者のティモンズも、自分のアルバム﹃ジス・ヒア﹄で再演した。さらに2006年4月に放送を開始したNHKの教養番組﹁美の壺﹂でもテーマ曲に使用されている[4]。
収録曲
編集アナログA面
編集- モーニン - Moanin'(Bobby Timmons)
- アー・ユー・リアル - Are You Real(Benny Golson)
- アロング・ケイム・ベティ - Along Came Betty(B. Golson)
アナログB面
編集- ドラム・サンダー組曲 - The Drum Thunder Suite(B. Golson)
- ブルース・マーチ - Blues March(B. Golson)
- カム・レイン・オア・カム・シャイン - Come Rain Or Come Shine(Johnny Mercer, Harold Arlen)
演奏メンバー
編集カヴァーしたアーティスト
編集脚注
編集注釈・出典
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(一)^ 当時、ブルーノートは国内発売の契約がなかったため、輸入盤を別にすれば、国内盤で手に入ったジャズ・メッセンジャーズの最新アルバムは日本ビクターから発売されていた﹃サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ﹄だった。
(二)^ 油井正一﹃ジャズ昭和史 時代と音楽の文化史﹄DU BOOKS、2013年8月、584-588頁。
(三)^ 小川隆夫著﹃伝説のライブ・イン・ジャパン 記憶と記録でひもとくジャズ史﹄︵シンコーミュージック・エンタテイメント︶では、この発言は当時、油井正一がDJを務めていたNHKの﹃リズム・アワー﹄でのものとされている。また油井正一は﹃ジャズ昭和史 時代と音楽の文化史﹄では﹁これは僕が言い出したんですが、でたらめに誇張しているわけではありません﹂︵334ページ︶とも述べている。
(四)^ NHK 鑑賞マニュアル美の壺 よくある質問
関連項目
編集- 鑑賞マニュアル 美の壺 - NHKが2006年に放送を開始した教養番組で、「モーニン」が同番組のテーマ曲として使われている。