七つの子
子供の歌
楽譜
編集歌詞
編集- 烏 なぜ啼くの
- 烏は山に
- 可愛七つの
- 子があるからよ
- 可愛 可愛と
- 烏は啼くの
- 可愛 可愛と
- 啼くんだよ
- 山の古巣へ
- 行って見て御覧
- 丸い眼をした
- いい子だよ
『七つ』の謎
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﹃七つ﹄という言葉が﹁7羽﹂を指すのか﹁7歳﹂を指すのかは明らかになっておらず[1]、度々論争の種となっている。カラスは一度に7羽もの雛を育てることはなく、7年も生きたカラスはもはや﹁子﹂とは呼べないためである。
この謎を扱った作品として﹃天才柳沢教授の生活﹄があるが、作中でも明確な結論は出されなかった。
一つの解釈
﹁7歳説﹂への有力な手がかりとして、野口雨情︵作詞者︶記念館の館長である雨情の孫娘が主張する、雨情の息子︵つまり館長の父親︶がこの歌のモデルであり、その息子が7歳のころに作られた歌であるという事実がある。これは身内による主張であるため、説得力があるとする見方が存在する。また、7歳という年齢は野口雨情自身が母親と別れた年齢と合致することから、そこに関連性を見出す説もある。
また、この歌の元歌である﹁山烏﹂という詩が、1907年頃に作られており、その中でも﹁可愛︵かわい︶七つの、子があれば…﹂と書かれていることからも野口雨情自身の母への思慕の情や実体験からくる子供への思いが歌のなかで﹁七つ﹂という言葉が一つのキーワードとしてあてられているのではないかと思われる。
なお、日本語の﹁七つ﹂という言葉はしばしば﹁多い﹂の意味で使われる。
歌碑
編集録音した歌手
編集替え歌
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1980年初頭にザ・ドリフターズの志村けんがTBSで放送された人気テレビ番組﹃8時だョ!全員集合﹄の中で、﹁カラス なぜ鳴くの カラスの勝手でしょ〜﹂という替え歌を歌ったことから子供達を中心に流行した。この替え歌は前半コント︵中場またはオチがつくところで出ることが多い︶、少年少女合唱隊、後半コントのいずれかの場面で登場していた。当時の子供たちにとって影響力が強すぎたため、これを正式歌詞として認識している人も多い。志村自身が飽きて番組で披露を止めた所、抗議電話が殺到して止む無く続けた程の社会現象だった。
なお、この替え歌の歌詞については志村けんの作ではなく、笑福亭鶴光がDJを務めたニッポン放送のラジオ番組﹃鶴光のオールナイトニッポン・サンデースペシャル﹄の中の替え歌コーナーが発祥との説がある[4]。志村けんの著書では、自身の作ではなく近所の小学生が歌っていたのを番組で歌ってみたと語られている。
1990年代後半には、英会話教室NOVAのテレビCMで、山崎一演じる﹁鈴木さん﹂が、この歌を歌いながら会社を退勤し、ドアを出ると同時に歌詞が英訳に変わる場面が人気を呼んだ。
また、森繁久彌がかつて盲学校を訪問した際、この歌を歌うことになり、1番はつつがなく歌ったものの、2番を歌っている最中に盲目の生徒に対して﹁まるい目をした﹂という歌詞をそのまま歌うのを憚り、その場で機転をきかせて若干の遅れはあったものの﹁まるい顔した、いい子だよ﹂と歌ったという[5]。
ドラマ﹁受験の神様﹂︵日本テレビ︶の中にもこの替え歌が登場している。
その他
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1989年︵平成元年︶に﹁﹃日本のうた・ふるさとのうた﹄全国実行委員会﹂がNHKを通じて全国アンケートにより実施した﹁あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた﹂で、本曲が第8位を獲得した[6]。
2003年︵平成15年︶にNPO﹁日本童謡の会﹂が全国約5800人のアンケートに基づき発表した﹁好きな童謡﹂で第6位に選ばれた[7]。
2006年︵平成18年︶に文化庁と日本PTA全国協議会が﹁日本の歌百選﹂に選定した[8]。
北島三郎の曲﹁帰ろかな﹂では間奏に本曲を組み込んだバージョンがあり、NHK紅白歌合戦などの歌番組で披露されている。商品化はされていない。
﹃名探偵コナン﹄の黒ずくめの組織に登場する﹁あの方﹂のメールアドレスは﹁♯969♯6261﹂とされており、携帯音のプッシュ音が七つの子に似たメロディラインになっている︵詳細は黒ずくめの組織#黒幕を参照︶。
常磐線の磯原駅では、発車メロディーとして使われている。フルコーラスが64秒と長い為、途中で切られることが多い。
グレッグ・アーウィンによる英訳詞﹁Seven Little Babies﹂が存在し、アーウィン自身の歌唱により1997年4月21日発売のアルバム﹃ハッピー・チャイルド!〜英語でうたおう こどものうた みんなのうた〜﹄、1999年発売のアルバム﹃英語でうたう日本の童謡2﹄︵共にビクターエンタテインメントから発売︶に収録された。
脚注
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(一)^ 三代目海沼実﹁﹁七つの子﹂の歌い方﹂、﹃毎日小学生新聞﹄2004年4月11日。
(二)^ 北茨城市立精華小学校ホームページ
(三)^ ﹃別冊太陽 子供の昭和史 童謡・唱歌・童画100﹄ 平凡社 1993年15頁
(四)^ 米川明彦編﹃日本俗語大辞典︵第3版︶﹄東京堂出版 2006年 172頁
(五)^ 戸板康二﹃ちょっといい話﹄文藝春秋
(六)^ ﹁﹃赤とんぼ﹄ベスト1に 後世に残す日本のうた﹂﹃読売新聞﹄1989年10月12日付朝刊、30頁。
(七)^ 好きな童謡1位は赤とんぼ/﹁母が歌ってくれた﹂、四国新聞社、2003年6月27日 21:56。
(八)^ “日本の歌百選” (PDF). 文化庁. 2024年3月24日閲覧。